「緑」と「こころ」の関係

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🌲 そばにある「緑」が「心」に触れるとき

街を歩いていて、ふと視界に入る木々や芝生が、気持ちをゆるめる瞬間があります。

そんな「緑のある風景」が、「心」の健康にどのくらい関わっているのかを、大規模なデータを使って確かめようとした研究があります。

世界の複数の国や地域で、長い年月にわたり集められた精神疾患の入院記録と、衛星から観測された「緑の量」をあらわすデータを組み合わせ、両者の関係を丁寧にたどり、その関係性を探ったものです。

中医学では、人の心と体は「自然のリズム」と「調和」することで安定すると考えられています。心と体は景色や環境にも影響を受けるとされ、「緑」の豊かさが安定につながるという捉え方もあります。

今回の研究は、まさにその一端を科学的に検証しようとした、とも言えそうです。

「緑」がどのように「心の揺らぎ」に関わるのか。数字の背景にある物語をたどっていくと、ふだんの景色が少し違う意味を帯びるかもしれません。

では続きを見ていきましょう。


🗺️ 研究の「景色」

この研究は、七つの国にある6842の地域を対象に、約20年分の精神疾患による入院記録と、同じ期間に衛星が捉えた「緑の量(NDVI)」を並べて分析したものです。

精神疾患とひと口に言っても、気分の不調、不安、物質使用に関わる問題、認知症、行動面の障害など、幅広い分類が含まれています。

研究では、毎月の入院件数と、その地域の同じ月「緑の量」を照らし合わせています。ただ単に比較するのではなく、気温や湿度、大気汚染、雨量、経済状況、季節の違いなど、結果に影響しうるさまざまな要因を同時に考慮する解析方法が使われています。

地域差や男女差、年齢、都市化の度合いなどでも分けて検討しており、かなり丁寧に「背景の違い」を整えてから傾向を探しているのが特徴です。

こうした広い視点からの分析は、国ごとの文化や気候、生態系が異なる中でも、どの程度共通の傾向が見えるのかを知るのに役立ちます。


🌳 「緑の量」はどう測った?

研究で使われた「緑の量(NDVI)」は、衛星が地表を撮影した画像から計算される指標で、地域の「緑の濃さ」を数値として表すものです。

肉眼で見える木々の本数を数えるのではなく、光の反射特性から植物の存在を判断するため、広い範囲を継続的に比較できる利点があります。

値は 0 に近いほど緑が少なく、1 に近いほど緑の覆いが多いことを示します。数字だけではイメージしづらいかもしれませんが、森林の多い地域では高い値になり、都市の中心部のように人工物の多い場所では低くなるといった具合です。

この研究では、毎月の「緑の量」を地域ごとに集計し、同じ月の入院件数と組み合わせています。季節によって緑の量が変わる国もあるため、長期間のデータを扱うことで、年ごとの変動や気候の違いも含めて評価できるようになっています。


🔍 どのように関係を調べた?

研究では、精神疾患による月ごとの入院数がどのように変化していたのかを整理し、その変動が「緑の量」とどの程度かかわっているのかを計算しています。

ただ、入院件数は気温や湿度、大気汚染、紫外線、雨量、地域の経済状況、季節の特徴、長期的な変化など、さまざまな影響を受けます。そこで研究では、これらの要因をすべて解析に組み込み、「緑の量」との関係がより正確に捉えられるよう工夫しています。

さらに、男女別、年齢層別、都市化の度合い、季節ごとにも分けて分析しています。背景によって、緑との関係の現れ方が異なる可能性があるためです。このように整理することで、単純な比較では見えにくい特徴も捉えやすくなります。


🏙️ 場所によって変わる「緑」の働き

研究では、「緑」の影響のあらわれ方が住んでいる環境によって変わることが示されていました。とくに都市部では、公園や街路樹など日常的に触れやすい緑がまとまって存在するため、入院リスクとの関係がより明確にあらわれていました。

一方、農村部の緑は、森林や草地、農地、野生の樹木帯などが入り混じり、広がり方や人が近づきやすいかどうかに大きな差があります。そのため、緑の量と入院リスクの関係が一定の傾向としてあらわれにくいという特徴がありました。

このほか季節による違いも確認されています。

ブラジルやチリ、タイのように気温差が小さい地域では、涼しく過ごしやすい時期でも「緑の量」と「入院リスク低下」の関係がよりはっきりあらわれていました。外での活動が減ることなく、緑に触れる機会が保たれるためです。反対に、寒暖差の大きいカナダでは、暖かい季節で、この関係が明確にあらわれていました。

また、年齢や性別による大きな差はみられず、幅広い層に共通して「緑の効果」があらわれる点も特徴です。


🌿 中医学から見た「緑」と心の状態

中医学では、人の心と体は自然と影響し合い、その調和が気の巡りを整えると考えられています。自然の「緑」は、伸びる・広がるといった性質をもち、気の流れをスムーズにする助けになるとされています。

今回の研究で、都市か農村か、あるいは季節が違っても、幅広い人に共通して「緑」と心の状態の関わりが見えていたことは、中医学が重視する「自然との調和」と重なる部分があります。

自然のある場所に身を置くことで心が落ち着き、気の巡りが整いやすくなる──そんな中医学の視点を重なる結果といえます。

日常の中で少し自然に触れるだけでも、心身が整う感覚があります。今回の研究は、その「感覚」とデータとしての「結果」が、重なる部分を示しているように感じられます。


✨ 日常の「緑」と心のゆとり

ふと目に入る木々や、公園の脇を通るときのわずかな緑の広がり。そんな何気ない景色が、心の負担を少し軽くするきっかけになっているのかもしれません。

今回の研究は、都市でも農村でも、季節や年代、性別が違っていても、緑のある環境が心の状態に関わる可能性を示していました。背景が大きく異なっても共通して見られたという点は、日々の中で触れる自然に思った以上の意味があることを伝えてくれます。

大きな工夫や特別な時間をつくらなくても、暮らしのなかで自然に触れる瞬間が積み重なることで、心のゆとりを取り戻す支えになることがある──身近な自然が持つ可能性を静かに示していた研究と言えます。

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