夜ふかしと寝不足と血糖値

タナココ

「寝る時間・時刻」と「睡眠の長さ」が血糖値にどう影響するかを、最新の医学研究と中医学の視点からわかりやすく紹介

「よく寝ると健康にいい」とは昔から言われてきました。でも、ただ「よく寝る」だけでなく、「何時に寝るか」や「それが続いているか」も、体の健康と深くつながっていることをご存じでしょうか?

中国・広州の研究チームが、40代後半から80代までの人たちを約6年にわたって追いかけ、睡眠のパターンと血糖値の動きを詳しく調べました。なんと、ただの寝不足より「夜ふかしの習慣」の方が血糖値を乱す可能性が高いという驚きの結果も出てきたのです。

ではさっそく、この研究の中身を、楽しく、わかりやすく紹介していきます。


目次

🕰️ 「どれくらい寝てる?」が健康のカギ

まず研究では、「毎日の睡眠時間」がどのくらい体に影響しているかを調べました。対象となったのは約1150人の中高年の方たち。彼らが何年にもわたってどんなふうに寝てきたのかを、3つの時点でチェックしました。

その結果、睡眠時間によって4つのグループに分かれました。毎晩平均4時間ちょっとしか寝ていない人たちから、8時間ぐっすり眠っていた人たちまで、幅広くいました。そして分かったのは、「短くしか眠れていない人ほど、血糖値の変動が大きくなる」ということでした。

血糖値が安定していないと、体が疲れやすくなったり、将来的に糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。だから、長く安定して眠ることが、実は「毎日の血糖バランス」にも大切だったんです。


🌃 「夜ふかし」は血糖にもよくない?

次に研究チームが注目したのは、「寝る時間が遅い人」と「早く寝る人」で、血糖値に違いがあるのかという点でした。

毎晩の就寝時間をもとに、参加者を「ずっと早めに寝るタイプ」と「ずっと遅めに寝るタイプ」に分けて比較したところ、おもしろい結果が出ました。遅い時間に寝る人たちは、早く寝る人たちよりも、血糖値のアップダウンが激しかったのです。

たとえば、夜中の1時すぎに寝る習慣があると、体内のリズムが乱れやすくなります。それが、血糖値をコントロールする力にも影響していたと考えられます。

つまり、「いつ寝るか」も、血糖の安定に関係しているということが、この研究ではっきりと示されました。


⚠️ 「寝不足」+「夜ふかし」は最悪のコンビ

さらに研究では、「睡眠時間が短い」と「寝る時間が遅い」の両方が重なったときに、どんな影響が出るのかも調べられました。

結果はというと、どちらか一方だけでも血糖が乱れやすくなりますが、「短い睡眠」と「夜ふかし」が合わさると、その影響はさらに大きくなることが分かりました。まさに“ダブルパンチ”です。

逆に、「ちょっと寝不足でも、早く寝ている人」は、血糖値の乱れが比較的小さくすんでいました。これはつまり、「たとえ長く寝られなくても、できるだけ早めに寝ること」が、血糖の安定にとっても意味があるということです。

日々の忙しさで、十分な睡眠時間をとるのが難しい人も多いと思います。でもこの結果は、「寝るタイミング」を少し意識するだけで、体にやさしい変化が起きる可能性を示してくれています。


🧪 この研究はどこまで信頼できる?

この研究が特にすごいのは、「ただ1回きりの調査」ではなく、なんと6年かけて睡眠パターンを追い続けたことです。さらに、血糖値の測定には腕に装着するセンサーを使っていて、2週間にわたって15分ごとに血糖の動きを記録しています。つまり、非常に細かく正確なデータが取れているというわけです。

また、調査にあたっては、年齢や性別だけでなく、体型や生活習慣、食事、運動量、収入まで、さまざまな要素をきちんと考慮してデータを分析している点も安心材料です。

一方で、注意点もあります。たとえば、睡眠時間や就寝時間は本人の自己申告なので、多少のズレはあるかもしれません。また、いびきや睡眠時無呼吸といった、より専門的な睡眠の質までは調べていないという限界もあります。

ですが全体としては、かなり丁寧に設計された研究で、信頼性は高いと評価できます。


🌿 中医学では「睡眠」が体のバランスを整えるカギ

中医学には「子午流注(しごるちゅう)」という時間のリズムに沿って体の臓器が順番に働くという考え方があります。

1日24時間を2時間ずつ12の時間帯に分け、それぞれに「主役」となる臓器が決まっているのです。

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夜11時から深夜1時は「胆(たん)」の時間、1時から3時は「肝(かん)」の時間とされます。この時間帯は、体の中のいらないものをきちんと整理・浄化する大切な時間。もしこの時間にまだ起きていたり、スマートフォンを見続けていたりすると、胆や肝の働きが乱れてしまい、疲れがたまりやすくなるだけでなく、血糖のコントロールにも影響を及ぼします。

だからこそ「夜ふかしをしないこと」が大切です。体の中の臓器たちが、まるでバトンを渡すようにスムーズに働けるようにするには、早く寝て深く眠ることが必要なのです。

現代医学と中医学、視点は違っていても、「睡眠を整えることの大切さ」という結論には、大きな共通点があるのです。


✅ 夜更かしをしない、ぐっすり眠る、毎日の血糖を守る

この研究からわかったのは、「どれだけ寝るか」だけではなく、「いつ寝るか」も健康に大きな影響を与えるということです。特に、寝不足と夜ふかしが重なると、血糖値が大きく乱れやすくなることが、科学的にも明らかになりました。

でも希望もあります。すぐに睡眠時間を伸ばせなくても、まずは「早めに寝ること」から始めてみるだけでも、体にとってはプラスになる可能性があります。中医学でも、睡眠は体のバランスを整える大切な時間と考えられています。

つまり、夜は早く布団に入り、しっかり休むこと。それが、薬や特別な運動よりも先にできる、簡単で確実な健康習慣かもしれません。血糖が気になる方も、そうでない方も、「眠りの力」をあらためて見直してみる価値はありそうです。

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