翼状片と漢方について

タナココ

翼状片(よくじょうへん)っていわれたんだけど、漢方でどうにかならない…?という相談があります

目頭のほうから黒目にかけて三角形状の物質が入り込んでくる病気が「翼状片(よくじょうへん)」です。

翼状片、漢方

白目の表面を覆っている半透明の膜を「結膜」と言い、この結膜の下にある細胞が増殖した状態で、初期は外見的な変化以外には初期症状はありません

しかし、症状が進んでくると増殖部分が盛り上がり、まばたきをするたびにこすってしまうため炎症を起こしたり、目がゴロゴロと異物感を感じるようになります

炎症が起こっているため充血し目が真っ赤になり、黒目(角膜)のところまで広がると黒目も充血したように赤く見えます

ただし、痛みは感じません

症状が進行し黒目(角膜)の部分まで広がると視覚に異常を感じたり、角膜が歪んでしまうと乱視症状を引き起こすことがあります

はっきりとした原因はわかっていませんが、環境因子と遺伝因子が関係していると言われています

環境因子としては紫外線、埃や風などがあり、また翼状片が「目頭」の方に多いのは涙液の流れによる刺激が鼻の側に強いためと考えられています

また人種による発生頻度の違いや家族内発生の違いがあると言われているため遺伝因子の関与も考えられています

目につきやすい変化ですので、心配する人もいますが西洋医学的には「良性」の疾患です

目のゴロつきや充血などの症状が軽度であれば軽度ですので手術は必要ありませんが、進行性のため、時間が経つにつれて広がってくることもあり、その場合は手術が必要になることもあります

一方で、翼状片の手術には、再発しやすいという問題もあり、単純な除去だけでは約半数が再発すると言われています

単に翼状片を除去するだけでなく、手術では正常な部分の結膜に縫合したりまた、症状の初期から漢方を服用することで進行を遅らせたり、再発予防していくことも役立ちます

漢方の処方には、翼状片に効果があると言われている「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」という、炎症やむくみを抑える処方が使われることがありますが、長期の服用には注意が必要な「麻黄」や「甘草」が含まれていますし、この処方だけで良くなることはあまりありません

「翼状片」は中医学では、黒目(角膜)を覆っていないものを「胬肉」、黒目(角膜)を覆ったものを「胬肉攀睛」と言います

中医学的な原因は、心肺風熱、脾胃実熱、陰虚火旺などです

心配風熱の場合は、紫外線や埃などの外的な要因で起こることが多く
蒺藜子、蝉脱、谷精草、決明子、菊花、密蒙花、蔓荊子、木賊などを使います
多くはこのタイプです

脾胃実熱の場合は、お酒や熱性、辛味の強い食材の多食で胃腸で熱が発生しその熱が原因で起こることが多く
大黄、芒硝、黄連、黄芩、車前子、茺蔚子、防風、桔梗、玄参、夏枯草などを使います

陰虚火旺の場合は、過労や疲労、日常生活・性生活の不摂生などで起こることが多く
地黄、山茱萸、沢瀉、牡丹皮、知母、黄柏などを使います

「翼状片」は良性の疾患ではありますが、心理的なストレスが大きい疾患です
初期の段階であれば、進行を遅らせたり症状を緩和できる可能性がありますのでご相談下さい

ただし、「翼状片」に似た別の疾患もありますので、一度眼科を受診しておくようにしてください

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