今やインターネットは、世代を問わず生活に欠かせないものとなりました。
ゲームやSNS、家族や友人とのやりとり、趣味や情報の探索、さらには買い物や行政手続き、最近ではAIの活用まで、日常のさまざまな場面で活用されています。
外出が難しいときでも、社会とのつながりを保つ手段として大きな力を発揮しています。
そんな中で、高齢者がインターネットを使うことの意味に光を当てた研究が行われました。
日々の暮らしにある「つながり」の手段が、思いもよらないかたちで心や体に影響を与えているのではないか──。その発想が研究の出発点になっています。
中医学では、「気(き)」や「血(けつ)」の巡り、そして「心神(しんしん)」の安定が健やかな心身を支えるとされます。人との関わりや日々の刺激は「心神」を養う大切な要素であり、現代の道具であるインターネットも、そうした働きを支える一助になるのかもしれません。
こうした背景から始まった研究は、これからの高齢社会を考えるうえで示唆に富むものです。
では、続きを見ていきましょう。
🌏 なぜ「高齢者×インターネット」なのか?
少子高齢化が進む日本では、75歳以上の人口が年々増加しています。高齢者が安心して暮らし続けるためには、身体の健康だけでなく、社会とのつながりや情報へのアクセスが大切な要素となってきました。
近年はその一助として、インターネットが注目を集めています。
かつては「難しそう」「若者向け」といったイメージもありましたが、スマートフォンの普及や地域でのサポートの広がりによって、利用する高齢者も増えてきています。
一方で、インターネットの利用が高齢者の心身の健康にどう影響しているのかについては、これまで十分に明らかになっていませんでした。
特に「認知症」という重要なテーマとの関連は、注目されながらも、科学的な検証が進んでいなかった分野です。
こうした課題意識から、本研究では「高齢者のインターネット利用と、その後の認知症との関連」について、全国規模のデータを用いて検討が行われました。
🔍 どうやって調べたの?──全国の高齢者データから見えてきたこと
この研究では、日本全国の高齢者を対象にした大規模な健康調査のデータが使われました。対象となったのは、65歳以上で、調査のはじめに認知症と診断されていなかった人たちです。その後、約3年間にわたって、認知機能の変化が追いかけられました。
調査ではまず、普段インターネットを使っているかどうかを確認。そして、介護保険の記録をもとに、あとから認知機能に変化があったかどうかを見ていきました。
さらに、「みんなに同じような影響があるのか?」ではなく、「人によって違いがあるかもしれない」という視点も大切にしています。そのため、年齢や性別、生活の状態なども考慮して、いろいろなパターンを丁寧に調べています。
また、「全体として、インターネットの利用はどんな影響を持っていたのか」も確認するために、統計的に信頼性の高い方法で分析が行われました。
📊 一人ひとり変わる支援のかたち
今回の研究では、日本全国の高齢者を対象に、インターネットの利用と認知機能の関係が詳細に調べられました。
結果として、普段からインターネットを使っていた人たちは、使っていなかった人たちに比べて、一定期間後の認知機能の低下が少ない傾向が示されました。
さらに注目すべきは、その影響がそれぞれの背景で異なったという点です。
年齢が高い人、体や心に不安を抱えている人、社会とのつながりが限られている人ほど、プラスの影響がはっきりと現れる傾向があったのです。
特に、配偶者がいない人や子どもと同居していない人、人との接点が少なくなりがちな女性のグループでは、その差が顕著でした。
もちろん、これは観察研究であり、因果関係を断定できるわけではありません。また、評価は「使っているかどうか」の2択であり、どんな使い方が有効かまでは見えていません。
それでも、この結果は私たちに一つの方向性を示しています。
🌱 中医学の視点から見ると?
中医学では、健やかな心と体は「気(エネルギー)」や「血(血流)」の巡り、そして「心神(精神の安定)」によって保たれるとされています。
とくに「心神」は、人との関わりや日々の刺激によって養われるとされており、孤立や閉じこもりはそのバランスを崩す原因と考えられます。
現代の道具である「インターネット」も、こうした中医学の考え方と響き合う部分があります。
画面越しのやりとりであっても、「誰かとつながっている」という感覚や、外の世界と接する機会が、「心神」を穏やかに保つ助けになる可能性があるのです。
古くからの知恵と、新しい技術が出会うところに、これからの支援のヒントがある──この研究が示したのは、そんな未来への手がかりかもしれません。
🤝 インターネットは「つながりの処方箋」になるか?
今回の研究から見えてきたのは、インターネットは使い方次第で、社会とのつながりを保つ重要な手段になりうるということです。
特に、高齢者やこれまで支援が届きにくかった人たち──たとえば一人暮らしの方や、日常生活に不安を抱えている方にとって、情報や人との交流にアクセスできることが、暮らしの質に大きな違いをもたらす可能性が示されました。
ここで大切なのは、「誰もが同じ形で使えるようにすること」ではありません。それぞれの状況や背景に応じて、「その人にとってのつながりの形」をどう支えていくか──その視点こそが、これからの支援のあり方に求められているものです。
インターネットは、ただの便利な道具ではなく、人と人とを結び直す、新たなつながりのひとつの形。
もちろん、それだけで全てを解決できるわけではありません。どんな人に、どんな支援が合うのかを丁寧に見極め、使いやすい形で届けていく工夫が欠かせません。
それでも、テクノロジーと福祉の交差点にあるこの視点は、これからの高齢社会を支えるヒントになるはずです。
人と人とのつながりを、少しだけやさしく、身近なものにしてくれる──そんな存在としてのインターネットに、今、あらためて注目が集まっています。
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