卵巣予備能低下とテストステロン

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

妊活において「卵巣予備能」は大切です。

「卵巣予備能」が低下すると妊活は難しくなります。

 

「卵巣予備能」は卵巣の「反応性」と、体外受精や顕微授精が成功するかどうかの予測に利用されます。

 

卵巣の機能は

・受精可能な状態へ卵を成熟させる
・女性ホルモンを産生する

ですが、これらは「卵」と「卵胞」の顆粒膜細胞および莢膜細胞の働きです。

 

つまり「卵巣予備能」とは卵巣における卵胞の量と卵の質を反映したもので、これは時間の経過とともに低下し、生殖機能に影響を与えます。

 

「卵巣予備能」が低下すると、卵巣を指摘しても卵が育たず、治療がうまくいかないことがあります。

 

卵巣の低反応性を改善する方法の1つとして、テストステロンの投与が試みられることがあります。

 

最近の報告で、その方法により体外受精・顕微授精での成績がかなり改善したとする報告がありました。システマティックレビューとメタアナリシスです。

 

報告で使用された研究では、すべての研究で経皮的にテストステロンが使用されており、用量は 10〜12.5 mg/日で、10〜56日間使用されました。

 

その結果、テストステロンによる治療を行うことで、

臨床妊娠率、生児出生率が約2倍

となることがわかりました。

 

またその経過で、

・採卵数の増加

・卵巣刺激にかかる日数の短縮

・卵巣刺激量の低下

・卵巣反応反応性の低下によるキャンセル率の低下

・子宮内膜の厚さの増加

が観察されました。

 

結果はかなり良いように思えます。約2倍と言う高さにも驚きました。

 

テストステロンは卵胞発育初期に必要な物質であることが知られています。卵巣の反応が悪い女性に「DHEA」がよく用いられますが、これも同様の機序に基づいており、「DHEA」の補充は不妊治療でも試みられています。

 

「DHEA」は「デヒドロエピアンドロステロン」といって、主に副腎でコレステロールから合成され、精巣、卵巣などの末梢組織で「テストステロン」や「エストロゲン」に変換される物質です。「DHEA」は「テストステロン」「エストロゲン」の上流にあるため、マザーホルモンとも呼ばれています。

 

これまで生殖補助医療においてテストステロンを用いることに関して論争がありましたが、テストステロンを使用することで、卵巣低反応が改善する可能性について報告されるようになってきました。

 

卵巣の低反応を改善する方法で確立されたものはありませんが、その1つとしてテストステロンの補充があります。

テストステロンは多いことで不都合も起こります。「多嚢胞性卵巣症候群」がその1つです。テストステロンは多ければよいというものではありませんが、卵巣底反応の場合はその改善に役立つことがわかってきています。

 

もし卵巣の低反応で困っている場合は DHEA サプリメントなどの使用も考慮しても良いかもしれません。

 

このほか、卵巣の低反応性の場合、西洋医学的なアプローチに加えて中医学的なアプローチが有効なケースが多いです。

漢方の処方で、この経路に働きかける処方があります。

卵巣低反応が改善することもあり、病院での治療と相性がとてもよく、刺激をしてもなかなか卵が育たないケースでは漢方の併用が救いとなり、良い結果に繋がることもあります。低反応で困っている場合はお試しいただければと思います。

 

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