🌙 夜の光とからだのリズム
枕元の小さな明かり、つけたままのテレビ、カーテンのすき間から差し込む街灯──寝室に残る「夜の光」は「生活感」ではなく、からだのリズムに静かに影響を与えます。
こうした就寝中の光と、からだへの影響について調べた研究があります。米国の女性を対象にした研究ですが、ちょっと驚きの結果が出ています。
中医学では、夜は「陰」(休息)が主となる時間帯です。そこへ「光」という「陽」の刺激が入ると、陰陽の切り替えがスムーズに行われず、翌日の「巡り」にも影響が出る──という考えがあります。
現代の科学の視点では「夜の光」は私たちのからだに、どのような「変化」をもたらすのでしょうか。
続きを見ていきたいと思います。
📈 どんな研究?
この研究では、「夜の光」が体に与える影響、特に「体重」や「体型」の変化にどのように関係するかを調べました。
対象となったのは、アメリカとプエルトリコに住む40代〜60代を中心とした女性たちで、もともと健康な生活を送っている方が多い集団です。合計で約4万3,000人が参加し、約5年にわたり変化を追いました。
「夜の光」は、参加者へのアンケートで「就寝中にどのくらいの明かりがあるか」を調査し
- 完全な暗さ(寝室が真っ暗)
- 小さな明かり(常夜灯など)
- 外からの光(街灯など)
- 室内のライトやテレビの光
の4つに分けて記録しました。
そして、それぞれのグループについて、
- 調査開始時点で太っていたかどうか(BMIという指標で評価)
- その後、どれくらい体重が増えたか
- 肥満になったかどうか
を比較しています。
生活習慣(喫煙や飲酒など)や年齢などによる影響が出ないように、統計的な調整も行っています。
🔎 結果は?
実は、調査が始まった時点で、寝室が明るい人たちは、暗い環境で眠っていた人たちよりも、すでにやや太っている傾向がありました。体重やお腹まわりの数値に、少し差があったのです。
その上で、約5年後に体重の変化を見てみると、その差はさらに広がっていました。
特に「室内のライトやテレビをつけたまま寝ていた人たち」では、体重が5kg以上増えた割合が高く、過体重や肥満になった人も多く見られました。
この傾向は、食事や運動、年齢、生活習慣などの違いを考慮しても、はっきり残っていました。
いっぽうで、「常夜灯」や「カーテンのすき間から入る外の光」くらいの明るさでは、体重の変化に大きな違いは見られませんでした。
💡 現代医学の解釈は?
この研究は、「寝ているときの光」がからだにとって「刺激」となり、それが数年にわたる体重の変化と関係している可能性を示しています。
特に、室内のライトやテレビのような目を閉じても感じる明るさがあると、からだが休息状態に入りにくくなると考えられます。
睡眠の質が下がることで、ホルモンの働き(とくに食欲や代謝に関わるもの)に影響が出て、長期的には体重や体型に変化をもたらすという仕組みです。
さらに、運動、食事、睡眠時間、ストレスの程度など、生活全体の違いを統計的に調整しても、光と体重変化の関係は残っていました。つまり、「生活習慣の乱れだけでは説明できない」部分があるということです。
常夜灯や、窓から差し込む外の光などの「弱い光」では、このような変化は目立たず、「室内のライトやテレビ」が特に影響していた点も注目されます。
🌱 中医学ではどう考える?
中医学では、からだの状態は「陰」と「陽」のバランスで成り立っていると考えます。
夜は「陰」が主となる時間帯で、からだは自然と静まり、回復や整理のための働きが高まります。ここに、人工の光という「陽」の刺激が加わると、からだは休息のモードに入りにくくなります。
このように陰陽の切り替えがうまくいかないと、「気」や「血」の流れが滞りやすくなります。巡りが乱れると、寝ても疲れが取れにくくなったり、消化の働きが不安定になったりと、日常のリズムにゆらぎが積み重なっていきます。
今回の研究が示した「夜の光と体重の変化」の関係は、この中医学的な考え方とも通じるものがあります。
からだは、夜の暗さの中でこそ整いやすくなる──この古くからの視点が、現代の研究でも裏づけられつつあります。
✨ 眠りの環境をもっと大切に
今回の研究は、夜寝ている間の光が、数年後の体重や体型の変化と関係している可能性を示しました。
特に、室内のライトやテレビをつけたまま寝ている人では、体重が増えたり、肥満になる傾向が強く見られました。
生活習慣の影響だけでは説明しきれない部分があったことも、重要なポイントです。
一方で、「常夜灯」や「カーテンのすき間から入る外の光」程度の弱い明るさでは、こうした変化ははっきりとは見られませんでした。
この結果から言えるのは、「夜はしっかり暗くして眠る」という基本が、体のバランスを保つうえで想像以上に大切だということです。
「夜の光」をゼロにするのは難しくても
- 就寝前にテレビを消す
- スマートフォンを枕元から離す
- 明るすぎる照明を避ける
など、無理のない範囲で「夜の光」とのつきあい方を見直すことが、日々のからだを守る一歩になるかもしれません。
夜寝るときに「暗さを整えること」は、無理なくできるセルフケアのひとつです。それだけでも、からだがちゃんと休める時間をつくることにつながります。
完璧である必要はなく、まずは、自分が落ち着いて眠れる環境をつくること。
光をほんの少し見直すことで、からだの巡りやバランスがゆっくり整っていく──そんな変化を、無理なく続けていけたらいいですね。
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