こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
卵巣刺激の刺激量はどのくらいが良いのか
病院・クリニックでの、不妊治療では、体外受精、顕微授精で、卵巣予備能が低下している方の場合、卵巣刺激の際の注射単位を「増やしてみましょう」と言われることがありました。
一人ひとりの卵巣の状態に合わせて調整することをするわけです。
しかし、保険診療の場合「1日卵胞刺激ホルモンとして75〜150単位」であるため自由診療で行われていたような高用量で刺激することが難しくなりました。
これまでは、FSH、AMH、AFC(胞状卵胞数)など、卵巣の予備能を推測するための検査を行い排卵誘発に使用する、注射の用量を調節してきました。
では、本当に卵巣予備能に合わせて、刺激量を調整することはその後の妊娠率を高めることに繋がるのでしょうか。
卵巣予備能が低下していると思われる方に、排卵誘発に使用する刺激を調節することでその結果に差が生じるかどうか調べた研究があります。
43未満の方で、
・150単位で固定のグループ
卵巣予備能(今回はAFCの数で分けたようです)で分けたグループ
さらに
・AFCが1〜6個:300単位のグループ
・AFCが7〜9個:225単位のグループ
に分け、661名をランダム化して調べたました。
その結果、
・累積出生率
・初回胚移植後の出生率
・臨床的累積妊娠率
の項目において差は見られませんでした。
このほか、生化学的妊娠、妊娠継続、多胎妊娠、子宮外妊娠などの副次的な転帰についても差はありません。
妊活サポートをしている方で、保険になってから刺激の量が減って心配、という相談を受けることがあります。
上記の研究報告によれば卵巣刺激に使う量は150単位固定でも良さそうです。
漢方でサポートしている方の多くは、卵巣刺激に対しての反応性が改善することも多く、自費診療のみの時でも高用量の方はあまり多くはありませんでした。
卵巣刺激は個別に調整…というアプローチは良いものと考えていましたが、必要以上の刺激は副作用のリスクが上回る可能性があり、卵巣予備能が低下している場合は、刺激を増やすことよりも、漢方などで体の不調を改善したり、反応性を改善したり、メンタルサポートしたりしながらすすめていく方が良さそうです。
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