🚀 食事で時計を巻き戻す研究が登場
「最近不調が増えた」「なんだか疲れやすい」……そんな声をよく耳にします。
現代の科学では、「見た目」や「体調」の老化は、実年齢だけでは測れないことがわかってきました。
鍵を握るのは「エピジェネティック年齢」。
これは私たちの「DNA」にある「年齢の刻印」のようなもので、実際の体の「老化度」を映し出す指標です。
今回ご紹介する研究では、その「エピジェネティック年齢」が、「ある食べ物」の摂取によって実際に「若返る」ことが観察されたのです。
実験に参加した男性たちは、ほんの8週間でDNAの年齢が最大で約9歳も若返った人までいたというから驚きです。
さらにこの研究、中医学の視点から見ても、実は非常に興味深い内容なのです。
たとえば、「腎」を養う食材や、「気血」の巡りを良くする食材が含まれており、中医学の「養生」の考え方と重なる部分が多くあります。
では、この研究がどのように実施され、どんな食材がなぜ注目されたのかを見ていきましょう!
🔬 なぜ「食事」と「エピジェネティック年齢」に注目したのか?
近年、「エピジェネティック年齢(DNAメチル化年齢)」という言葉が、加齢研究の分野で注目を集めています。
これは、DNAの特定部分に付加される「メチル基」のパターンを解析して、生物学的な加齢の進行度を測る指標です。つまり「見た目年齢」や「体の老化具合」に近いもので、病気のリスクとも密接に関わっています。
この研究では、43人の健康な中高年男性(平均年齢:58.2歳)を対象に、8週間にわたる食事・運動・瞑想・睡眠のライフスタイル介入を行い、唾液中DNAから「エピジェネティック年齢」の変化を調べました。
食事の中でも特に注目されたのは、「メチルアダプトゲン」と呼ばれる食品群。
緑茶、ウコン、ニンニク、ローズマリー、ベリー類、ウーロン茶といった、ポリフェノールを多く含む食材がこのカテゴリーに含まれています。
🥗 何をどれくらい食べていたのか?
研究参加者は、「介入群(21人)」と「対照群(22人)」に分けられ、介入群は特定の食事指導を受けながら8週間の生活を送りました。
指導された食事内容は、野菜中心で、以下のような具体的な食材が日常的に摂取されていました。
- 「緑茶」:1日2杯
- 「ウーロン茶」:1日3杯
- 「ニンニク」:1日2片
- 「ローズマリー」「ウコン」「ベリー類」:1日1回以上
- 「かぼちゃの種」「ひまわりの種」「レバー」「ビーツ」「卵」なども推奨されていました
これらは、いずれもDNAメチル化を調整する可能性がある栄養素やポリフェノールを含む食材。研究ではまとめて「メチルアダプトゲン」と表現されています。
一方、摂取を避けるように指導された食品もありました。
穀類(米、小麦など)/豆類(大豆、レンズ豆など)/乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)/アルコール類/砂糖/トランス脂肪
興味深いのは、介入群の人たちが実際にこれらの食材をどれくらい食べていたかです。
たとえば、1か月間の平均摂取頻度(摂取回数、例えば同じ食事で2種類食べれば2回)を見ると
- 「さまざまな野菜」:125回(1日4回程度)
- 「果物」:93.5回(1日3回程度)
- 「メチルアダプトゲン」全体:平均59.6回(1日2回程度)
対照群ではこれらの摂取頻度は大きく下がっており、研究対象となった食事内容が実際に遵守されていたことが確認されています。
📉 DNAの「年齢」はどれだけ若返った?
研究のハイライトは、やはり「エピジェネティック年齢」の変化です。簡単に言うと、「細胞が実際にどれくらい若返ったのか?」ということですが、その変化は非常に大きなものでした。
まず、介入群(食事指導を受けたグループ)の平均的なエピジェネティック年齢は、2.04歳若返っていたことが示されました。
しかも、中にはなんと8.84歳も若返った人がいたのです。逆に、最も加齢が進んだ人では8.52歳も老けたという結果もあり、個人差が大きいことがわかります。
一方、対照群(普段の食生活を続けたグループ)はどうだったかというと、平均で1.10歳加齢していました。つまり、両群の間には3.14歳分の差があったことになります。
この差は統計的にも有意であり、単なる偶然ではないことが示されています。
興味深いのは、「体重の変化」はエピジェネティック年齢にあまり影響していなかった点です。実際、介入群は平均4.6ポンド(約2kg)減量していましたが、それ自体は年齢変化と強く関連していませんでした。
重要なのは、「どんな食材が年齢に効いたのか?」という点です。統計解析の結果、メチルアダプトゲンの摂取頻度がエピジェネティック年齢の低下ともっとも強く関係していたことが示されました。
具体的には、これらの食品を多く摂っていた人ほど、エピジェネティック年齢がより大きく低下していました。
🧪 「若返り」に効いた理由とは?
