🕊️ なぜ、いま「笑いヨガの研究」を取り上げるのか
現在、変異株「ニンバス(NB.1.8.1)」の流行により、医療機関は再び緊張感の高まる状況に直面しています。
感染者数がじわじわと増加するなか、猛暑や他の感染症との同時流行による医療負荷が懸念されています 。
かつてのような医療崩壊は回避されているものの、現場で働く看護師たちの負担が軽くなったとは言えず、医療現場の疲労感は今なお続いています。
慢性的な人手不足、ギリギリの勤務体制、続く感染対策、不足する薬──とくに看護師たちは、人手不足や離職のプレッシャーの中で日々奮闘しており、「現場で無理なく続けられるケア」が強く求められています。
そうした中で注目したいのが、「笑いヨガ」というケアの手法です。
薬を使わず、特別な設備もいらず、オンラインでも実施できるこの方法を、実際の看護師に協力してもらいながら丁寧に検証した調査があります。
週に2回、1回40分。勤務シフトに合わせやすい設計で、忙しい現場でも導入しやすい内容になっています。しかも、笑いヨガの効果についての研究は近年も増え続けており、「一時的なブーム」ではなく、きちんと進化し続けている分野です。
非常時に効果を発揮したケアが、日常の職場にも役立つとしたら──この研究は、その可能性を考えるうえで、とても参考になる事例です。
また、単に「笑いがよい」という話にとどまらず、心と体をつなげて整えるという中医学的な視点からも、その意義を少しだけ掘り下げていきます。
みんなで息を合わせて笑うことの大切な理由があります。
🔍 どんな研究?
この研究は、トルコ北東部の病院で実施されました。
対象となったのは、コロナ病棟で日々患者を支えていた看護師たちです。
研究には120名が参加し、最終的には100名余りが分析対象になりました。
看護師たちは、笑いヨガを体験するグループと、通常通り過ごすグループに分かれて、4週間のあいだ、その変化が比較されました。
この比較により、「笑い」が心と体にどのような影響を及ぼすのか、具体的にデータで検証されたのです。
🧘♀️ 笑いヨガって何?
笑いヨガとは、冗談を言って笑うものではありません。
「作り笑いでもいいから、まずは笑ってみる」ことをきっかけに、呼吸とともに身体をほぐしていく健康法です。
1995年にインドの医師マダン・カタリア氏が考案し、「無条件の笑い」と「ヨガの呼吸法(プラーナーヤーマ)」を組み合わせた独自の手法として、世界に広まりました。
本研究でも、その基本的な構成に則り、看護師たちは深呼吸、手拍子、遊びの要素、そして笑いのエクササイズを組み合わせた40分のセッションを、週に2回、4週間にわたりオンラインで実施しました。
勤務の合間でも取り入れやすく、薬や機器を使わずに行えるシンプルな構成が特徴です。
📉 数値ではっきり見えた変化
結果ははっきりと出ました。
笑いヨガを行った看護師たちは、そうでない人たちに比べてストレスが軽減され、仕事への疲れや無力感が和らぎ、日々の生活に対する満足感まで高まったのです。
とくに注目すべきは、「燃え尽き」につながる感情の改善だけでなく、「自分の仕事に意味を感じる」ようになったという報告が多かった点です。
🧠 どうして「笑い」が効くのか?
笑うと、脳内で快感をもたらすホルモンが分泌され、ストレスホルモンの働きが抑えられます。
筋肉の緊張もゆるみ、呼吸が深くなり、心と体がリラックスする──こうした一連の反応は、医学的にも確かな根拠があります。
また、笑いには人とのつながりを感じやすくする効果もあり、孤独感や閉塞感を和らげる作用も期待できます。
🪷 中医学から見る「笑い」の意味
中医学では、感情の動きと「五臓六腑」は密接に関係していると考えられています。
それぞれの臓器には特有の感情が対応しており、「心(しん)」は「喜び」、「肝(かん)」は「怒り」など、感情のバランスが身体の調和に影響を及ぼすとされます。
この中で、「笑い」は「心」の働きを整える感情として位置づけられています。
「喜び」によって気の流れが巡り、精神のバランスが保たれ、身体の調和を助けると考えられています。
また、強いストレスや緊張が続くと、とくに「肝」の気が滞りやすくなります。
「笑い」はこの「肝」の気の停滞を和らげ、全身のエネルギーの流れをスムーズに整える助けにもなります。
この研究が示した心の変化は、まさに中医学的にも理にかなった反応といえます。
📝 「ケアする人」をケアする時間として
今回の研究は、特定の施設での短期間の実施という限界はありますが、それでも「笑うこと」がもたらす力を、現場に近い形で丁寧に可視化した点に価値があります。
薬や道具に頼らず、誰でも、どこでも、すぐに始められるケアとして「笑いヨガ」はシンプルでありながら実践的な選択肢のひとつになることを示してくれました。
深刻な空気に覆われがちな現場だからこそ、深呼吸とともに笑う時間が、人の心をやわらげ、職場の風通しをよくする小さなきっかけになるのかもしれません。
「深刻な現場」にこそ「笑い」が必要──そう気づかせてくれる研究でした。
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