こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
最近は「味覚障害=コロナ」の印象が強いですが、現代の高齢社会において味覚障害で悩まれている方は増加傾向にあります。
一般的に味覚障害の原因には
・亜鉛不足
・生理的変化(加齢)による舌乳頭の萎縮や消失、唾液分泌量の低下
・口腔内の疾患(歯周病、カンジダ、シェーグレン症候群など)
・医原性(がん治療、薬の副作用など)
・心因性、特発性
・セネストパチー
などがあります。
原因を特定するのは難しいことが多く亜鉛不足や加齢などの影響でなければ、心因性や特発性とされますが、明確な診断基準もないため、診断・治療が不十分でになることも多い様です。
心因性であれば、抗不安薬のロフラゼプ酸エチル(適応外)、それでも効果がなくうつなどの症状が見られればSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などが試みられます。*薬の適応外使用は一部の特殊な場合を除き自費となります。
抗不安薬、SSRIは副作用がでると日常生活に影響が出ることもあり、効果があっても続けることが難しい方もいます。
また、SSRIは急激な中止や減量による離脱症状もあるため自己判断での服用調整は厳禁です。
これらの薬が続けられなかったり、うまく効果があらわれない場合、漢方での治療が考慮されます。
漢方で心因性の味覚障害を治療しようとする場合は、味覚障害以外の症状にも注目して処方を考えます。
味覚障害以外の症状には、疲労感・倦怠感、無気力、冷え・のぼせ、めまい、耳鳴り、頭痛、不眠、不安、緊張、焦り、抑うつなどがありますが、西洋医学ではこれらを裏付ける疾患が見当たらない場合、いわゆる「不定愁訴」として処理されます。
自覚できる症状があるのに「検査では異常がありません」と言われる状態ですね。
中医学では西洋医学で「よくわからない、異常がない」といわれる状態でも、望診、聞診、問診、切診による四診を通じ、八綱、六病位、気血水、五臓などから体の状態を把握することで、この場合で言えば、味覚障害はもちろんですが、そのほかの症状も同時に改善していくことができます。
「検査で異常がない=問題がない」ではありません。
検査で異常が検出できないだけであって問題がないわけではないのです。
中医学では体のバランスがどの様に崩れているかを把握し、どの様に戻していけば良いかを考えていきますが、実際に漢方での治療は西洋医学的に改善が困難な不定愁訴や西洋医学的な治療が功を奏さない更年期障害、自律神経失調症での有効例も報告されているため、病院でいろいろ治療してもよくならない場合でも試す価値はあると思います。
味覚異常に限らず、心因性と考えられる症状は改善までに時間がかかりますが、きちんと続けていくことで症状の改善を感じていくことができると思います。
まずはご相談ください。
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