通常、胚と子宮内膜は情報をやりとりし、着床に向けてタイミングを合わせます。
しかし、何らかの原因によりそのタイミングがずれると、着床不全となります。
検査ができて、もしズレがわかれば、体外受精や顕微授精の場合は、移植日をずらすことで、修正できますが、タイミングや人工授精で妊活をされている方は、検査でわかったとしてもそれを調整する方法がありません。
なぜズレが生じるのか、原因については現時点ではよくわかっていません。
本来は胚と子宮内膜の間で情報をやり取りし、子宮内膜の感受性が高い時に着床できるようにできるはずですし、もしズレがあったとしてもそれを調整し、着床する力があるはずです。
しかし、うまくいかないケースもあり、原因もはっきりとはわからないことも多いです。中国でも同様の問題で悩まれている方が多く、その解決にはよく漢方が使用されます。漢方でサポートし子宮内膜の感受性を高めることで、妊娠へ導こうとするものです。
なかなか着床しないという場合は、漢方では単に着床にポイントを当てるだけではなく、いくつかの視点を総合して処方を組み立てる必要があります。
その視点には以下のようなものがあります。
・体質、体調
・卵の状態
・内膜の状態
・月経周期、基礎体温
例えば、体質・体調については大きく分けて以下のような見方があります。
1.腎虚証
(1)腎気虚証
主要な症状:不妊、月経不調、経血量が多かったり少なかったり、色は暗く、めまいや耳鳴り、足腰が弱い、精神が疲労しやすい、尿量が多い、舌は淡、苔は薄、脈沈細
治療方法:補腎益気、温養沖任
処方:毓麟珠
(2)腎陽虚証
主な症状:不妊、月経周期が長い、経血の色が淡暗で、性欲もあまりない、お腹が冷える、警官粘液の量が多いくさらさらしている、子宮が小さめ、めまいや耳鳴り、足腰が弱い、夜トイレに行く回数が多い、顔面の色(目の周り、唇の周り)が暗い、舌質は淡暗、苔は白、脈は沈細
治療方法:温腎暖宮、調補沖任
処方:温胞飲あるいは右帰丸。
(3)腎陰虚証
主な症状:不妊、月経周期が短い、経血量が少い、経色は比較的明るい、月経期間は長めですっきりおわらない、体は痩せ気味、めまいや耳鳴り、足腰が弱い、手足が火照ることがある、夢を多く見る、目のかすみ、動悸、乾燥肌、頚管粘液が少ない、舌質はやや赤く乾き気味、苔は少い、脈は細あるいは細数
治療方法:滋腎養血、調補沖任
処方:養精種玉湯
2 肝気郁結証
主な症状:不妊、月経周期が長かったり短かったりする、経血量も多かったり少なかったりする、月経痛、PMS、胸が張って痛い、抑うつ、よく溜め息が出る、舌質は暗紅あるいは舌辺に瘀斑、脈は弦細
治療方法:疎肝解郁、理血調経
処方:開鬱種玉湯あるいは百霊調肝湯
3 瘀滞胞宮証
主な症状:不妊、月経周期は長いか正常、月経痛、月経痛次第に悪化する、経血量が多かったり少なかったりする、経血の色は紫暗、血塊あり、塊が排出されると痛みが軽減する、月経がすっきり終わらないこともある、不正性器出血、肛門や外陰部の下垂感、性交痛、舌質は紫暗あるいは舌辺に瘀点がある、苔は薄白、脈は弦あるいは弦細渋
治療方法:逐瘀蕩胞、調経助孕
処方:少腹逐瘀湯あるいは膈下逐瘀湯
4 痰湿内阻証
主な症状:不妊、思春期に肥満、月経が常に遅れる、頚管粘液の量が多く白色で粘質、匂いはない、めまいやふらつきがある、動悸や胸苦しさ、顔色は色白で虚浮あるいはこう白、舌質は淡胖、苔は白膩、脈は滑
治療方法:燥湿化痰、行滞調経
処方:蒼附導痰丸
月経周期では
・月経後: 補衝任、補腎滋陰、卵胞発育促進
・排卵前期-排卵期:補腎通絡、活血化瘀、排卵促進
・黄体期:温陽補腎、滋養衝任、黄体成熟促進 → 着床促進
・経前期から月経期:行気活血調経
の変化も考慮します。
このほか、卵胞の状態、内膜の状態、ホルモン値やそれらのバランスを考慮し処方を考え、体調を「本来のあるべき体の状態」に近づけることで、胚と子宮内膜のクロストークを正常化させ着床へ導きます。
タナココでの妊活は、漢方では一人ひとりの体調や、どこが苦手なのかを考慮しながら、処方にも調整や強弱を加えながら、細かく処方を調整して妊活をサポートとするとともに、鍼灸で自律神経のバランスを整えたり、接骨で痛みとったり骨盤へのアプローチで血流改善を図ったりすることで、総合的な妊活をすることができます。他の施設ではできない方法でサポートすることが可能です。
いくつもの施設を掛け持ちすると、それぞれの相談員、施術者の考え方が統一されず治療方針が定まらないことがあります。タナココでは専門家が連携することで、しっかりとした妊活をすることができます。
いろいろ試してもうまくいかない方は一度ご相談ください。
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