現在の生殖補助医療(ART)においては、凍結胚盤胞融解移植をすすめられることが多いと思います。しかし、採卵後の培養でどうしても胚盤胞にならない方もいらっしゃいます。
もし胚盤胞にならない場合でも、必ずしも胚盤胞にこだわらなくてもよいかもしれません。
研究では卵巣刺激し人工授精を行った後、子宮洗浄により回収した胚(体内培養)、刺激周期で採卵し培養した胚(体外培養)を比べています。
その結果、体内培養の方が良好胚盤胞になる割合が高かったとしています。
初期の生殖補助医療(ART)では新鮮胚移植が主流でしたが、凍結技術の進歩により胚へのダメージが少ない方法で凍結できるようになると、胚を凍結せずに移植する新鮮胚移植と比較して、胚盤胞による凍結融解胚移植のほうが妊娠率が良いという報告が増えたため、多くの施設では胚盤胞の凍結融解胚移植が行われています。
しかし、年齢を重ねるに従って胚が生殖に必要な質を維持しにくくとなると生殖補助医療による負担の影響で、胚盤胞になれない胚もあります。
胚盤胞にこだわると、胚盤胞になれなければ凍結も移植もできなくなります。
確かに現在の生殖補助医療では胚盤胞の凍結融解胚移植の方が効果的ですが、胚盤胞にならずとも初期胚での移植でうまくいく可能性もあります。今回の研究ではその可能性を示唆しています。
体外環境は胚に対してダメージを与えてしまう可能性があります。胚の発生については体内環境の方が良い可能性もありますので、胚盤胞にならない場合、早い段階から体内環境で発生が進む初期胚移植を考慮してみても良いかもしれません。
現在妊活、不妊治療は臨床と研究が並行して行われている状況です。方針については病院・クリニックと十分に話し合いを持ってすすめましょう。
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