😖 科学的データが示す「腰痛」との付き合い方
腰痛があると、どう身体を動かしてよいのか分からなくなります。
重い物を持つのをためらい、前にかがむのを避け、ひねる動きに慎重になる。
そんなふうに、日常の動作ひとつひとつに不安がつきまといます。
その一方で、「動いたほうが回復する」と言われることもあります。
真逆のメッセージに触れるたび、何を基準に判断すればいいのか分からなくなり、小さな迷いが日々積み重なっていきます。
今回紹介する研究は、こうした迷いの正体に、かなり現実的な角度から切り込みます。
ポイントは、「短い時間で起こる腰痛の悪化」と「長い目で見た身体の状態」を、はっきり分けて考えたところにあります。
どんな動きをしたのか、その後、腰の痛みはどう変化したのか、こうした情報を長期間収集し分析した研究です。
中医学の視点でも、痛みは「今この瞬間の負荷」と「身体全体の状態(体質や気血の巡り)」を分けて考えるのが基本です。この研究の構造は、そうした中医学的な見方とも自然につながる部分があります。
「動くことに慎重になるべきなのか」「慎重になりすぎる必要はないのか」。
その境界線が、少しずつ見えてくる内容です。
🧪 どんな研究?
この研究の対象は、医療機関を受診した腰痛のある大人416人です。
年齢は18〜65歳で、日常生活や仕事を続けている人たちが中心でした。
この研究で特に特徴的なのが、調査の方法です。
参加者はスマートフォンなどを使い、「過去24時間にどんな動きをしたか」「その後、腰痛が悪化したか」を繰り返し記録しました。この調査は1年間続き、集まった回答は延べ約1万回にのぼります。
さらに研究では、腰痛の変化を二つの時間軸で捉えました。
動いたあと24時間以内に起こる変化と、数週間の生活が1年後の身体に残す影響です。
短期と長期を分けて見た点が、この研究の土台になっています。
📊 どんな結果?
この研究の結果をまとめて言で言うと、動作によって短期的な腰痛の出方に多少の違いはあるものの、日常の動きそのものが腰痛を決定的に悪化させるわけではなかった、ということです。
短期的に見ると、重い物を持つ、前かがみになる、ひねる、しゃがむといった動作のあとに、24時間以内で腰痛がぶり返しやすくなる人は、確かに少し増えていました。ただしその差は小さく、「やったから一気に悪くなる」と言えるような結果ではありません。
座っている時間が長い場合には、同じ24時間の中で腰痛がぶり返しにくい傾向も見られましたが、これは「座るほど腰痛が良くなる」という意味ではなく、あくまで短い時間で見た時の違いです。
そして重要なのは、長期的な結果です。
腰痛になってから最初の数週間、どんな動作をどれくらい行っていたかと、
1年後の腰痛による生活のしづらさを比べても、
どの動作についても、良くも悪くもはっきりした差は見られませんでした。
つまりこの研究は、
「痛いから」といって日常の動作を強く制限したからといって、将来が良くなるわけでもなく、
逆に、動いていたから将来が悪くなるわけでもないことを示しています。
全体として、腰痛があるからといって、動作そのものを過度に恐れる必要はない──それが、この研究から読み取れる最も大きな結果です。
🌱 中医学の視点では?
中医学では、腰痛を「特定の動作そのものが原因」とは捉えません。身体全体の状態の中で、痛みが出やすくなっているかどうかを重視します。
短期的に、前かがみや持ち上げ動作のあとで腰痛がぶり返しやすかった点は、一時的に腰まわりへ負担が集中した結果と考えることができます。
ただし、そのような動作をしていたからといって、長期的に身体の状態が悪化していなかった点も重要です。
この結果からは、身体には回復する力があり、日常動作そのものが体質を損なっていたわけではないことが読み取れます。
中医学では、動きを長く制限しすぎると、巡りが悪くなり痛みが生じると考えます。これを「不通則痛」といいます。
この研究は、「無理をしないこと」と「動きを止めすぎないこと」の間でバランスをとることが重要とする点で、中医学の考え方ともよく重なっています。
📝 腰痛のとき、動くべきか迷ったら
腰痛が続くと、動いた方が良いのかそれとも動かない方が良いのか──日常の中で身体を使う判断が難しくなります。
今回の研究は、そうした不安に対して、日々の動作をどうしたら良いのか考えるための、現実的な手がかりを示しています。
短い時間で見れば、動き方によって腰痛が出やすい場面は確かにあります。
一方で、それは一時的な変化にとどまり、日常の動作そのものが、将来、腰にダメージが残るかどうかを決めてしまうわけではありませんでした。
この結果は、痛みがあるからといって、安静にしすぎる必要はないこと、そして、無理して動く必要もないことを示しています。
腰痛と向き合う上で大切なのは、その日の身体の状態を見ながら、動き方を調整していくことです。
言われてみれば当然と感じるかもしれませんが、その「当然」と思われてきた感覚に、科学的な根拠を示した点にこの研究の価値があります。
必要以上に恐れず、かといって無理もしない──この研究は、そんな現実的な付き合い方が、腰痛のある生活の中でも十分に成り立つことを伝えてくれています。
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