🚪 1杯の「緑茶🍵」が未来を変えるかもしれない
認知症は、誰にとっても他人事ではありません。親の介護、友人の変化、自分自身の将来……身近で深刻な問題です。
日本のある地域で12年間にわたって、1万人以上を追いかけた研究が認知症予防の「手がかり」を見つけました。
それは「緑茶」。
その研究では「緑茶」をよく飲む人ほど、認知症になりにくいかもしれない──そんな希望のある結果が示されたのです。
しかもこの研究、ただの統計で終わりません。飲む量の違いや、コーヒーとの組み合わせが脳にどんな影響を与えるのか、具体的な数値とともに明かされています。
そしてもうひとつの視点として、中医学の理論──「心腎の精気」「清熱解毒」などの考え方からも、この研究を読み解いてみると、また新しい意味が見えてくるのです。
そんな「緑茶のちから」を科学と中医学の両方から紐解いていきます。
🍃 緑茶は美味しいだけじゃない
緑茶は、私たち日本人にとっては日々の生活の中で飲まれている、なじみの深い飲み物です。けれどもその中身には、健康を守る力がたっぷり詰まっています。
なかでも注目されるのが「カテキン」。
これは緑茶に豊富に含まれる天然の成分で、強い抗酸化作用を持ち、体の中の「サビ」とも言える酸化ストレスを抑えてくれることで知られています。
また、炎症を鎮めたり、血管の健康を保ったりする働きも報告されており、心臓病やがん、糖尿病などとの関連も多くの研究で示されてきました。
最近では、緑茶の成分が脳の健康にも良い影響を与えるのではないかと注目が集まっています。
実験レベルの研究では、脳の炎症を抑えたり、記憶をつかさどる神経の働きを保ったりする作用が見つかっており、「認知症の予防」にもつながる可能性があると考えられています。
でも、本当に日常的な「緑茶習慣」が脳を守ってくれるのか。その答えを求めて、日本の研究者たちは12年間の追跡調査を行いました。
🔍 12年間、1万人を追いかけて
この研究は、新潟県の村上市や関川村などで実施された「村上コホート研究」という大規模な調査の一環として行われました。
対象となったのは、40〜74歳の地域住民13,660人。スタートは2011年で、そこからなんと12年間にわたり、認知症の発症を追跡しています。
調査の方法はとても丁寧です。参加者には、緑茶やコーヒーを含む飲み物の摂取頻度や量を細かく答えてもらい、それをミリリットル単位で数値化。そしてその後、介護保険の認定情報を使って、どの人が認知症を発症したかを調べていきました。
さらに重要なのが、年齢や性別、体格、運動量、喫煙や飲酒の習慣、持病の有無など、認知症に影響を与えそうなさまざまな要因を統計的に調整している点です。
ただの「緑茶好きが元気だった」という話ではなく、できるだけ他の要因の影響を取り除いた上で、「緑茶」と「認知症」の関係を見極めようとしています。
このスケール感と緻密さは、信頼に足るデータとして、非常に価値の高いものです。
📉 緑茶と認知症リスクの意外な関係
調査の結果、緑茶を多く飲んでいる人ほど、認知症を発症するリスクが低いという傾向が見えてきました。
具体的には、緑茶の摂取量を4つのグループに分けて比較したところ、一番少ないグループ(1日平均94mL未満)を基準とした場合、一番多く飲んでいるグループ(600mL以上)では、認知症の発症リスクが25%も低くなっていました。
さらに、1杯(150mL)増えるごとにリスクが約4.8%ずつ減っていくという結果も得られました。これは毎日の生活の中で「お茶をもう1杯飲むだけ」で、将来の脳のための「健康貯金」をしているようなものなのかもしれません。
興味深いのは、男女でこの効果に違いがあった点です。女性では特にはっきりとした効果が見られ、緑茶をたくさん飲んでいる人は、明らかに認知症のリスクが低い傾向にありました。一方、男性では統計的にはっきりとは示されなかったものの、同じような傾向が見られています。
年齢でも違いが見られ、65歳未満の人では特に効果が強く出ていました。これは、若いうちからの習慣が長期的に脳の健康を守ることにつながる可能性を示唆しています。
☕ 飲みすぎ注意? コーヒーとの組み合わせに潜む落とし穴
「緑茶🍵」と一緒に私たちの生活に欠かせない飲み物といえば、やはり「コーヒー☕️」です。この研究でも、コーヒーの摂取量と認知症リスクの関係、さらに緑茶とコーヒーを両方多く飲んだときにどんな効果があるのかを詳しく調べています。
結果として、緑茶とコーヒーを両方適度に飲んでいる人には、認知症リスクの低下傾向が見られました。ところが、緑茶を600mL以上、コーヒーを300mL以上飲むという「ダブルでたっぷり派」の人たちでは、その恩恵が薄れてしまう、という意外な結果が出たのです。
この理由のひとつとして考えられるのが、カフェインやポリフェノールなどの「健康成分」も、摂りすぎれば体にとってストレスになるという点です。
緑茶とコーヒーを合計で900mL飲んだ場合、カフェインの摂取量は一日で約300mg。この量はまだ許容範囲ではありますが、感受性の強い人や高齢者にとっては、睡眠障害や不安感を招く可能性も出てきます。
つまり、「良いものも、ほどほどが一番」。健康のために飲むお茶やコーヒーだからこそ、量のバランスには気をつけたいところです。
🌿 中医学から読み解く──「緑茶🍵」と「脳🧠」の関係
中医学の視点で緑茶を見ると、また違った姿が浮かび上がります。
緑茶は、中医学では「涼性」に分類される食材です。つまり、体内の熱を冷ます作用があるとされ、特に「清熱解毒(せいねつげどく)」、つまり余分な熱や毒素を取り除く働きがあると考えられています。
脳は「腎」の精(せい)と深くつながっているとされ、精神や記憶、集中力などを司るのが「心(しん)」の働きです。中医学では、加齢や過労によって「心腎両虚(しんじんりょうきょ)」という状態、つまり心と腎のエネルギーがどちらも不足してしまうことで、物忘れや集中力の低下、さらには認知症のような症状が現れると考えられています。
また、緑茶に含まれる成分は、「清熱化痰(せいねつけたん)」の作用も持ちます。これは、体にたまった不要な粘り(痰濁)や老廃物を取り除く働きで、脳のはたらきをにぶらせる要因を軽くする効果が期待できます。
つまり、緑茶は「熱を冷まし」「余分なものを取り除き」「気を整える」作用を通じて、心と腎を穏やかに助け、脳のめぐりをスムーズにする——そんなイメージです。
西洋医学の視点で見た抗酸化・抗炎症作用と、中医学の視点で見た「清熱化痰解毒」のはたらき。その両方が交差するところに、緑茶の力があるのかもしれません。
🍵 未来の自分に1杯の投資を
この研究が教えてくれたのは、「毎日の習慣が、10年後の自分を作る」ということ。
「緑茶」という身近な飲み物が、脳の健康を守る「盾」になる可能性がある。それも、科学的なデータと中医学の知恵の両方から支えられている——そんなことが見えてきました。
ただし、飲めば飲むほどいい、というわけではありません。緑茶もコーヒーも「ほどほど」がちょうどよく、体質や体調、年齢に応じてバランスを考えることが大切です。
認知症は、薬や治療法だけで解決できる病気ではありません。だからこそ、生活の中でできる「ちいさな選択」がとても重要になってきます。
今日の一杯が、10年後のあなたの記憶を支えてくれるかもしれない──そんな思いを込めて、まずは一杯、ゆっくりと味わってみてください。
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