🍽 朝ごはん、抜くか食べるか──その違い、意外と大きいかもしれません。
朝の支度に追われる時間帯、つい後回しにされやすいのが朝ごはん。
寝坊した日や食欲のない日には、「まぁいっか」「今日は抜いてしまおう」と考えてしまう日も…。
けれど、そんな日が何日も続くと、体の中では少しずつ変化が起きている可能性があるようです。
今回取り上げるのは、アメリカで実施された約6,500人を対象にした前向きコホート研究。
40歳から75歳の男女を長期間にわたって追跡し、「朝食を食べる頻度」と「死亡との関係」を丁寧に分析したもので、「ある病気」とのつながりに注目が集まりました。
また、中医学では「一日を整える鍵は朝にある」とされ、朝の時間帯に飲食をとることは、気血の巡りや消化の働きを助け、体の調子を整えると考えられています。今回の研究は、そうした伝統的な知見とも通じる部分があるかもしれません。
果たして、朝食を抜く習慣と健康との関係は──続きを見ていきましょう。
🍳 気づけば「朝抜き派」が増えていた?
ここ数年、朝食をとらない人が少しずつ増えています。
特に若年層を対象にした複数の研究でも、朝食を抜く習慣が比較的多く見られることが報告されています。
でも、実はアメリカでも同じような傾向が見られていて、朝食を抜く人の割合は1990年代以降、ゆるやかに上昇していると報告されています。
一方で、これまでの研究では、朝食をとらない人ほど、肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病を抱えている割合が高いこともわかってきました。
ただし、こうした研究の多くは、「病気になるかどうか」までを見ているものが中心で、「その後の死亡リスク」まで踏み込んだ研究はほとんどありませんでした。
「朝ごはんを食べるかどうか」が、最終的にどれくらい健康とつながっているのか。そこを明らかにしたのが、今回の研究です。
🔬 6,500人を十数年追いかけたら…?
今回の研究で使われたのは、「NHANES(ナネス)」と呼ばれるアメリカの国民健康調査のデータです。
対象となったのは、1988年から1994年にかけて調査に参加した40歳〜75歳の男女6,550人。心臓病やがんの既往がなく、生活習慣などに関する詳細な情報が揃っている人たちです。
調査の際には、「普段、朝ごはんをどれくらいの頻度で食べていますか?」という質問がされていて、回答は「毎日」「ときどき」「まれに」「まったく食べない」の4つに分けられていました。
その後、これらの人たちを2011年の終わりまで追跡し、誰がどんな原因で亡くなったのかを国の記録と照らし合わせて調べました。
そして、年齢や性別、収入、喫煙・飲酒習慣、運動量、食生活の質など、さまざまな要素を加味したうえで、「朝ごはんを食べる頻度」と「死亡リスク」の関係を分析していったのです。
📊 朝ごはんを抜いていた人に見られた傾向とは?
研究チームが分析を進めると、ある傾向が見えてきました。
朝ごはんを「まったく食べない」と答えた人たちは、「毎日食べている」人たちと比べて、心血管疾患で亡くなるリスクが明らかに高いという結果が出たのです。
具体的には、年齢や生活習慣などの条件をすべて調整した後でも、「まったく朝食をとらない人」は、心臓や血管の病気で亡くなるリスクが約1.9倍に上がっていました。
全体の死亡率についても、「朝食を抜く人」はやや高めの傾向がありましたが、こちらは統計的にギリギリ有意ではないという結果でした。
また、心臓そのものの病気と脳卒中を分けて見たとき、特に脳卒中による死亡率が高いという点も注目されました。朝食をまったくとらない人では、脳卒中で亡くなるリスクが約3.4倍だったのです。
こうした結果は、「朝ごはんそのもの」に問題があるというよりも、もっと広い意味での「生活のあり方」に目を向ける必要があることを示しているのかもしれません。
🌿 中医学で考える、朝という時間の意味
中医学では、「朝」はとても大切な時間帯とされています。
古くから、「朝は脾(ひ)と胃(い)が活発になる時間」とされてきました。脾と胃は、食べたものを消化し、体に必要なエネルギーや血(けつ)をつくる中心的な存在です。朝にしっかり食事をとることで、その日の「気(エネルギー)」が生まれやすくなると考えられています。
また、中医学では「一日の始まりに口にするものが、その日を整える」とされ、朝食は単なる食事ではなく、心身のバランスを調える「養生」の一部とされています。
今回の研究が示す、朝食を抜くことと脳卒中や心血管疾患のリスクの関連は、中医学のこの考え方とも一致する部分があるかもしれません。朝の気血の巡りが滞ると、頭部や心臓まわりの流れが悪くなり、結果として循環器に影響が出やすくなると考えられます。
もちろん、現代医学と中医学はアプローチが異なりますが、朝を大切にするという考えは、どちらにも共通しているようです。
🍚 朝ごはんが整えているのは体調だけじゃない?
「朝ごはんを食べるかどうか」──
これは、単なる食事の話にとどまらず、私たちの暮らし方そのものを映しているのかもしれません。
今回の研究では、朝食をとる・とらないという違いが、生活全体のリズムや整い方にも関係していることが示され、朝ごはんを毎日とっていた人たちは、全体的に規則正しい生活を送っている傾向がありました。
一方で、まったく朝食をとらない人たちは、喫煙や飲酒の頻度が高く、日常のリズムがやや不安定な人も多かったようです。
また、生理的な視点でも、朝という時間帯は体が目覚めて活動を始めるタイミング。
そこに食べ物が入ることで、血糖値や血圧がゆるやかに動き出し、ホルモンのバランスも整いやすくなると考えられています。
つまり、「朝食をとること」は、単にエネルギーを補給するという以上に、一日のスタートを整える「合図」のような役割を果たしているのかもしれません。
そして何より、朝ごはんをきっかけに、少しずつ生活のリズムを見直していくことができれば、それはきっと、体にもこころにもやさしい変化につながっていくはずです。
まずは、自分のペースで。
無理のないところから、「朝の一口」を取り入れてみてください。
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