不調になったときどうしますか?
漢方を飲む?
鍼を打ったりお灸をしたりする?
病院を受診する?
古くはこれらの方法以外に「言葉の力」や「おまじない」──不思議な図形やリズミカルな動作で「元気」を回復させる方法がありました。
中国には、そんな「ちょっと不思議」な健康法が古くから伝わっています。
その名は「祝由術」。
呪文を唱えたり、お守りを描いたり、ちょっとした儀式を行ったり。
なんだか昔話の世界のようですが、実はこれ、心と体のバランスを整えるための知恵がたっぷり詰まっていたりします。
今回は、そんな祝由術と、その中でも「腎」を元気にする「強腎咒」について、中医学の視点も交えながらご紹介します。
あなたの知らない「もうひとつの健康法」の扉を一緒に開いていきましょう。
祝由術とは
祝由術(しゅくゆじゅつ)は、中国古代に発展した伝統的な治療・祈祷法です。
薬や鍼を使う治療とは異なり、呪文(咒)や霊符(符籙)、特別な儀式を組み合わせて、病気や災いの原因に働きかけることを目的とします。
その歴史はきわめて古く、《黄帝内経》でもこうした祈祷的な治療法の存在が言及されています。
さらに、宋代以降の中医学では「祝由科」という専門分野が設けられ、呪術的な手法が体系化されました。
祝由術は、身体の不調だけでなく、心や運気、邪気など目に見えない要因にも幅広くアプローチする独自の療法です。
祝由術の特徴と技法
祝由術の魅力は、「呪文(咒)」「霊符」「動作や儀式」といったさまざまな手法を総合的に用いる点にあります。
治療者は、まず特定の呪文や祝詞を唱え、言葉に込めた霊的な力を引き出します。続いて、独自の記号や漢字を崩して描いた霊符を作成し、お守りや薬代わりとして活用します。
さらに、手の動きや舞、特定の道具(剣や鈴など)を使った儀式を組み合わせることも少なくありません。
こうした複合的なアプローチによって、目には見えない力やエネルギーを活性化し、心身のバランスを整えようとするのが祝由術の核心です。
歴史的背景と中医学との関わり
宋代以降、中国の医学は治療体系の細分化と専門分野の確立が進みました。
その中で祝由術は、「祝由科」として正式な診療分野に位置づけられ、医官制度の中で独自の役割を担いました。祝由術は、薬物や鍼灸といった身体への直接的な処置とは異なり、主に呪文、霊符、儀式といった精神的・象徴的な手法によって治療を行います。
中医学の枠組みでは、人の健康は「心(精神)」や「気(エネルギー)」の流れと密接に関係していると考えられています。
祝由術はこの思想に基づき、体の症状だけでなく、気持ちの落ち込みや不安、運気の低下、邪気の影響など、現代医学では見落とされがちな心身の問題にも幅広く用いられてきました。
こうした「見えない領域」にもアプローチできる点が、祝由術と中医学の深い関わりを示しています。
祝由術の実際の応用
祝由術の実践では、まず患者の状態や困りごとを丁寧に聞き取ることから始まります。そのうえで、病気や不調の背景にある目に見えない原因──たとえば邪気や心の乱れ、環境の影響などを見極め、最適な呪文や祝詞が選ばれます。
必要に応じて、独自の記号や漢字を用いて霊符を作成し、これを身につけたり、家の中に貼ったりすることで加護を願います。ときには霊符を燃やして水に溶かし、服用するという用法もあります。
また、治療者が手を振ったり、特別な道具(剣や鈴など)を使って儀式を行うなど、動作をともなうアプローチも用いられます。
こうした多層的な技法を組み合わせることで、患者本人だけでなく家族や周囲の人々にも安心感を与え「気」の流れや場の雰囲気を整えようとします。
祝由術は単なる迷信や一過性の民間信仰ではなく、人間の心と体、そして環境の調和を重んじた総合的なケアとして長い歴史の中で育まれてきました。
現代における祝由術の意義
祝由術は、近代以降の医学の進歩や科学的思考の広まりの中で、正規の医療行為としては次第に姿を消していきました。
