こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
ファストフードなどの食生活を続けることは、あまり健康的ではないとする認識は多くの方が持っていると思います。
ファストフードの問題を調べた研究があります。
研究では「フタル酸エステル」に注目しています。
フタル酸エステルはプラスチックやゴム製品を軟らかくしたり、強度を高めたりするために使用される化学物質です。
外食産業では容器、食器、ストロー、ゴム手袋、食品を包む紙など多くの場所で使われています。
先行研究より、フタル酸エステルのうちの数種類がホルモン系に悪影響を及ぼす可能性が示唆され、女性が影響を受けると乳がんや不妊症を引き起こす恐れがあることが知られています。
ある研究報告では、ファストフードチェーンの食品および備品を入手し、これらの食品などを対象にフタル酸ベンジルブチル(BBP)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)、フタル酸ジ-n-ブチル(DnBP)などのフタル酸エステルや、フタル酸エステルに代わる可塑剤であるテレフタル酸ジオクチル(DEHT)など11種類の化学物質について調べたところ・・・
11種類中10種類の物質が入手した食品から検出されました。
特にフタル酸ベンジルブチル(BBP)は80%以上、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)は70%以上の食品に含まれていました。
これらの物質は、ヒトの生殖への影響以外に、小児の精神発達に対してのリスクになる可能性も指摘されています。
代替可塑剤であるテレフタル酸ジオクチル(DEHT)は、調査した食品の85%以上に含まれていましたが、この物質のヒトへの影響については今のところ明確になっていません。
これらの研究から、フタル酸エステルや代替可塑剤がファストフードの食品に広がっていることがわかります。
フタル酸エステルは、内分泌撹乱作用や、生殖機能、小児の神経発達への影響など、健康に影響があると言われています。
そのためこれらの成分を多く含むファストフードを摂取する機会が増えるとそれだけリスクも高くなることが予想されます。
最近の別の報告では、妊娠中のフタル酸エステルの摂取で早産のリスクが高まるという指摘もされています。
また、妊娠中にフタル酸エステルにさらされると、子どものホルモンバランスが乱れるという指摘もされています。(1,2)
生活を便利にする化学物質だったはずがさまざまなリスク、特に生殖、発育に対してリスクを及ぼす可能性を指摘する報告が増えています。
近年、フタル酸エステルについては、子どもの健康保護のため、子どものおもちゃ等に対するフタル酸エステル類の規制や、食品用器具、容器包装への規制も進んでいます。
妊活を成功させるために、日頃の生活で注意することや、何か対策できることはありますか?と聞かれることがあります。
対策の1つに、上記のような健康に被害を及ぼす可能性のある物質の影響を減らすことがあります。
フタル酸エステル類は、内分泌撹乱物質としての生殖や胎児への毒性が懸念され始めています。フタル酸エステル類を体内への取り込み量を減らすためには、ポリ塩化ビニルやプラスチック製品の使用を控えるとともに、特に妊娠を目指す場合は、影響があると考えられる化学物質への曝露する機会を最小限に抑えることが重要です。
現在子どものおもちゃへのフタル酸エステル類の使用は規制されていますが、住宅の建材や内装材に対する規制は行われていません。
実際にポリ塩化ビニル製の床材やフローリングの「ほこり」にはフタル酸エステルであるDEHPの濃度が高いという報告もあります。
このほか、フタル酸エステル類が付着しているほこりを掃除機や水拭きなどでこまめに取り除いたり、手に付着したフタル酸エステル類の除去には手洗いで洗い流せますので、日頃からのお掃除も大切です。
身近にある危険な物質ですので、気をつけながら妊活を進めていきたいですね。
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