こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
妊活では甲状腺機能低下症、特に「潜在性甲状腺機能低下症(TSHの増加)」が疑われるケースは意外と多いです。
潜在性甲状腺機能低下症とは
「潜在性甲状腺機能低下症」とは、症状が現れない程度の甲状腺ホルモンの不足状態のことを指します。
甲状腺機能低下症では、受精率、着床率などに影響があるとされていますので、明らかな甲状腺機能低下症については治療の対象になりますが「潜在性甲状腺機能低下症」を治療するかどうか、するのであればどの時点で治療をするのか意見が分かれることがあります。
潜在性甲状腺機能低下症と妊活・不妊治療
「潜在性甲状腺機能低下症」に基準値はありませんが、妊活・不妊治療中であれば、TSHが2.5mIU/ml以上である場合、薬の服用をすすめられることが多いようです。
また、こちらの研究報告によれば、TSH 2.5〜4.0μIU/mLの潜在性甲状腺機能低下症で*抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)が陽性の場合は妊娠率の改善に役立つ可能性があるとしています。
*抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)は、甲状腺ホルモン合成に関わる酵素であるペルオキシダーゼに対する自己抗体です。抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)は甲状腺細胞への傷害性を持ちます。
甲状腺の疾患は排卵、月経機能、および妊娠の成功に悪影響を及ぼす可能性があるため、甲状腺機能を正常に保つことは妊活・不妊治療をされる女性とってはとても重要です。
甲状腺ホルモンは簡単に言えば「代謝」を調節するホルモンです。そのためこのホルモンを受け取る「受容体」は体のいたるところに存在し、もちろん「卵胞」にもあります。
甲状腺機能低下症でTSHが高いと流産率が高くなることは知られていますが、甲状腺ホルモンは卵胞の発育、黄体機能の維持にとっても必要と言われています。そのため何らかの原因により甲状腺ホルモンが低下すれば妊活・不妊治療にブレーキをかけてしまうことになります。
今回の報告では潜在性甲状腺機能低下症(TSH 2.5〜4.0μIU/mL)でTPO抗体陽性の方は治療すべきであることを示しています。
甲状腺機能異常と妊活・不妊治療については、賛否がある部分もありますが、少しずつ研究報告も増えており、その方向性は見えてきています。
中医学的にみた甲状腺機能低下症
甲状腺機能が低下すると、甲状腺ホルモンが減り新陳代謝が低下し、冷え、疲れやすい、だるい、無気力、いつも眠い、むくみ、手指のこわばり、汗が減る、肌が乾燥する、髪が抜けやすい、体重が増える、お腹の張りや便秘、コレステロールが上昇するなどの症状がみられます。
西洋医学的な治療は、減少した甲状腺ホルモンを補いますが、中止すれば元に戻るので服用を続けることが必要となります。
中医学的には甲状腺機能を回復させ根本的な改善を目指します。
甲状腺の機能低下の症状は「気虚」ですが、その原因には「腎虚」があります。
「腎」は生命エネルギーを蓄えておく場所で、「腎」の陽気が不足している体質が「腎陽虚」で甲状腺機能低下症そのものの証はこの腎陽虚です。
年齢の影響や過労、ストレス、飲食の不摂生、感染症、薬や手術の影響などで機能が衰えることで起こります。
治療としては「腎陽」を補う処方で対応します。
治療法は「温腎助陽、益気袪寒」で、党参、黄耆、仙茅、仙霊脾、兎絲子、熟地黄、桂枝、肉桂、附子、巴戟天などが用いられます。
このほか、病期によっても見られる証が変わってくるので、それに合わせた調整もします。
初期は「肝鬱及脾」、中期になると「脾気虚弱、気血不足」、後期では「脾腎虚衰、水湿内停」などです。
これらの方法で中医学的には治療をしていきます。
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