採卵の時に「空胞」にしないための工夫 〜「フラッシュ」の有効性について

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

採卵の時に「空胞」と言われるととても落ち込みます。特に見えている卵胞が1つしかない場合、採卵できるかできないかは次に移植ができるかできないかに関わるため重要です。

 

「採卵」には2つの方法があります。

普通に吸引する方法と、採卵の際に卵胞の中を何度か「フラッシュ」する方法です。

 

「フラッシュ」とは、採卵を行なう際に、一度卵胞から卵胞液を吸引した後に培養液を卵胞内に戻し、卵胞内を洗浄することで卵胞壁に付いている可能性のある卵子を回収し損ねることを防ぐための工夫です。

以前は採卵のときに「フラッシュ」する方法はよく行われていました。しかし、現在はこの「フラッシュ」は行われなくなってきています。その理由は複数個採卵できる場合「フラッシュ」しても結果として採卵数が増えたり、妊娠率が増加しないことがいくつかの研究で示されているためです。

 

しかし、採卵できる卵胞が1つしかない場合は取れるか取れないかの重みが変わります。取れないとその時点で終了になりまた採卵をやり直すことになります。採卵できる卵子が1つでも増えれば成績向上につながります。

 

卵胞が1つの時に「フラッシュ」をした場合と、しなかった場合に採卵率に変化があるかどうか調べた研究があります。

2016年〜2019年にかけて、大学病院での不妊治療で体外受精を希望する18〜42歳の女性164名ついてのランダム化比較試験です。

早発排卵予防に必要に応じてクロミフェンの服用をしながら、卵胞の大きさが16mm以上になったらuHCGを5000単位使用し、36時間後に19ゲージのシングルルーメンで採卵を行いました。採卵は麻酔を行わず、20〜25 ml / minの流量を確保するために220 mmHgの引圧で吸引しました。「フラッシュ」するグループでは、卵胞を吸引する際に、針は卵胞の中に残した状態で、ヘパリンを含むフラッシング液で5回「フラッシュ」を行いました。

 

その結果・・・成熟卵子回収率、受精率、移植率ともに「フラッシュ」したほうが高くなりました。また、臨床妊娠率および出生率には違いがありませんでした。採卵に要した時間は、当然と言えば当然ですが「フラッシュ」した方が長くなりました。

 

今回の報告からは、単一の卵胞に対しては「フラッシュ」を行って採卵することで、回収率や受精率や移植率が上がりますので、発育している卵胞が1個だけの場合は「フラッシュ」を考慮してもよいのではないかと思います。一方、「フラッシュ」することで、卵胞が大きく移動するため、卵胞に対してダメージが加わる可能性もあります。「フラッシュ」の手技は慎重に行う必要があります。

採卵では卵胞の大きさや、針の刺入部位付近に卵子がある場合も考慮した工夫が重要とされています。針の刺入部位に卵子がある場合は「フラッシュ」してもその効果が届きにくいこともあります。そのため単に「フラッシュ」すれば卵子が取れるという訳ではなく、卵胞内の陰圧が刺入部位にも上手にかかるように針先の位置に注意しながら吸引することが大切になり、そうすることで回収できないことによる「空胞」を防ぐことができます。

この「フラッシュ」は医療機関の方針によって行うところと行わないところがありますが、発育している卵胞が1個だけのときは、採卵の仕方について担当医に聞いてみても良いかもしれません。

 


▶︎ 卵が複数個育たないときにできること ◀︎

西洋医学的には、卵子を積極的に守る方法はありませんが、漢方では「卵」を育てながら、発育途中のさまざまなストレスからどうやって「卵」を守っていくかも考えて処方を組み立てていきます。そうやって守ってきた卵は、採卵の際の刺激で卵巣が反応しやすくなり、複数個育ちやすくなります。ダメージから守られて育った卵は、良い結果に繋がりやすいので、妊活されている方にはぜひ漢方を取り入れて欲しいと思います。


 

 

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