「着床の窓」の問題点

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

今まででも何度か触れている「着床の窓」について、その問題点について少し触れていみたいと思います。

 

子宮内膜は、排卵し受精した後は受精卵と協調しながら、着床に向けて準備を開始し、着床の頃には受精卵の受け入れができるように準備します。

しかし体外受精の場合、子宮内膜は着床に向け協調をする相手である受精卵は体外にあり、ときに着床に適した内膜への変化が早まったり、遅れたりすることがあります。

そのため「ちょうど良い時期」に移植をしなければ、内膜は受精卵を受け入れることができず、着床しません。

だったら、ちょうど良い時期を調べれば良いのでは・・・ということで開発されたのが「ERA」という内膜受容性検査です。

繰り返し着床しないケースが続き、すすめられた方もいるのではないでしょうか。


一方で、この検査には問題が指摘されています。

現在、内膜受容性検査は「ERA」以外に、「Adhesio RT」の2種類があります。日本では「ERA」が用いられることがほとんどだと思いますが、これらの比較はほとんどされていません。

ある研究では、ERAとAdhesio RTの両方を用いて子宮内膜受容性検査をしたところ、同じ結果にならないことがあるという報告をしています。

それぞれ2つの検査では結果が異なり、ERAではP+5に受容性が示唆され、Adhesio RTでは、P+8に受容性が示唆され、その後P+8(Adhesio RT検査で受容性が示唆された時期)にERA検査をしたところ「受容期後(Post-Receptive)=移植する時期を早める必要あり」という結果が得られたと報告しています。

 

これはちょっと衝撃的です。

 

着床の窓は検査としてはまだどの程度正しいのかわからない部分があり、少なくとも現在使用されている内膜受容性検査は検査法により一貫した結果が得られない可能性があるということになります。

病院では「トリオ(EndomeTRIO)検査として、ERA以外にもEMMA(子宮内マイクロバイオーム)、ALICE(感染性慢性子宮内膜炎)のセットをすすめられることがあると思います。

これらの検査は高額ですし、なかなか踏み切れない方も多く、もっと精度が上がれば、行う意味もあると思いますが、現段階では、少なくともERA検査はまだオプショナルな位置付けであると言えそうです。今後の精度の向上が期待されます。

着床に関してはまだまだわからないことも多く、良好胚を移植しても着床しないケースがたびたびあります。原因を調べる検査は増えてきてはいますが、決定的な検査はまだありません。

ERA検査をはじめとする、着床の原因を調べる検査は高額な検査ですので、正しく測定できるようになってほしいと思います。

 

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