睡眠不足は優しさを奪う

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

睡眠の不足は様々な疾患のリスクになることが知らせれていますが、最近の研究で、睡眠不足は人から「やさしさ」を奪うかもしれないことがわかってきました。

研究では、十分な睡眠をとったグループと徹夜したグループで比較したところ、徹夜したグループの方が、他人への共感や気持ちを理解するために働く「心の理論 *」ネットワークを形成する働きが徹夜をすると低下することが示されました。

 


*「心の理論」とはいろいろな心的状態を区別したり、心の働きや性質を理解する知識や認知的枠組みのことで、他者の心を類推し、理解する能力のこと。
特に発達心理学において、乳幼児を対象にさまざまな研究が行われるようになったが、ヒトおよびヒト以外の動物が心の理論を持っているかどうかについては、「誤信念課題**」によって調べられる。この課題で他者の信念についての質問に正答することができた場合に、心の理論を持っていると結論される。一般的に4歳後半から5歳の子どもはこれらの課題に通過することができる。

**「誤信念課題」の例として「サリー・アン課題」がある。課題の内容は次のようなものである。
・サリーとアンは同室にいる。
・サリーはビー玉を「かご」に入れ部屋を出る。
・アンは、サリーが部屋を出ている間にビー玉を「かご」から取り出し「箱」に入れ替える。
・サリーが部屋に帰ってきた時、サリーはビー玉を探すためにどこを探すか。
正解は「かご」だが3歳児の大半は「箱」と答える。正解するには 、状況を俯瞰して見ている「自分」という視点ではなく 、サリーという立場になって 考える必要がある。


 

人が他人と関わり、他人のことを考える時には、「心の理論」のネットワークが働くことで、他人が何を考え、何を望んでいるのかを理解することができますが、「心の理論」のネットワークが働かないと、他人が困っていたり、困っているのかどうかを推し量ったりすることができなくなり、他人が困っている時に助けたいという気持ちも低下してしまいます。

今回の研究では「心の理論」のネットワークが正常に働くためには「睡眠」が重要で、「睡眠」が不足するとこのネットワークが障害され、他人への配慮ができなくなるということを示しています。

また、この研究では睡眠不足がどの程度だと影響が出るのかということも調べられており、サマータイムの開始によりわずか1時間の睡眠不足が生じただけでも、その影響が見られたとしています。

 

先進国の多くでは、半数以上が十分な睡眠を取れていないという報告もあります。

不和の時代ではありますが、優しさを取り戻すために、「睡眠」が1つの潤滑剤の役割を果たすかもしれないと著者は述べています。

 

睡眠は体の健康と心の健康の基礎となります。十分な睡眠が取れていない方は今一度生活を見直してみてください。

 

「やさしさ」がたくさんある世の中にしていきたいですね。

 

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