「こころ」は季節とともに

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🌿 春夏秋冬、こころもゆらぐ?

季節が変わると、なぜか気分も変わる…

冬は気持ちが沈みやすく、春には急にやる気が出るような感覚があります。

こうした変化は、単なる気分の問題ではなく、脳の働きと関係しているかもしれません。

今回紹介する研究は、「季節と脳の機能」「精神疾患の季節変動」に注目したものです。

日照時間の違いや季節の移り変わりが、脳の中でどんな変化を引き起こすのか、それが気分や行動にどう影響するのかを、データとともに探っています。

中医学では、春は「肝」、夏は「心」、秋は「肺」、冬は「腎」に影響が出やすいとされます。

季節と臓腑、そして感情との結びつきに着目してきた中医学の知恵は、現代医学の視点と重なるところがあります。

この研究を通じて、自然のリズムとこころのつながりについて、少し違った見方ができるかもしれません。

では、続きを見ていきましょう😊


🌞 日照と気分、つながっている?

季節が変わると、気分もちょっと変わる気がする──そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

この研究が注目したのは、まさにその「こころの季節感」。実は、精神疾患にも季節ごとのパターンがあることが分かってきています。

たとえば、うつ病は冬に重くなりやすく、双極性障害では春や夏に気分が高ぶり、冬には落ち込みやすい傾向があります。

こうした変化は、気分だけでなく、症状の出方や治療の進み方にも影響していると考えられています。

特に春や夏には、そのリスクが高まる傾向があり、気温や日照時間の長さが影響しているのではないかと研究では示唆されています。

でも、大事なのは「季節そのもの」ではなく、そこにともなう「環境の変化」。中でも注目されているのが「日照時間」です。つまり、どれだけ光を浴びているか。

その違いが、脳のリズムや気分のバランスに影響している可能性があるのです。


🧠 脳の中では何が起きている?

私たちの気分は、脳の中の「化学物質」によって支えられています。

その中でもよく知られているのが、「セロトニン」と「ドーパミン」。どちらも、気持ちを落ち着かせたり、やる気を起こさせたりする働きがあります。

この研究では、こうした物質が季節によって変化することに注目しています。

たとえば、冬にはセロトニンの働きが弱まりやすく、気分が沈みやすくなる傾向があります。逆に春から夏にかけては、セロトニンが活発になり、気持ちが前向きになったり、少し浮き立つような感覚が強まることも。

ドーパミンも同じように、季節の影響を受けると考えられています。

このように、脳の中では季節に合わせて「気分のスイッチ」が少しずつ変化しているのです。


🌀 脳のリズムと季節のズレ

人の体には「体内時計」があります。

これは、1日のリズムをコントロールしているシステムで、睡眠、体温、気分などをうまく調整してくれています。

でも、この体内時計は「光」にとても敏感です。

朝の光を浴びることでリセットされたり、夜に強い光を浴びると狂いやすくなったりします。そして、季節によって日照時間が変わると、このリズムもずれやすくなってしまうのです。

研究によると、春や秋のように「日照時間が急に変わる時期」には、脳の反応が少し不安定になりやすいそうです。

気分の波が大きくなったり、疲れを感じやすくなったりするのも、こうしたリズムの乱れが関係しているかもしれません。

外の世界と、体の中のリズムがズレたとき、こころも揺れやすくなる──そんな繊細なつながりが、「こころ」と「季節」の関係にはあるのです。


🧩 人によって違う「季節の感じ方」

季節の影響を強く感じる人もいれば、まったく気にならない人もいます。

実際に、誰もが同じように季節に反応するわけではないことが、研究でも明らかになっています。

たとえば、生まれ育った場所の「緯度」が違えば、受ける光の量も変わります。北国の人と南国の人では、感じ方に差があるのは当然です。

さらに、「光にどれくらい敏感か」という体質の違いや、朝型か夜型かといった生活リズム、年齢や性別によっても、影響の出方は変わってくるようです。

つまり、季節の感じ方には「その人なりのパターン」があるということ。

自分の心や体が、どんな季節に弱くなるのかを知っておくだけでも、ちょっとした対策がとれるようになります。


🌱 中医学で読み解く「季節とこころ」

中医学では、季節の変化が体と心に与える影響をとても大切に考えています。

春は「肝」、夏は「心」、秋は「肺」、冬は「腎」というように、それぞれの季節に影響を受けやすい臓器があるとされています。それとあわせて、「怒り」「喜び」「悲しみ」「恐れ」といった感情の動きも、季節ごとに強まりやすいと考えられています。

今回の研究では、たとえば春に躁的な気分が出やすい傾向があることが示されていますが、これは中医学の考えと重なります。

肝はストレスや感情のバランスを司るとされており、気持ちの波が出やすい時期とされているのです。

こうした中医学の視点を現代の脳科学とあわせて考えることで、季節とこころの関係がよりはっきりと理解できるようになります。

体や心の変化にも気づきやすくなり、自分に合った季節の過ごし方を見つけるヒントにもつながっていきます。


💡 自然とこころをつなぐヒント

季節が変わると、体調が変わったり、気分に波が出たり──そんな経験には、ちゃんとした理由があるのかもしれません。

今回の研究は、光や気温の変化が、脳の働きや気分の調整に影響する可能性を示しています。

しかも、その感じ方は人それぞれ。

だからこそ、自分の「こころの季節パターン」を知ることが、日々の過ごし方を見直すきっかけになります。

中医学では、昔から「自然に寄り添って生きること」が健康の基本とされてきました。季節のリズムに合わせて、心と体を整えるという考え方は、今の時代にも通じるものがあります。

こころが揺らぎやすい時期こそ、ちょっと立ち止まって、自分のリズムを見つめ直してみる。

そんな小さな意識が、毎日を少し軽くしてくれるかもしれません。

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