研究で注目された「メチルアダプトゲン」には、なぜエピジェネティック年齢を下げる効果があったのでしょうか?
その秘密は、ポリフェノールという成分にあります。
ポリフェノールとは、野菜や果物、お茶などに多く含まれる抗酸化物質の一種で、細胞の老化や炎症を抑える働きがあるとされています。
本研究で取り上げられた食品(緑茶、ウーロン茶、ウコン、ローズマリー、ニンニク、ベリー類)には、それぞれ異なるポリフェノールが豊富に含まれており、DNAメチル化に関わる「DNMT(DNAメチルトランスフェラーゼ)」という酵素の働きを調整することが示唆されています。
たとえば──
- 緑茶に含まれる「EGCG(エピガロカテキンガレート)」は、DNMTの活性を抑えることが報告されています。
- ウコンに含まれる「クルクミン」は、がん細胞におけるDNAメチル化を調節する作用が知られています。
- ベリーに含まれる「アントシアニン」は、老化に関わる遺伝子発現を調整します。
さらに、これらのポリフェノールは、「PI3K/AKT/mTOR」という細胞の成長・代謝に関わるシグナル経路にも影響を与える可能性も示唆されています。
この経路は、老化や生活習慣病と深い関係があり、そこに働きかけることで細胞の若返り効果が期待されているのです。
また、テロメア(染色体の末端構造)を保護する働きもある可能性が示されており、細胞の寿命そのものに良い影響を与えることも仮説として挙げられています。
🌿中医学から見た「若返り食材」
本研究で「若返り」に効果があったとされる食材の多くは、中医学においても伝統的に「養生」のために使われてきたものばかりです。
実際に、これらの食材が中医学的にどのような意味を持つかを紐解いてみると、西洋科学の研究結果と重なる点が数多く見られます。
まず、加齢と深く関係する中医学の概念に「腎精(じんせい)」があります。これは、腎に蓄えられ、成長・発育・老化にかかわる生命エネルギーのようなもの。加齢とともにこの腎精は自然と減少し、それが「老化」として現れると考えられています。
ウコン、緑茶、ローズマリー、ニンニク、ベリー類といった研究で登場した食材の多くは、「補腎(ほじん)」作用や「活血化瘀」=血の巡りを良くする働きを持つとされています。
- ウコン:中医学では「行気破瘀」の作用があり、気滞や血瘀の改善に使われます。
- 緑茶:清熱解毒の作用があり、体内の過剰な熱や毒素を取り除くとされます。
- ニンニク:温性の食材で、胃腸を温め、免疫の低下を防いだり、解毒の働きもあるとされています。
- ローズマリー:血の巡りを良くする働きがあります。抗酸化力の強いハーブとされています。
- ベリー類:滋陰作用があり、腎や血を補うとされ、目や皮膚、老化対策にもよく使われます。
つまり、本研究で選ばれた食材は、中医学的にも「腎を補い、気血の巡りを整える」作用を持つものであり、それが「老化予防」や「若返り」とつながっていると解釈できます。
現代の科学と伝統医学が、まったく別の視点から「同じ食材の効能」を裏付けている点は、非常に興味深いところです。
💡 「老い」を食事で変えられる時代へ
この研究が私たちに教えてくれるのは、「年齢はただの数字じゃない」ということです。
実際の体の若さ、すなわちエピジェネティック年齢は、食事を含む生活集会の改善によって変えられる可能性がある──しかもその変化は、ただの理論ではなく、わずか8週間で数年分の「若返り」が見られるほど、具体的かつ測定可能なものだったのです。
特に、「メチルアダプトゲン」と呼ばれる特定の食材群──緑茶、ウコン、ローズマリー、ニンニク、ベリー、ウーロン茶などが持つ、ポリフェノールの作用が強く影響していたという点は、今後の健康管理や食事指導にとって非常に有用な知見です。
さらに、中医学の視点からも、これらの食材は「腎を補い、気血を整える」などの効能を持ち、古くから「老化予防」に使われてきました。現代科学と中医学が、それぞれの言語で「老化に抗う食材」を示し合っているようで、非常に興味深い一致です。
もちろん、この研究にはサンプル数の限界や期間の短さなど、慎重に捉えるべき点もあります。
それでも、科学がここまで「食べること」と「老化」をつなぎ合わせられるようになった今、自分自身の未来を変える力は、案外、毎日の食卓の上にあるのかもしれません。
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