妊娠判定日にhCGが低い

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

判定日に hCG の値が低いことが時々ありますが、その後の上昇率も含めて考える必要があります。

 

簡単に諦めてはいけないという報告があります。

上記の報告では、体外受精で得られた胚盤胞を移植した方の報告です。

胚移植後のhCGは 11日目に11.6 IU / Lでした。担当医はうまくいかなかった、もしくは子宮外妊娠と考え、黄体補充を中止しましたが、16日目の血清hCGは40.1 IU/Lに増加し、20日目に247.3 IU/Lに増加しました。さらに25日目のhCGは1,332.3 IU/Lまで増加し、胎嚢も確認できました。31日目には心拍も確認できて黄体補充が再開されました。

最終的には健康な男子を帝王切開によって出産しました。

 

このような例は多くないかもしれませんが、途中で諦めてはいけない、黄体補充も安易に中止してはいけないことを示しています。

 

2日後のhCGの増加率が49%以上であれば、正常妊娠である可能性が99%という報告がある一方、増加率20%台であっても、出産にたどり着いているという報告もあります。

もちろん、子宮外妊娠なども考慮する必要がありますが、初期のhCGや増加率だけで判断せずにきちんと経過を追っていくことが重要です。

 

 

妊娠継続率の判断でhCGが用いられることがありますのでそちらについても補足をしたいと思います。

市販の妊娠検査薬は尿中のhCGを測定しています。通常は50m(IU/mL)以上で、ファストタイプが25m(IU/mL)以上で陽性反応が出ます。尿は濃い薄いがあって精度が低くなることがあるので採血で行う方が正確です。hCGが増加する場合2日ごとに倍になり、減っていく場合は1日半ごとに半分くらいになります。子宮外妊娠はhCGの値が低く出る傾向にあり、変化も通常とはことなります。

こちらは、加藤レディースクリニックからの報告で、3w5d BT7のhCGの値での継続率の差を年齢別で報告しています。

グループA 21~34歳、グループB 35~39歳、グループC 40~44歳の3のグループに分けてhCGごとに、臨床妊娠率(CPR)と生児出生率(LBR)を見ています。

 

重要なのはLBR(生児出生率)ですのでこちらを見てみます。

尿検査で陽性反応がで始める hCGが 50~59.9(mIU/ml)では

 グループA(21~34歳)で84.8%

 グループB(35~39歳)で75.7%

 グループC(40~44歳)で58.1%

の確率で生児を出産しています。

 

血液検査ではhCGが 100(mIU/ml)以上ですと、妊娠していると判断されることが多いようですが、上記の報告では100m(IU/mL)未満でも出産までたどり着いている方も多いことがわかると思います。しっかり経過を観察していくことの重要性がわかります。

 


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