しかし、現代でも民間信仰や地域の伝統行事の中に、祝由術の要素が残っていることがあります。たとえば、お守りや厄除け、家族の健康を願う儀式など、日常生活のさまざまな場面に、祝由術の影響が残っています。
また、近年は心理学や行動医学の分野でも「言葉の力」や「儀式の安心感」が再評価されています。
誰かのために祈ることや、意味のある行為を繰り返すことで、不安が和らいだり、自己治癒力が高まることが実証されつつあります。
祝由術が持つ「信じる力」「祈る力」は、単なる迷信ではなく、人間の心身の回復力を後押しする大切な要素として、見直されているのです。
医療や科学が進歩した現代だからこそ、「目に見えないもの」へのまなざしや、心と体の調和を大切にする祝由術の知恵が、セルフケアやウェルビーイングの新しいヒントになるかもしれません。
強腎咒とは
強腎咒(きょうじんじゅ)は、祝由術の中で「腎」の力を高めるために唱えられる特別な呪文です。
中医学における「腎」は、単に腎臓という臓器だけを指すものではありません。生命エネルギーの貯蔵庫であり、成長・発育・生殖・老化・免疫など、人の根本的な生命活動を支える「源」としてとらえられています。
そのため、腎の力が弱まると、疲れやすさ、冷え、不妊、腰痛、老化現象など、さまざまな不調が現れると考えられています。
強腎咒は、特別な修行や伝承がなくても、心を込めて唱えることが大切で、伝統的には、毎日朝晩決まった時間に7回ずつ、21日間続けて唱えるといった方法がよく用いられます。
「腎」を司る北方や水徳、五行の神々、宇宙のエネルギーに働きかける言葉を繰り返し唱えます。唱えるときは、静かな場所で目を閉じ、呼吸を整えて自分の「腎」に意識を向けながら、一語一語を丁寧に口に出します。
できれば、「自分の中にエネルギーが満ちてくる」「不調が洗い流される」とイメージしながら唱えると、より効果を実感しやすくなります。
たとえば──
「北方五気,玄中之天,五霊玄老,五気天君,追生落死,主鎮腎神,水徳善秀,会道合真」
といった呪文が用いられます。
また、必要に応じて「腎」を強めるための霊符を作り、身につけたり家に貼ったり、場合によっては符を燃やしてその灰を飲み水に混ぜることもあります。
伝統から未来へ──心と体を整える祝由術の智慧
祝由術は、中国古代に発展した伝統的な治療・祈祷法です。呪文や霊符、そして特別な儀式を組み合わせ、身体の不調や心の悩み、運気の滞りといった、目には見えないさまざまな要因に穏やかに働きかけてきました。
宋代以降は「祝由科」として医学体系の中に位置づけられ、中医学の一領域として人々の健康を支えてきた歴史があります。
その技法は、言葉の力を活かした呪文(咒)、象徴的な図案による霊符、さらに手の動きや舞、道具を用いた儀式など、多面的に心と体に働きかけるものです。現代の視点で見れば、こうした方法は「信じる力」や「祈る習慣」、安心感やセルフケアにつながる知恵として再評価されています。
とりわけ「強腎咒」のような呪文は、中医学で生命エネルギーの要とされる「腎」を意識し、日々の健康維持や自己調整に活かせる実践の一つです。日常の中で前向きな言葉を自分にかけたり、意識的にリラックスする時間を持つことは、現代のセルフケアにも通じています。
科学や医学が発展した今も、「健康を願う心」や「自分を大切にする気持ち」の価値は変わりません。祝由術は、時代を超えて受け継がれてきた「心のケア」の知恵であり、自分自身をいたわる新しいセルフケアの選択肢としても活用できます。
体のケアだけでなく、心のバランスも大切にしたい──そんなあなたにとって、祝由術の知恵はきっと支えになるはずです。
毎日の暮らしに、ちょっとしたセルフケアや自分を大切にする時間を少しだけ加えてみてください。
毎日の小さな積み重ねが、明日のあなたを守る力になってくれるはずです。
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