慢性子宮内膜炎(chronic endometritis:CE)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

子宮内膜は、着床する大切な場所です。その子宮内膜に炎症が起こると子宮内膜炎となりますが、慢性的になると慢性子宮内膜炎となり、これが良好胚を繰り返し移植しても着床しない反復着床不全(Repeated implantation failure:RIF)の原因の一つとして注目されています。

 

子宮内膜は2層になっており機能層と基底層に分けられます。

機能層(月経により剥がれる部分)は体外排出され、新たに作られるため炎症が起こることはほとんどないのですが、慢性子宮内膜炎は基底層(月経時には剥がれない部分)に炎症が起こります。剥がれて体外に排出されることがない部分に炎症が続くことになり、これが着床不全や妊娠初期の早期の流産の原因になるのではないかと考えられています。

子宮内膜機能層基底層(相模原タナココ漢方薬局鍼灸接骨院)

病気が見えるvol.9 p21より

慢性子宮内膜炎では、時に軽度の出血や骨盤痛が見られますが、無症状のことも多いため一般婦人科ではわからないことがほとんどです。

割合としては女性の約10%に認められ、原因としては細菌の感染などが疑われています。

 

診断は子宮内膜間質へのCD138という抗原をもつ形質細胞(endometrial stromal plasmacyte:ESPC)を免疫組織染色を行い、その浸潤を確認します。

 

形質細胞とは骨髄で作られる白血球の一種であるB細胞から作られる細胞です。この細胞は細菌やウイルスを体を守る抗体を作る働きを持っています。

慢性子宮内膜炎の原因は、細菌感染が関与していると考えられているため、子宮内膜の基底層に形質細胞が一定以上見つかれば細菌感染による炎症が考えられるのため、この細胞の存在を診断の目安にします。

このほか、子宮鏡検査で子宮内膜の所見合わせて判断します。

診断に有用とされている変化にはいくつかあります。

子宮内膜炎(子宮鏡)相模原タナココ漢方薬局鍼灸接骨院

A 苺状発赤(中心部が白い斑点をもつ充血性子宮内膜)
B 局所的のうっ血(局所的な充血性内膜)
C 点状出血(毛細血管を伴うと思われる鋭く不規則な境界)
DE マイクロポリープ(限局性またはびまん性のマイクロポリープで大きさが1mm未満で血管を伴わないもの:限局性(D)、子宮内膜全体(E))
F  間質浮腫(卵胞期の厚く淡い外観の間質性浮腫(黄体期の正常所見))

もちろんこれらの所見=慢性子宮内膜炎ではありませんし、子宮鏡検査のみで慢性子宮内膜炎の診断はできませんが、着床不全や不育症で悩まれている場合は実際に子宮内を観察することは重要です。

 

ちょっとぐらい炎症があっても大丈夫なんじゃない? と思うかもしれませんが、細菌感染が持続し炎症が慢性化すると、その感染をなんとかしようとして体内の免疫の状態が一種の免疫異常の状態と変化し、脱落膜化が障害されたりすることで着床しにくい状況を作り出してしまいます。

 

治療では、主に内服での治療が選択されます。原因菌に有効な抗生物質を服用します。一般的にはドキシサイクリンを2週間服用します。改善されなければシプロフロキサシン+メトロにダゾール、アジスロマイシンなどを使用します。

適切な抗生剤を使用することでほぼ(90%以上)改善するとされています

 

細菌を同定するために菌の培養することもありますが、採取の際に他の菌が混入し正確な同定ができないこともあるため、培養をせずに治療をする場合もあります。

 

このほか内膜の血流改善などのためにホルモン剤が使用されることがあります。

 

近年では「子宮内フローラを整える」という考え方が広がっています。子宮内にも細菌が存在し、その菌環境が不妊治療の成否を左右するというものです。

慢性子宮内膜炎の場合は、プロバイオティクス(乳酸菌などの善玉菌)の補充も合わせて行うと良いとされています。プロバイオティクスによるサポートはタナココでも行なっています。

 

近年の研究では、慢性子宮内膜炎は原因不明不妊に高頻度で存在するといわれており、治療により妊娠率の向上が期待できるといわれています。良好胚を移植してもなかなか着床しない場合は一度病院で相談してみてください。

 

また、病院で治療する際は、からだ全体の調子やその他の病気ではない体調不良までサポートすることは難しいので漢方治療などを合わせておこなうと成功率の向上が期待できます。あわせてご相談いただければと思います。

 

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