🌟 その座りっぱなし、本当に大丈夫?
一日中、気づけば座りっぱなし。便利な生活の裏で、体には少しずつ負担が積み重なっています。
注目されたのが「座る時間を減らす」ことと「立ち上がる習慣を増やす」こと。似ているようで、実は体への影響はまったく違います。
今回紹介する研究は、この2つを直接比べたユニークな試みでした。特に閉経後の女性は血圧や代謝が乱れやすい時期にあるため、この方たちへの影響を調べました。
結果は意外性がありながらも、すぐに生活に役立つヒントが詰まっていました。
しかも「座りっぱなしを減らす」「立ち上がる」というシンプルな行動は、中医学で大切にされてきた養生の考え方にもつながっているのです。
では、その内容を見ていきましょう!
🪑 3つのグループで比べてみた!
参加者は閉経後で、体格がやや大きく、座っている時間が1日7時間以上、立ち上がり回数が少ない女性たち。
3つのグループに分けられました。
- 座る時間を減らすグループ
- 立ち上がり回数を増やすグループ
- 健康的な生活のグループ(対照群)
介入群は5回の対面+2回の電話(計7回)の個別指導を受けました。対照群は初回のみ対面、残り6回は電話の計7回で、内容は健康一般に関する情報提供でした。
🧪 どんなふうに取り組んだ?
「座る時間を減らす」グループには、立ち作業ができる机やリマインダーを使って、長時間の座位を避ける工夫が取り入れられました。
「立ち上がる」グループは、日常でこまめに立ち上がる習慣を意識し、立ち上がる回数そのものを増やすことを目指しました。
対照群は、食生活や睡眠など一般的な健康情報を学ぶのみで、座る・立つ行動には直接介入しませんでした。
📊 行動はどう変わった?
それぞれのグループで変化ははっきり分かれました。
- 座る時間を減らすグループ → 1日の座位が約1時間減少。ただし立ち上がり回数は変わらず。
- 立ち上がりグループ → 1日あたり25回以上立ち上がる回数が増加。ただし座る時間は変わらず。
つまり、この2つは別々の行動であり、どちらかをすればもう一方も変わるというわけではないことが示されました。
👏 体はどう変わった?
💓 血圧はどう変わった?
「立ち上がりグループ」では、下の血圧(拡張期)がわずかに下がり、統計的にみて意味のある改善が見られました。上の血圧(収縮期)も少し下がりましたが、今回は基準には届きませんでした。
研究では、3〜5mmHgの低下が臨床的に意味ある範囲とされます。今回の変化はその水準には満たないものの、毎日の小さな習慣が血圧に確かに影響を与える可能性を示した点は注目に値します。
一方、「座る時間を減らす」グループでは血圧に大きな変化はありませんでした。ただし座る時間を1時間減らせたこと自体が、心疾患や糖尿病のリスクを下げる長期的な健康づくりに重要と考えられます。
🍬 血糖やインスリンはどう変わった?
血糖やHbA1c、インスリンの指標では全体として大きな改善は見られませんでした。
ただし、HbA1cがやや高めの人に限ってみると、「立ち上がりグループ」でインスリンが下がる傾向が確認されました。全体では有意な差はなく、この点は今後の検証が必要です。
📉 なぜ「立ち上がること」が効いたのか?
立ち上がる動作は脚の筋肉を動かし、血流を促します。繰り返すことで、1日の中で中程度の活動が少し増え、体に小さな刺激を積み重ねていきます。
一方で「座っている時間を減らす」取り組みは、立ち作業環境の工夫などが必要ですが、座りすぎを防ぐという点で将来的な健康リスクを減らす行動につながります。
🧘♀️ 中医学の視点から見る「立ち上がること」と「座りっぱなしを防ぐこと」
中医学では、血やエネルギーの流れが滞ることを「瘀血」や「気滞」と呼び、冷えや血圧の上昇傾向、代謝の乱れと結びつきやすいと考えます。特に閉経後の女性は、「腎」や「脾」が弱まりやすく、こうした不調につながりやすいとされます。
「立ち上がる」という動作は骨や筋肉を刺激し、「腎(骨をつかさどり、髄を生む)」の働きを支える一助となります。また「脾」はエネルギーを上に持ち上げる役割を担い、立ち上がることでその力を助けると考えられます。
さらに古典には「五労(ごろう)」の教えがあります。
「久行傷筋・久視傷血・久坐傷肉・久臥傷気・久立傷骨」(長く歩けば筋を傷め、長く見れば血を損ない、長く座れば肉体を弱らせ、長く横になれば気を損ない、長く立てば骨を傷める)。
特に「久坐傷肉」は今回の研究とも重なり、長時間の座位が筋肉や代謝を弱めることを示しています。中医学では「脾は運化を主り、肌肉を養う」とされ、長く座り続けることは、脾の働きを弱め、体に余分な湿気や滞りを招くと考えられます。
そして「動以養形」という養生の言葉があるように、動くことは体を養うことにつながります。
座りっぱなしにならないように、こまめに立ち上がる習慣は、この知恵を実生活に生かす方法であり、現代の研究とも響き合う実践的な養生法といえるでしょう。
🌱 毎日の選択が未来の体を育てる
毎日の小さな積み重ねが、やがて大きな変化を生みます。座りすぎを減らすことも、こまめに立ち上がることも、特別な時間や道具を必要としない、シンプルで取り入れやすい習慣です。
今回の研究で示されたのは、「座る時間を減らすこと」と「立ち上がる習慣を増やすこと」は似て非なる行動であり、それぞれ異なる健康効果を持つということ。
特に閉経後女性の健康維持に役立つ可能性が示唆されました。
変化はわずかに見えても、続けることで未来の体を守る大きな力になります。座りすぎを減らし、立ち上がったその一歩が、数年後の自分を軽やかに支えてくれるのです。
大切なのは、無理をして大きな行動をすることではなく、日常に小さな工夫を積み重ねること。
その一歩一歩が、気づいたときには確かな健康の土台になっています。日々の小さな選択から、未来は静かに変わり始めるのです。
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