尿酸値が高いことが不妊治療に有利に働くかも…という報告です
「尿酸」は、体内で「プリン体」が分解されたあとにできる「老廃物」
「尿酸」は食べ物からだったり、体内でのエネルギー代謝の過程でも発生します
血液中の「尿酸」が高い状態のまま放っておくと、痛風、腎障害、慢性腎臓病など、さまざまな生活習慣病(メタボリックシンドローム、高血圧、心疾患など)のリスクが高くなります
そのため「尿酸」は「悪玉物質」として認識されていることが多いのですが、実は「善玉物質」としての働きもあるのではと考えられています
というのも、腎臓では「尿酸」は約90%が「再吸収」されています
「悪玉物質」であれば、再吸収する必要はありませんので、体にとって何かしらの「有益」な作用があると考えられていま
実際に神経変性疾患や脳梗塞急性期の組織障害が尿酸により軽減されるといった報告もあります
最近「尿酸値」と「不妊治療」の関係についての研究があり、「尿酸値」が高いことによる良い影響について報告しています
2017年5月〜2021年12月の間に最初の不妊治療(体外受精、顕微授精)を終えた不妊症の女性8,257人のデータを使用して、尿酸とAMHの関係を後方視的に検討しました
その結果、尿酸値の「増加」は、AMH増加、胞状卵胞数(AFC)の増加、LH低下と有意な正の相関を示すことが報告されました
プリン代謝における主な代謝産物である「尿酸」は、酸化ストレス、慢性炎症、ミトコンドリアのリモデリングに関与しており、2型糖尿病、心血管疾患、メタボリックシンドロームなどの代謝障害の危険因子とされています
一方「尿酸」の「抗酸化作用」によりパーキンソン病やアルツハイマー病などの老化関連疾患の予防的な役割を果たしている可能性が示唆されています
また、最近の研究では、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜症、更年期や閉経の時期、体外受精の成績、FSHやE2との関連についての報告もあり、尿酸と卵巣予備能についての関係が示唆されています
今回の方向では「尿酸値」が 320~340 μmol/L(5.38〜5.72mg/dL ) 以上で良い影響が見られるようです
尿酸値が高いと卵巣予備能が高まり、AMHなども増加しますが、予期しない卵巣反応不良のリスクも高まる可能性についても注意が必要です
不妊治療においては、さまざまな因子がその成績に影響を与えます
今回の報告についても、継続した研究、詳細な検討が必要ですが、「抗酸化作用」が不妊治療にはとても重要な視点なのだろうと思います
また「尿酸」という視点で不妊治療への影響を考えるのはとても興味深いと感じました
漢方で妊活・不妊治療をサポートするときは、一人ひとりの体の状態、抱えているトラブルの種類ごとに処方を考えますが、「抗酸化作用で卵を守る」内容は共通しています
実際に、漢方薬の服用によりAMH、胞状卵胞の増加などが見られることも多いです
今回の報告はあくまでも1つの視点であって、尿酸値を上げれば良いというものではないことにご注意ください
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