こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
今日は便秘の漢方についてです。
中医学、漢方医学では便秘は心の状態を含めた体の状態のあらわれとしてとらえますので、便秘だけを治すのではなく、からだの問題を解決することで便秘を治します。
西洋医学的には大きく弛緩性便秘と痙攣性便秘に分けられますが、中医学的にはこの分け方以外にからだ全体の問題別に考えます。
便秘の種類、原因には
熱結、気滞、気虚、陽虚、血虚、陰虚があります。
熱結が原因で起こる便秘には「大承気湯(だいじょうきとう)」を使用します。イライラしやすく、口内炎や、ニキビ・吹き出物も出やすく、食生活も脂っこいものを好む方が多いです。このほか、「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」「小承気湯(しょうじょうきとう)」「調胃承気湯(ちょういじょうきとう)」などを便秘の程度で使い分けます。
また、のぼせ、ほてりが強い場合は「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」や「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」を使います。桃核承気湯はストレスや瘀血といって血の流れが滞った状態がある時に、三黄瀉心湯は血圧が高く、のぼせ、不眠、耳鳴りや鼻血が出やすいなどがある場合に使います。
気滞が原因で起こる便秘には「通導散(つうどうさん)」を使用します。気滞は気の流れが滞り、腸の運動が低下した状態ですので、これを解消します。気が流れないので膨満感、げっぷなどの症状が出やすく、気持ちも落ち込みやすいなどの症状もみられます。
気虚が原因で起こる便秘には「六君子湯(りっくんしとう)」「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などを使います。これらには直接の通便作用はありませんが、脾胃(ひい)の運化(うんか)機能を調整することで、便秘を改善する処方です。頑固な便秘の場合は別の通便作用のある処方を組み合わせて使用します。気虚の便秘では、集中力が持続しない、疲れやすい、食後眠くなる、風邪をひきやすい、朝起きにくい、便秘もするが下痢もするなどが見られることがあります。
陽虚が原因で起こる便秘の場合は「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などを使います。気虚の便秘と同様、直接通便作用はありませんが長期的な服用で、陽虚による便秘を改善していきます。陽虚の便秘では冷え、トイレが近い、むくみやすい、朝方に下痢をするなどの症状が一緒に起こりやすいです。
血虚が原因で起こる便秘の場合は「潤腸湯(じゅんちょうとう)」を使用します。便が硬く、コロコロしているような場合に使います。血虚の便秘ではめまいやふらつき、皮膚の漢方、しびれ、冷え、月経不順などが見られることがあります。
陰虚が原因で起こる便秘の場合は「麻子仁丸(ましにんがん)」を使用します。血虚と同様に弁が硬くコロコロしているような場合に使用します。陰虚とは体の中の潤いが不足している状態で、めまい、ふらつき、喉の渇き、寝汗、空咳が出る、ほおが赤くなりやすい、夕方になると熱っぽくなるなどの症状が見られる場合があります。麻子仁丸の通便作用は穏やかで高齢者の便秘や月経中の便秘、産後の便秘、習慣性便秘など、様々なタイプの便秘に広く使用できます。陰虚以外の便秘にも使用でき、他の処方と組み合わせて用いることができます。
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