こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
生食の習慣がある日本人にとっては、切っても切れないのが「アニサキス症」。
「アニサキス」とは
色:半透明白色
大きさ:2〜3cm
寄生場所:主に内蔵表面。時に筋肉。
特徴:渦巻き状になっていることが多い。
厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」より引用
アニサキス亜科に属する線虫の総称が「アニサキス」です。
そしてその第3期幼虫が魚介類に寄生し、それらの魚介類を生食することで感染するのが「アニサキス症」です。
成虫はクジラやイルカの胃に寄生していますが、幼虫は幼虫はサケ、サバ、アジ、イワシやイカなどに寄生しています。
魚介類の生食後、数時間(3~4時間)後に、激しい上腹部痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れますが、アニサキス症であっても、症状が出ない、または軽度の場合もありますし、同じ食事をされた方が全て症状が出るわけでもありません。
魚介類を生食することの多い日本では、諸外国に比べ報告が多い寄生虫症で、アニサキス症は日本では我が国でかなり古くからあった病気と考えられています。
アニサキス症を疑ったら内視鏡で検査し、見つかればそのまま摘出します。除去後は速やかに症状が消失します。
もし摘出できなくても、アニサキスはヒトの消化管の中では長くは生きていけないので、症状が軽微であれば、「なんか調子悪いなぁ」とそのまま過ぎて大きな問題にならないこともあります。
アニサキス症は、これまで虫体が「噛み付いた」物理的刺激により痛みが生じると考えられていましたので、虫体を内視鏡下で摘出する内視鏡的虫体除去術が基本的な治療法とされてきました。
しかし、近年ではどうもそれだけが原因ではなく、虫体の分泌物による局所のアレルギー反応によるものだということがわかってきています。
夜間にで内視鏡がすぐにできない場合など、ではステロイド、抗ヒスタミン剤などの投与で症状が和らぐことも多く、内服で一旦症状を楽にして、準備を整えてから内視鏡下で摘出するケースも増えているようです。
さて、そんなアニサキス症ですが、漢方を使用されることもありました。
安中散
安中散加茯苓
平胃散
などが、アニサキスの運動性を低下させたとする報告するがあり、生薬では
桂皮
茴香
良姜
生姜
縮砂
などに運動抑制効果があるようです。
このほか、スパイスでも
セロリ
カルダモン
クミン
クローブ
シナモン
などにアニサキスの運動抑制効果があったようです。
だからと言って、これを飲めばアニサキスを治療できるわけではなく、痛みについては「アレルギー反応」の関与もありますので、受診して処置をしていただくのがやはり良いと思われます。
これから年末年始に向けて魚介類を食べる機会も増えてくると思いますが、アニサキスは、高温でも低温でも少しの傷でも死滅するとても弱い寄生虫です。
必要以上に怖がらず、しっかり対策をして魚を美味しくいただきましょう。
また昔から言われている、
・酢でしめる
・塩漬けにする
・醤油やわさびをつける
はアニサキスを死滅させる効果がないのでご注意を。
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