子どもの過敏性腸症候群(IBS)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。


😥:「下痢が続いて、お腹が痛い」
🤔:「いつ痛くなることが多いの?」
😥:「学校に行くときにお腹が痛くなる」
🤔:「痛くならないときはどんなとき?」
😥:「週末、学校に行かなくてもいいとき」
🤔:「その症状はいつから?」
😥:「2、3ヶ月くらい前から・・・」
🤔:「下痢以外に症状はない?」
😥:「お腹が痛くなって下痢するだけで出血とかはない」
🤔:「お腹の症状が良くなったら学校には行けそう?」
😥:「・・・・・」
🤔:「学校に行く、行かないとは別に、お腹が痛かったり、下痢が良くならないのは嫌だよね。まずはお腹が痛いのと下痢を何とかしようね。」

 

過敏性腸症候群(IBS)は、繰り返す腹部不快感または腹痛が特徴的な、機能的に問題を起こした状態です。

「機能的」というのは腸自体には炎症、腫瘍などには問題はないということで「働き」に問題があるということです。

炎症や腫瘍があれば「器質的」に問題があるといいます。

・排便で軽快する
・排便頻度に変化がある
・便の硬さに変化がある

上記のうち少なくとも2つの症状があります。


IBSは心身症の一つと考えられています。

心身症とは「体の病気」ではあるものの、その発症や経過に「心理・社会的因子」が大きく影響している状態を指します。

そして厄介なことに症状だけに注目した通常治療では回復が困難なことも特徴と言われています。


心身症では一度症状がでると

・身体的な苦痛
・心理的な苦痛
・仕事や経済面での社会的な苦痛
・精神的な苦痛

これらが相互に関連しあって、トータルペイン(全人的苦痛)をもたらします。

解決には

・身体面
・社会、環境面
・心理面
・思考、性格面

からのアプローチが必要と考えられ、時間をかけて取り組む必要があります。

その心身症の一つであるIBSは小児ではどの程度見られるかというと、日本小児心身医学会によれば、成人領域の有病率は10%程度ですが、本邦における小児の有病率は

・小学生:1.4%
・中学1〜2年生:2.5%
・中学3年生〜高校1年生:5.7%
・高校2〜3年生:9.2%

であり、成長とともに成人の比率に近づくといわれています。


原因は不明ですが、

・腸管の運動異常
・消化管ホルモンの影響
・内臓知覚過敏や炎症
・腸内細菌叢の変調
・アレルギー
・免疫異常
・心理社会的要因

など多くの要因が影響していると言われています。

その中でも、
自律神経を介した脳と消化管のシグナルの伝達経路である


「腸脳相関」


の異常が病態に大きく関与していると言われています。

これは、


ストレス
 ↓
下垂体:ストレス関連ホルモンを産生
 ↓
中枢神経
 ↓
腸管神経系
 ↓
消化管の運動異常
 ↓
便通異常、消化管の内臓知覚過敏や知覚閾値の低下
 ↓
便秘・下痢、腹痛
 ↓
腹痛の増強や持続がさらに不安を増大
 ↓
ストレス(負の連鎖となり症状が増悪)

 

さらに・・・

IBS全体の中で10%程度は、感染性胃腸炎後を発症すると言われています。

 

治療は

(1)病態の理解・説明
(2)生活・食事指導
(3)薬物治療
(4)心理社会面への配慮

を合わせて行います

 

(1)では、子ども、家族、教育機関に病態について理解してもらうことが必要となります。全てにおいて理解や協力が必要ですので治療における前提となります。

(2)では、不規則な生活睡眠不足疲労の蓄積症状を悪化させる食品(刺激物、高脂肪食、糖分の多いもの)の摂取は控えるようにします。

(3)では以下の図のような流れで行われることが多いですが、病院の薬を飲んでも、漢方を飲んでも症状を安定してコントロールできるようになるまでには時間がかかります

過敏性腸症候群、漢方、薬、治療

また、複数の要因が関係しているため、服用してもなかなか効果が出ないことがありますがそのような場合でも服薬を継続することが大切です。

一つひとつ、絡み合った原因の糸を解きほどいて行くことにのには、根気と時間が必要となります。

(4)では、子どもや家族への心理療法などを行います。

 

IBSは、「命に関わることはないが、経過が長く完全に治ることが少ない」という特徴があり、治療するにあたってはまずこのことを理解する必要があります。

また、最初から症状の完全な消失にこだわるのではなく、なんとか日常生活を大きなトラブルなく送れるようになり、症状とうまく付き合っていくことを目標にします。

そのためには、一定期間、西洋薬・漢方薬などは服用を続ける必要があります。症状が良くなっても自己判断で中止することのないよう注意が必要です。

 

漢方治療ではネットで検索すると様々な処方が「効果がある」「効果があった」として紹介されています。

しかし、一人ひとり体質、体調、症状は異なります。効果的に使用するには個別の処方調節が必要です。

服用しているのに症状がなかなか改善しなかったり、悪化することもときにはありますが、前述したように安定してコントロールできるようになるまでは時間がかかります。根気よく、原因と考えられる状況を改善と合わせて服用を続けてください。

また、IBSで治療中であっても、夜間の腹痛、微熱、下血、嘔吐、体重減少などが見られた場合は、再度、器質的な問題がないかをチェックが必要ですので、その際は医療機関を受診するようにしましょう。

 

 

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