🧎 座りっぱなしの代償
長時間のデスクワーク、通勤の車内、家でのリラックスタイム──現代の生活は「座ること」であふれています。気づけば、1日の大半をほとんど動かずに過ごしているという人も多いのではないでしょうか。
でも、座っている時間が長いと体に良くないという話、よく耳にしますよね。ではそれが、実際にどれくらい健康や寿命に関わっているのか、きちんと測った研究はあるのでしょうか。
今回紹介するのは、世界8か国以上、3万人超のデータを統合し、数年間にわたって追跡した大規模研究です。
注目すべきは、参加者の活動量が自己申告ではなく「加速度計」というセンサーで客観的に記録されていること。これにより、「本当に動いていたか」が明確にわかるようになったのです。
そして、この研究が示したのは意外にも「少し動くだけでも十分に意味がある」ということ。ジム通いやランニングをしなくても、生活の中での軽い動きが生存率に影響していました。
また、中医学でも昔から「体をこまめに動かして、気と血の巡りを保つこと」が大切とされてきました。古い知恵と最新の科学が、不思議と同じ方向を指しているのです。
📊 誰をどう追いかけた?
この研究に参加したのは、北米やヨーロッパなどに住む3万6千人以上の中高年です。追跡期間は数年から10年以上と長く、その間に亡くなった人の数や生活習慣のデータが記録されていました。
ポイントは、活動量の測定に「加速度計」というセンサーを使っていたことです。これは腰に装着して、体がどれだけ動いたか、いつ座っていたかを秒単位で記録できる装置です。
ふつうのアンケートと違って、本人の記憶に頼らずに「実際の行動」がそのままデータになるため、軽い動きも見逃しません。だからこそ、活動量と健康の関係がより正確に見えるようになったのです。
🏃 どれくらい動けばいいのか
研究では、日常の活動量に応じて参加者を次の4つに分けて比較しました。
- 最も動かないグループ
- 少し動くグループ
- そこそこ動くグループ
- よく動くグループ
特に大きな差が見られたのは、「最も動かないグループ」と「少し動くグループ」の間です。わずかな活動量の違いが、死亡リスクに明確な差を生んでいました。
つまり、いきなり本格的な運動を始める必要はないということ。普段より少しだけでも多く動くことが、健康にしっかりとつながることが示されたのです。
🪑 座りっぱなしはどこから危ない?
活動量と同じくらい注目されたのが「座っている時間」です。1日の中で座っている時間が長くなるほど、死亡リスクが上がる傾向が見られました。
特に目安となったのが「9.5時間」。ここを超えるとリスクが急に上がりはじめ、10時間を過ぎるとその傾向がより強くなっていました。
つまり、長時間座りっぱなしで過ごすことが日常化している人は、どこかで区切りをつけて、こまめに立ったり歩いたりすることが重要です。ちょっとした立ち上がりでも、積み重なれば体への影響は小さくありません。
🚶 それでも「ちょっとだけ」でいい
研究では、「少し動くだけでどの程度の効果があるのか」も検討されていました。
最も動かない人が活動量を少し増やすだけで、死亡リスクは明確に下がっていました。目安としては、軽い動きを1日1時間、あるいは息が少し弾む運動を5分ほど増やすだけで効果が見られています。
「1時間」と「5分」の差は大きく感じられますが、これは運動の強さの違いによるものです。中高強度の運動は短時間でも、長時間の軽い動きに匹敵する効果を持つことがわかっています。
つまり、特別な運動でなくても大丈夫。階段を使う、少し遠回りを歩く、こまめに立ち上がる──そうした小さな工夫が、十分に健康につながるのです。
🌿 中医学から見る「動くこと」の意味
中医学では、「気(き)」と「血(けつ)」が体内をスムーズに巡ることが健康の基本とされています。これを妨げる原因の一つが、長く座り続ける生活です。
古くから「五労(ごろう)」という、体を疲れさせる5つの行動が説かれており、その中に「久座(きゅうざ)」──長く座り続けること──が含まれています。これは、血の巡りが悪くなり、内臓の働きまで落ちると考えられていたためです。
今回の研究でも、長時間の座位が死亡リスクの上昇と関連していました。体をこまめに動かすことは、現代医学的には代謝や循環の改善につながり、中医学的には気血の流れを整えることに通じます。
異なる視点から見ても、「動くこと」はやはり大切だという共通の結論にたどりつくのです。
🌟 小さな動きが未来を変える
この研究が教えてくれるのは、「ほんの少しの動きでも、健康にとっては十分な意味がある」ということです。特別な運動をする必要はありません。大切なのは、長く座りすぎず、日々の中に小さな動きを積み重ねていくこと。
中医学でも「久座」は、体に負担をかける五労の一つとされています。古くからの知恵と、最新の科学的データが示す方向は、まったく同じでした。
たとえば、朝に少し早起きして近所を歩く。仕事の合間に立ち上がる。階段を選ぶ。どれも特別なことではないけれど、その積み重ねが、未来の自分の体をつくっていきます。
今日の一歩が、10年後のあなたを変えるかもしれません。
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