戸建てかアパートか、持ち家か賃貸か──住まいと心血管の健康の意外なつながり
🌿 住む環境と体の関係についての研究
人がどんな場所で暮らすかは、日々の体調や心の落ち着きに静かに影響を及ぼしています。
日本各地の高齢者を対象に、「住まいの種類」と「持ち家か賃貸か」という条件を組み合わせて、その後の健康状態を長期に追跡した大規模な研究があります。
すると、意外な傾向が浮かび上がってきたのです。
中医学の視点でいえば、住環境は「気(エネルギー)」や「血(血流)」の巡りに直結します。寒さの厳しい家は「寒邪(かんじゃ)」が入り込みやすく、体の中の「陽気」を消耗させると考えられます。
こうした視点を合わせることで、住まいと体の関係がより具体的に理解できるようになります。
では続きを見ていきましょう。
📊 どんな研究?
対象となったのは、日本の複数の自治体に暮らす自立した高齢者。
アンケートを経て、約4万人弱が追跡調査の対象になりました。追跡期間は約6年。その間に心臓や脳の血管の病気で亡くなった人を確認しました。
研究者たちは「持ち家の戸建て」「分譲マンション(所有)」「賃貸アパート」「賃貸の戸建て」の4つに分類し、それぞれの死亡リスクを比べました。
そしてその後、誰がどのような原因で亡くなったかを国の死亡データベースと照合し、「心血管疾患(心臓や脳の血管の病気)」による死亡率との関係を調べました。
「住まいの形 × 所有の仕方」が、長期的に心臓や血管の健康にどんな影響を与えているかを、科学的に確かめた調査です。
📈 見えてきた傾向
もっとも低いリスクだったのは「分譲マンション(所有)」に住む人たちでした。
これに対し「賃貸アパート」はリスクがやや高い傾向を示しました。特に男性でその差がはっきりしていました。女性では同じ傾向は見られましたが、統計的に明確ではありませんでした。
この違いは単に経済状況の差だけでは説明しきれず、住まいそのものが持つ条件が関係している可能性があります。
❄️ 住まいと「体」の関係
研究者は背景に「住環境の寒さや温度変動」があると考えています。
日本の住宅は欧米に比べて断熱性能が低く、特に賃貸アパートは冬に室温が下がりやすい構造のことが多いのです。低い室温は血圧を上げやすく、心臓や脳の血管に負担をかけます。
また男性では、高血圧になりやすいことや生活習慣の違いが影響し、この環境要因をより強く受けやすいと考えられます。複数の要因が重なることで「賃貸アパートに住む男性」のリスクが高くなったと考えられます。
ただし研究は観察調査であるため、因果関係を断定することはできません。
さらに賃貸の種類や実際の室温などは調べられておらず、今後は住宅環境と健康を直接つなげる研究が求められます。
🌿 住まいと「気血」の関係
中医学では、寒さや湿気といった外の影響を「外邪(がいじゃ)」と呼び、体に入ると「気」や「血」の巡りを乱すとされます。特に「寒邪」は体を温める「陽気」を弱め、血管を縮めて血流を妨げます。
今回の研究結果は、中医学の「寒冷な住環境が陽気を傷め、血脈を阻む」という考えと重なります。加えて、高齢者は「腎陽」が衰えやすく、冷えの影響を受けやすいとされます。
住まいの条件が体の内外のバランスにつながるという中医学の視点が、今回の研究結果と重なっています。
🔍 住まいの環境を整えること
住まいの条件をすぐに大きく変えるのは難しいかもしれませんが、身近なところからできる工夫はあります。
例えば、厚手のカーテンや床に敷くラグ、窓の断熱などは、室温を保ちやすくし、体への冷えの負担をやわらげてくれます。
また、断熱性の高い家では室温が安定しやすく、冬の冷え込みによる血圧の変動を抑える可能性があるとされています。こうした省エネ建築の広がりによる住環境の改善は、光熱費の節約や環境への配慮だけでなく、健康にもつながる可能性があります。
住まいは、単なる「暮らしの器」ではなく、心と体の健康に深く関わる場所です。
今回の研究が示した知見は、西洋医学の観点に加えて、中医学の考え方とも重なりながら、住まいと健康の関係をより明確にしてくれました。
小さな暮らしの工夫と、社会全体の仕組みづくりが合わされば、年を重ねても健やかに暮らせる環境へと一歩ずつ近づいていけるはずです。
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