こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
不妊症治療に関して少しずつですが、補助の増額や保険適用に向けて進んでいます。
ようやくです。ようやく大きく動き出しました。
一方でなかなか進まない分野に「不育症」があります。
「不育症」 にはどのような検査が必要なのか、リスクにはどのようなものがあり、それらリスクに対する治療にはどのようなものがあるのか定まっていないこともあり、流産を何度も繰り返して始めて「不育症」を疑い検査や治療となることが多いようです。
これらの問題を解決するために厚労省研究班により不育症のリスク因子や治療法、 ヘパリン自己注射等の安全性について研究が行われ、検査方針や治療方針が程度整理されましたが、標準化にはまだ至っていません。
不育症においては流産のストレスがさらに繰り返す要因になること、くり返す場合には適切な相談対応により次回の妊娠が継続し生児獲得率が高くなることがわかっていますが、フォローが不十分だったり、相談できずに1人で悩んでいるケースも多いようです。これは不育症に対する認識がまだまだ低いことも一因と顔が得られています。
流産は全妊娠の 10 ~ 20%に起こるとされており、その半数は偶発的なもので、治療することなしに、次回以降は妊娠が継続すると言われ、残りの半数は染色体異常、凝固異常、子宮形態の異常がその原因とされているため、他の疾患が疑われたりしなければ「偶発的なものだと思いますので、次回頑張りましょう」と説明を受けることがほとんです。
この段階でそれも1度の流産では不育症を疑うことは今の日本では難しい状況にあります。
化学流産という表現があります。
これは妊娠反応が陽性となった後胎嚢が確認される前に流産となることをいいます。生化学的妊娠とも言われますが、日本産科婦人科学会の定義では、妊娠は胎嚢が確認できた臨床妊娠をいいますので、化学流産は流産回数に含めません。
そのため、化学流産(生化学的妊娠)が続いても日本では不育症を疑うことがなく不妊治療が続けられるケースがあります。
胎嚢の確認の有無に関わらず、妊娠反応が出た後それが継続しないことはとても悲しいことです。不育症であっても繰り返し流産しなければ不育症を疑われず、化学流産の場合は今の日本では妊娠には数えられないため気づくためにさらに時間がかかることもしばしばです。
不妊症に関わる学会は国内外にざまざまなものがありますが、その中でも
アメリカを拠点とするASRM(アスラム)
ヨーロッパを拠点とするESHRE(エシュレ)
が2大学会と言われています。
研究の発表などにおいてデータを比較する際に、言葉の定義などが異なると議論が成り立ちませんので学会で用語の定義などが行われてたりもします。
しかし、不育症に関してはこの2大学会で言葉の定義が異なり、ややこしいことになっています。簡単に違いを説明すると不育症の定義は
ASRMでは「2回以上の流産(子宮内妊娠が確認できた場合)」
ESHREでは「3回以上の連続した流産(化学流産含む)」
としています。
ややこしいですね。
この違いで問題なのは2回か3回か回数の違いではなく、化学流産を含めているかいないかが問題です。
日本ではASRMの立場を取っていますので化学流産は流産に含めていません。そのため、化学流産のみを繰り返す場合、不育症を疑って検査をしたり治療をすることはあまりありません。
確かに、不妊症や不育症でない夫婦が月経予定日に妊娠検査を行うと、生化学的妊娠と診断可能な状況が見られることもしばしばあり、化学流産を流産に含めてしまうと少なからず問題点も出てきます。またこの状態に対する明確な治療法はないため、化学流産は流産にはカウントしてもあまり意味がないとするのもわかります。
しかし、なかなか妊娠せず妊活を行なっている方の場合、状況は異なります。
タナココでは不妊治療中に化学流産(生化学的妊娠)が見られた場合、不育症の可能性も含めて処方に反映させて対応します。
確かに流産は偶発的なものが多くを占めますが、もしその中に不育症が含まれていたら、貴重な時間を無駄にしてしまうことになります。化学流産を含めた流産を繰り返してから、不育症を疑って検査や治療をするのでは妊活において効率的とは言えません。
1度でも化学流産を含めた流産を経験されている方には、不育症の可能性考えた処方することで、もし偶発的ではない流産の可能性を少しでも減らすことができるのであれば、対策は行った方がよいと考えます。
中医学には不育症や流産予防に考えられた処方があります。もし化学流産を含めた流産を経験して妊活を行っている方はぜひ併用を検討して見てください。
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