🔥 夏のスポーツ──サプリは効果があるのか、それとも「気」のせいなのか
うだるような暑さの中でも、アスリートたちは走り、泳ぎ、漕ぎ続けています。けれど、気温が30度を超える環境では、身体の中で起きていることはただの「汗だく」では済まされません。
心拍が跳ね上がり、体温は上昇し、集中力はぼんやり。こうなると、どれほど鍛えた選手でも、本来のパフォーマンスは発揮しきれなくなります。
そこで登場するのが「栄養補助食品」。
一見、地味な存在ながら、科学と経験が積み重ねられてきたこの分野に、今、新たな波が来ています。「ある成分」が、暑さに立ち向かう鍵になるかもしれないのです。今回はそんな研究についての解説です。
また西洋医学の観点だけではなく、身体の「気・血・津液(しんえき)」の巡りを重視する中医学の視点でも、これらの成分の効果は興味深いものがあります。
ただ、それがどこまで本当に効くのか──
信じて飲む価値はあるのか──
科学的に明らかになったことと、中医学的な視点である「気の巡り」も意識しながら、その真相を見ていきましょう。
🧪 何をどう飲んだ?──対象となった栄養補助食品は?
この研究では、全部で25件のランダム化比較試験(RCT)が精査され、552人のアスリートが対象となりました。彼らは、マラソン、サイクリング、サッカーなどの競技に取り組む18〜35歳の男性がほとんどでした。
対象となった栄養補助食品は全部で16種類以上。なかでもよく知られているのは、「クレアチン」「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」「カフェイン」「タウリン」「メントール」などです。これらは運動前に単回もしくは短期間の摂取(最大で14日以内)として用いられていました。
重要なのは、この研究がただ「効いた・効かない」を見るのではなく、「どれがどれよりも優れているのか」をネットワークメタアナリシスという方法で比較している点です。これは、直接比べられたものだけでなく、間接的な比較も含めて全体像を導き出す強力な手法です。
特に注目されたのは、「持久力の向上」と「暑さの感じ方(主観的な快適さ)」の2つの指標。つまり、「どれくらい長く走れるか」と「どれくらい暑さを辛く感じないか」という、非常に実用的なポイントが重視されました。
🏅 一番効いたのはどれ?──驚きのランキング結果
分析の結果、持久力の向上に明確な効果を示したのは
「メントール」と「タウリン」でした。
メントールは、運動中の暑さによる不快感をやわらげる冷却成分で、主に口に含むジェルやうがい液として使われました。特に、「メントールエナジージェル」は主観的な快適性を大きく改善し、評価スコアでは他のどの補助食品よりも高い効果を示しました。これは、身体が暑さでバテる前に「涼しさ」を感じられることで、気力と集中力が持続しやすくなるためと考えられています。
一方のタウリンは、エナジードリンクでおなじみの成分ですが、単なる「元気が出る成分」ではありません。体内では抗酸化や神経伝達、心拍の安定など多様な働きをしており、この研究でも運動時間を延ばす効果が確認されました。ただし、主観的な「快適さ」に対しては、あまり効果がなかったという結果になっています。
その他に注目されたのは、カフェインと高麗人参を組み合わせたものや、BCAA(分岐鎖アミノ酸)などでした。これらは統計的には「明確な効果がある」とまでは言えなかったものの、被験者の一部では主観的にパフォーマンスの向上や疲労感の軽減を感じたという報告も見られました。
効果がはっきりしなかった成分の中には、意外にも運動サプリの定番である「クレアチン」も含まれていました。これは、高温環境では「筋力強化」に比べて「持久力」や「熱耐性」がより重要になるため、効果が表れにくかった可能性があります。
🌿「気」と「津液」の視点から──中医学でみる暑さと栄養
暑さによるパフォーマンス低下は、西洋医学では体温上昇・心拍数増加・脱水などの生理的変化として説明されますが、中医学ではこれを「気(き)」と「津液(しんえき)」のバランスの乱れとして捉えます。気は体を動かすエネルギー、津液は体の潤いをつかさどる液体成分です。
酷暑の中で運動を続けると、大量の汗で「津液」=「潤い」が失われていきます。これを中医学的には「陰虚(いんきょ)」といい、熱が内側にこもり、パフォーマンスが低下します。また、汗とともに「気」も一緒に流れ出るため、「気虚(ききょ)」の状態となり「疲労感」や「倦怠感」が顕著になります。
今回効果があった「メントール」や「タウリン」は、こうした中医学の視点でも興味深い成分です。メントールの冷感作用は、「清熱(せいねつ)」すなわち体内の余分な熱を散らす働きに通じ、タウリンの穏やかな強壮作用は「補気(ほき)」や「養陰(よういん)」の役割に重なります。
高麗人参のような補気薬や、BCAAのように筋肉の消耗を抑える成分は、中医学でいえば「脾胃(ひい)」を助け、体を支える基本的な気を補う存在と考えることができます。
つまり、今回の研究で評価された成分の中には、科学的根拠だけでなく、中医学的なバランス調整の視点からも「使う意味」があるものが含まれているのです。
🏁 科学と伝統が交わる場所──研究から見えた可能性
この研究は、単に「どのサプリが効くのか」を調べただけでなく、暑さという特殊な環境で、私たちの身体がどのように影響を受け、どのように支えられるのかを浮き彫りにしてくれました。
メントールのように「感覚」を変える成分が、パフォーマンスの土台を支え、タウリンのように「身体の中から整える」成分が持久力を高める。そうした相乗効果が、結果として「暑さに負けない体」をつくっていくのです。
ただし、すべての成分が万人に効くわけではありません。効果が明確に出なかった成分でも、人によっては有効に働くこともあります。特に今回の研究は男性がほとんどで、女性アスリートにはまだ検証が十分とは言えません。
中医学の視点も交えれば、補うべきは「筋肉の強さ」だけではなく、消耗された「気」や、乾いた身体を潤す「津液」、そしてそれらを滞りなく巡らせるバランスです。
科学と伝統の知恵が重なり合ったとき、真にパーソナライズされた健康戦略が見えてきます。
夏のスポーツや運動に挑むあなたにとって、この研究の知見が、新たな一歩のヒントになれば幸いです。
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