「もっと頑張らないと」
「気合いが足りないのかも」
しんどいときほど、こういう思考になりがちです。
でも実際は、性格の問題というより 「脳の使い方のクセ」 がしんどさを増やしていることが多いと心理学では言われています。
脳は省エネが得意です。
そのためよく使う回路は自動化されます。つまり、しんどさも「習慣の自動運転」になっていることがあるのです。
ここでは、しんどさを増やしやすい習慣を10個、心理学の視点から「なぜそれがつらいのか」「何に置き換えると現実的か」までまとめます。
全部ではなく、1つ──それだけでもしんどさは減ります。
1)脳内反省会(反芻)を回し続ける
やらかしたこと、言い方、相手の表情──寝る前に急に再生される「あのシーン」。
反芻は「考えて改善してる」ように見えて、実際は気分を落としやすい思考パターンとして知られています。
問題解決ではなく、心の消耗が進む方向に巻き込まれやすい。
対策:「考える」をやめるのが無理なら、書いて終わらせる。
- 事実(起きたこと)
- 感情(つらかった/恥ずかしかった等)
- 次の一手(次回こうする)
この3行で、「反省会」を終了させます。
2)先回り不安(心配の無限シミュレーション)
「もしこうなったら?」を繰り返すほど、脳は「今」ではなく「架空の最悪」を想像し続けます。
心配は安全策に見えて、実は「コントロールできない未来を延々と予測し続ける行為」になりやすい。
結果、疲れるのに現実はあまり進まない。
対策:心配を予約制にする。
「今日の19:30〜19:40だけ心配していい」の用に「枠」を決めると、脳がダラダラ考え続けにくくなります。
3)完璧主義(100点じゃないと意味がない)
完璧主義は「向上心」に見えます。でも現場では「ミスしたくない」「評価が怖い」の形で出やすく、「行動」を起こしにくくなります。
着手できない、提出できない、終われない──しんどさは、仕事量より「終わらなさ」で増えます。
対策:合格ラインを60点固定にする。
「いったん形にして、後で仕上げる・整える」ができると、物事が前に進みやすくなります。
4)断れない・抱え込み(境界線が曖昧になる)
頼まれる → 引き受ける → 余裕がなくなる → さらに断れない──このループは、まじめな人ほどハマります。
人間関係のストレスは、相手の問題というより「境界線が曖昧」で起きることが多いです。
対策:断るのが苦手なら、まずは条件つきで返す。
- 「今週は無理なので来週なら」
- 「それはここまでならできる」
断る力は才能じゃなく、練習で上がる技術です。
5)嫌な感情を避け続ける(回避ぐせ)
不安、悲しみ、怒り──感じたくないから避ける。それは当然。
ただ、回避は短期的にはラクでも、長期的には行動範囲を狭めてしまう──気づくと「できること」が減って、生活が窮屈になります。
対策:感情を「消す」のではなく「いったん受け止めておく」。
不安があってもいいから「今日やる行動を1個」だけやる。これがいちばん効率のいい回復ルートになりやすいです。
6)SNS・ニュースで気晴らし(ドゥームスクロール+比較)
疲れてるときほど、スマホを手に取り、指が勝手にスクロールします。しかも、見れば見るほど元気が減っていく謎の現象。しんどくなっていくことがわかっているのにそれでもまた、指が勝手にスクロールを始めます。
この行動は 「ドゥームスクロール(doomscrolling)」 と呼ばれています。doom(破滅・悪い予感) の情報を、止めたいのに scroll(スクロール) し続けてしまう状態のことです。
ネガティブ情報を続けて浴びたり、他人と比べ続けたりすると、気分が落ち込みやすくなります。問題はスマホそのものというより、疲れているときに強い刺激(不安・怒り・比較)を追加で入れてしまうこと。これがしんどさを増やします。
対策:アプリを「消す」のではなく、「見ない時間」を決める。
- 起床後30分
- 就寝前60分
ここを守るだけでしんどさが和らぎ、人生が整います。
7)即レス依存(通知ファーストで生きる)
通知が鳴るたびに、意識が持っていかれます。この「思考の中断」が積み重なると、疲れが溜まりやすくなります。
集中力は気合いではなく、環境の設計で守るもの。
対策:通知は最小限にする。
今すぐ気づく必要がある「人」と「緊急」だけ残して、SNSやニュースは通知を切る。返信は1日2〜3回など時間を決めてまとめて返す。即レスをやめても、人間関係は意外と壊れません(壊れるなら、それは多分、即レスしないことが原因ではない)。
8)マルチタスク(同時進行のつもりで頻回切替)
同時にやってるつもりでも、実際は高速で切り替えているだけです。切替にはコストがかかるので、時間も精度も落ちやすくなります。
「忙しいのに進んでない」感は、ここが原因になりがちです。
対策:25分だけ単一タスク。
タイマーを25分にして、その間は1つの作業だけ。途中で別の用事が浮かんだら、メモして後回しにします。
9)自分へ批判(自己批判の常用)
「どうせ私なんて」
「またできなかった」
この口調、もし友達に向けたら絶交案件です。でも自分には平気で言ってしまう──なぜでしょうか。稀に自己批判はモチベーションアップにつながることがありますが、「常用」すれば自分が「消耗」します。
対策:親友に言えない言い方は自分にもしない。
自分への言い方にも気をつけます。「責める」より「整える」言葉のほうが、行動は続きます。
10)睡眠を削って帳尻合わせ(回復を後回し)
睡眠は「時間が余ったら取るもの」になりやすい。でも、回復を削ると感情が不安定になり、生活、人生が少しずつ削られていきます。
結果、翌日のしんどさが増えて、帳尻合わせのために、さらに睡眠が削られます。注意しないとあっという間に負のループに入ります。
対策:「寝る」を予定に入れる。
睡眠は一番最優先で確保するべき時間です。この時間は翌日のための「メンテナンス」の時間。メンテナンスをサボると、ある日いきなり止まります。しかも、だいたいそういう日は大事な予定が入ってます(なぜかピンポイントで)。
全部ではなく、まず1つ
10個もあると「うわ、大変…」と思ってしまうかもしれません。
でもこれは、頑張るための目標ではなく、しんどさが増えやすいポイントのチェックリストです。
まずは1つだけ。
いま一番しんどさに影響しているところを、少しだけゆるめてみる。
今日からやるなら、いちばん取りかかりやすいのはどれですか?
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