✨ 「寝る時間」と「子どもの未来」
子どもが毎晩いつ寝るかは、それぞれの家庭の生活リズムによって決まることが多いです。
早く寝かせるようにしている家庭もあれば、夕食やお風呂の時間がずれて遅くなることもあります。
今回紹介する研究は、未就学児の「就寝時刻」が、10年ほど後の思春期の体型と関係しているかどうかを調べたものです。
子どもがまだ4〜5歳のときの就寝時刻と、10年ほど後の体型データを比べることで、睡眠習慣が将来にどうつながっていくかが検討されました。
中医学では、子どもの発育には「睡眠」が欠かせない要素とされています。発育の基本となる「腎精」を養い、食べ物から体をつくる「脾」の負担を和らげるうえでも、十分な睡眠が大切だと考えられています。
この研究結果には、普段の生活習慣について考えるきっかけになるような、興味深い示唆が含まれていました。
では、続きを見ていきましょう。
📊 子どもたち、いつ寝ていた?
この研究は、アメリカで1991年に生まれた子どもたちを対象にした長期調査のデータを使っています。
子どもが4〜5歳のときに、保護者への聞き取りを通して、平日に何時ごろ寝ているかが記録されました。
その就寝時刻は、大きく3つのグループに分けられました。
夜8時までに寝ていた子ども、8時を過ぎて9時までに寝ていた子ども、そして9時以降に寝ていた子どもたちです。
最も多かったのは8時〜9時の間に寝ていた子どもたちで、全体の半分ほどを占めていました。一方で、9時以降に寝ていた子も少なくありませんでした。
この時点では、睡眠時間や週末の就寝時刻は考慮されていませんが、「平日の就寝時刻」というひとつの指標から、将来の体型との関係を探ることが目的とされています。
📉 寝る時間の違いによる影響は?
子どもたちはその後、10年ほど追跡され、思春期に入ったタイミングで身長や体重の測定が行われました。そのデータをもとに、幼い頃の就寝時刻と体型の関係が分析されました。
結果はというと…
早めに寝ていたグループの子どもたちは、思春期に入ったときに肥満になっていた割合がいちばん少なく、逆に、寝る時間が遅かったグループでは肥満の割合が高くなる傾向が見られました。
この関係は、性別や出生体重、保護者の体型や学歴といった他の要因を統計的に調整しても、変わりませんでした。つまり、「就寝時刻そのもの」が体型に影響している可能性がある、ということになります。
また、子どもと母親のかかわり方(たとえば、子どもに対してどれだけやさしく関わっていたか)が、この関係に影響を与えるかも調べられましたが、こちらには大きな差は見られませんでした。
🧠 中医学的な視点で見てみると?
中医学では、子どもの発育には「腎(じん)」と「脾(ひ)」のはたらきが特に重要だと考えられています。
「腎」は、生まれ持った生命力や成長エネルギーの源であり、「先天の本」とも呼ばれています。骨や脳の発育、ホルモン的なはたらきもここに含まれるとされています。一方で、「脾」は食べたものを体に変える力を担い、「後天の本」として、成長を支える栄養の取り込み役になります。
睡眠は、腎や脾を回復させる時間とされており、特に成長期には夜の眠りがしっかり取れていることが、体のバランスを保つために欠かせないとされています。
また、中医学では「子どもは陽(よう)が多く、陰(いん)が未熟」とされ、夜の時間に「陰」を養うことが、健やかな発育を支える鍵になるという考え方もあります。つまり、早寝は体内の陰陽バランスを整える意味でも重要だとされています。
この研究で示された「早く寝る子どもほど、思春期の肥満リスクが低かった」という結果は、中医学で古くから語られてきた「睡眠と発育の関係」と重なる部分があり、西洋と東洋、それぞれの考え方から見ても、睡眠の大切さが共通していることがあらためてわかる結果でした。
💤 寝る時間は、「小さな体」を整える習慣
この研究は、子どものころの就寝時刻が、思春期の体型と関係している可能性を示しました。
寝る時間は、毎日の暮らしの中で自然に決まっていく習慣ですが、その積み重ねが成長のかたちに影響することもあるようです。
もちろん、体型は睡眠だけで決まるわけではありません。食事や運動、体質など、いくつもの要素が関わっています。ただ、今回の研究からは、日常の中で見直すことができる行動のひとつとして、「就寝時刻」も大切なポイントであることが分かります。
中医学でも、子どもがすこやかに育つためには、生活のリズムを整えることが大切だとされています。特に、夜の時間の過ごし方は、からだのエネルギーを養ううえで重要な意味を持つと考えられています。
子どもの睡眠時間を守ること──小さなことのように見えて、未来の体づくりに少しずつ影響しているのかもしれません。
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