卵巣嚢腫と妊活

卵巣嚢腫<相模原 漢方 鍼灸 接骨 タナココ>

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

妊活・不妊治療を行う際、卵巣嚢腫と診断を受けている方は、卵巣嚢腫の治療、特に手術を受ける際は注意が必要です。

卵巣嚢腫を手術で切除すると、卵巣予備能の指標とされるAMHやAFCが低下することがあり、妊活・不妊治療に影響を与える可能性があります。

 

卵巣嚢腫の治療で「卵巣は1つあれば妊娠できるから大丈夫」と言われて手術を行ったものの、その後妊活で苦労することがあります。卵巣嚢腫の治療においては、卵巣予備能の温存についても十分に配慮した上で治療を進めることが重要です。

 

卵巣嚢腫の治療で、腹腔鏡下手術を行った場合、卵巣予備能がどの様に変化するかを調査した研究があります。

 

卵巣嚢腫の診断を受けた 113 名の女性において抗ミュラー管ホルモン(AMH)を手術前と手術後 3 か月に測定し、腹腔鏡下切除術が AMH に及ぼす影響について調べました。

 

調べたのは、AMH と手術中の焼灼の回数、嚢腫のサイズとタイプ、位置 (片側性か両側性か)、年齢、および BMI との関係です。

 

その結果、腹腔鏡下切除後では AMH が 約 1.28 低下し、AMH の低下は、焼灼の回数、位置 、嚢腫の種類と有意な関係があることがわかりました。

 

焼灼の回数では、焼灼回数が1回の場合は約 0.42、焼灼回数が 4 回以上では約1.95低下、

病変の位置(片側性か両側性か)では、片側では約 1.21 、両側では約 2.08低下、

嚢胞の種類ではチョコレート嚢腫で約 2.09、漿液性嚢腫で約 1.51、皮様嚢腫/類皮嚢腫で約 0.79 低下し、チョコレート嚢腫が一番番低下がみられました。

 

一方で嚢腫のサイズ、年齢、BMI との間には関係はみられませんでした。

 


卵巣にみられる嚢胞状の病変の総称を「卵巣嚢胞」と言います。

卵巣嚢胞は、機能性(生理的)嚢胞とそれ以外の病的な嚢胞に分かれます。

機能性嚢胞には「卵胞嚢胞」と「黄体嚢胞」があり、病的な嚢胞には「卵巣嚢腫」があります。

 

卵巣嚢腫の種類にはいくつかあり無症候のことが多いのですが、大きくなると下腹部の膨満感や痛み、性交時痛、腰痛、便秘、頻尿などを伴うことがあり、まれに嚢腫がねじれたり、破裂したりすると激痛となり、緊急手術が必要になることがあります。

 


<卵巣嚢腫の種類>

 

漿液(しょうえき)性嚢腫

10~30代に多く、頻度の高い嚢腫です。卵巣から分泌されるサラサラした液体がたまります。

粘液(ねんえき)性嚢腫

閉経後に多く、ネバネバした液体がたまります。放置するとかなり大きくなることがあります。

 

皮様(ひよう)嚢腫 / 類皮嚢腫

20~30代に多く、毛髪や歯、脂肪などを含み、ドロドロした液体がたまります。閉経後稀にがん化することがあります。

 

チョコレート嚢腫

子宮内膜症の一つで、30~40代の女性に多く、40代をすぎるとがん化するリスクがあります。子宮内膜が、卵巣に発生し増殖を繰り返すことでできます。子宮内膜の組織や血液が変色してチョコレート色になっているため「チョコレート嚢腫」と呼ばれています。


 

卵巣嚢腫は、生殖年齢の女性の約 5 ~ 15 % に見られます。卵巣嚢腫の治療は、嚢胞の種類や大きさ、維持療法 or 手術によって異なります。

腹腔鏡下切除術は、卵巣嚢胞の破裂または悪性腫瘍のリスクを低下させる方法で現在の治療の主流となっています。

一方で、卵巣嚢腫切除術は「卵巣予備能」に影響を与えることがわかってきており、卵巣の外科的処置は卵巣組織の損傷につながり、残りの卵胞への障害を悪化させる可能性があり、妊活・不妊治療では、外科的処置による治療はその後の結果に影響を与える可能性があるという指摘がなされています。

 

「卵巣予備能」は、卵巣の機能と卵胞数などのことで、抗ミュラー管ホルモン(AMH)は卵巣予備能を推測する指標の1つで妊活・不妊治療ではよく測定されています。

AMH は発育段階にある早期の卵胞の顆粒膜細胞で作られて分泌される糖タンパク質です。

AMH は、毎月の月経周期による変動が小さいため、卵巣予備能をチェックするのに適した検査です。

 

今回の報告では、卵巣嚢腫の腹腔鏡下切除術が AMH に影響を及ぼすことが示されましたが、このことにはさまざまな機序が関与している可能性があります。

 

これは、嚢腫と卵巣の間に明確な境界がないことが影響している可能性があります。

 

境界が明確ではない場合、卵巣嚢腫を切除する際に健康な卵巣組織まで切除されて卵胞へダメージを必要以上に与えてしまうことが考えられます。

 

また、手術において、焼灼回数も影響を与えている可能性があります。

「焼灼」による熱は血管からの出血を止めますが、一方で周囲の組織に損傷を与えてしまい、熱による細胞や血管の損傷、および術後の炎症反応を引き起こし、卵巣予備能を低下させるリスクを増加させてしまいます。

 

このほか、嚢腫の種類が「漿液性嚢腫」や「皮様嚢腫」および「その他の嚢腫」の場合より「チョコレート嚢腫」の方が AMH がより低下することもわかりました。

これは子宮内膜症の1つであるチョコレート嚢腫は、炎症プロセスや組織内の酸化ストレスメカニズムなどが他の嚢腫と異なるため 他の嚢腫に比べ AMH の低下につながったのではないかと考えられています。


今回の研究では、AMH が切除術後に有意に減少し、この減少は、嚢腫の種類、場所、および切除に使用される焼灼の回数などの要因に関連している可能性があることが示されました。

そのため、妊活中・不妊治療中への影響を考えると、卵巣嚢腫の手術の適応となるケースでは、「卵巣嚢腫=手術」と考えるのではなく、将来の妊娠を希望も考慮しながら治療を進めることが重要と考えます。

妊活中・不妊治療中に卵巣嚢腫の切除を考慮する必要が生じた場合、卵巣嚢腫の主治医だけでなく、不妊治療の専門医とも相談し、妊孕性の低下が顕著と考えられる場合は手術前に卵子凍結も考慮に入れながらすすめ、実際の手術では、焼灼回数を極力減らしたり、焼灼ではなく縫合技術を使用することも考慮しながら行うことが大切です。

 

卵巣嚢腫と診断を受けた方や妊活・不妊治療を行おうと思っている方、今現段階で行なっている方にぜひ知っておいていただきたいと思います。

 

卵巣嚢腫の治療のサポートとして、漢方治療は有用です。特に漢方本来の使用・服用方法である煎じ薬はおすすめです。卵巣嚢腫の大きさやタイプ、その人の体質などで内容を調整して服用することで妊孕性を維持しながら卵巣嚢腫が大きくならないようにサポートすることができます。

 

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