こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
移植周期で黄体ホルモンを補充後、移植直前に内膜を測定するとその厚さが変化することがあります。ギリギリの厚さで移植に進んだ方の場合、薄くなるととても心配になります。
黄体ホルモン補充後の内膜の厚さの変化は、妊娠率に差はあるのでしょうか。
このことについて調べた研究があります。
凍結融解正倍数体の胚盤胞をホルモン補充周期で移植しようとしたとき、プロゲステロン投与後の子宮内膜の変化を
・子宮内膜の厚さが減少したグループ
・増加したグループ
・変化のないグループ
の3つのグループに分けて妊娠成績を調べたところ、プロゲステロン投与後の子宮内膜の厚さの変化は妊娠の結果に差がなかったと報告しています。
いくつかの研究では、子宮内膜が増殖を終えた時点での子宮内膜の厚さは9〜14 mmの範囲であり、この範囲にある内膜の厚さは着床率と臨床妊娠率を向上させることが示されています。ただし、一部の研究では、子宮内膜の厚さは臨床転帰とは関係がなく、妊娠転帰を予測できないことも確認されています。
西洋医学的には子宮内膜の状態を判断する指標は「厚さ」しかありませんが、中医学の妊活では厚さ以外にも柔軟性、感受性も考えます。
移植し着床につなげるためには、ただ、内膜を厚くすれば良いというものではなく、西洋医学的には見えにくい、柔軟性、感受性をいかに高めるかも大切になります。
実際にアッシャーマン症候群などの原因があり、内膜がどうしても厚くならず、移植にすすめず、なんとかすすめた時でも移植がうまくいかないという方が、漢方を服用することで内膜はすごく厚くはならないものの、柔軟性、感受性を高める目的で処方を組み合わせることで妊娠にたどり着いた方もいらっしゃいます。
妊娠率と内膜の厚さはある程度は影響しますが、うまくいかない場合でもそれは必ずしも内膜の厚さの問題というわけではないので、それ以外の要素をいかに底上げするかが重要となります。
内膜を厚くすることだけに固執してしまうと、そのほかのケアがおろそかになることもあるので中医が必要です。
いろいろ試してもうまくいかない場合は、それ以外の要素にも目を向けてしっかりとサポートすることが成功への道筋になります。
今回の報告は黄体補充開始後の内膜の変化が妊娠率などに与える影響についての報告ですので、移植周期でギリギリの厚さでなんとか移植にすすめたものの、移植しようとした時直前に薄くなった場合でもあまり心配はいらないということのようです。
内膜調整は西洋医学的な治療と中医学的治療を合わせて行うと結果が出やすく、他では結果が出なかった…という場合でも処方が変わるとうまくいくこともあります。妊活、とくに内膜のトラブルがあってうまくいかないときはぜひご相談ください。
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