こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
「コーヒー摂取で死亡率が低下する」とNEJM誌に、約10年ほど前でしょうか、掲載され話題になりました。
その後コーヒーの健康効果については様々な研究報告がありましたが、それらを総合すると、おそらく何らかの健康効果があり、摂りすぎなければ健康によいということは、ほぼ間違いないと思われます。
一方でコーヒーのがんリスクの低下作用について、乳がんの研究では相反するような結果となることもあり、まだはっきりわかっていないこともあります。
最近、コーヒーの摂取と乳がんの関係についてメンデルランダム化により解析された報告がありました。
メンデルランダム化とは、「対立形質が無作為に遺伝する」という仮定、つまり、中学の理科で習ったエンドウの種子の形(「丸い形」「シワのある形」)の遺伝である「メンデルの独立の法則」を利用した仮定です。遺伝子多型(比較的多く見られる遺伝情報の違い)は環境要因の影響を受けずにランダムに決まることに着目し、これを介入試験における「無作為化」と同義と仮定するものです。
対立形質:対になっている形質で、対になっているもののうちどちらかの形質があらわれます。(全ての形質が対になっているわけではありません。)
コーヒーの摂取と乳がんのリスクについてある研究では、そのリスクを減らすとする報告もあれば、上昇するという報告もあります。
実際のところはどうなのでしょうか。
最近、コーヒーの摂取と乳がんリスクについて大規模なメンデルランダム化(MR)研究が行われました。
コーヒー摂取に関連する33の一塩基多型(SNP)を使用して、コーヒー摂取と乳がんリスクとの関係を評価したものです。
212,119名のホワイトブリティッシュ系のUKバイオバンク参加者のうち、122,977名(エストロゲン受容体陽性が69,501名、エストロゲン受容体陰性が21,468名)と対照としてヨーロッパ系の105,974名で検証しました。
その結果、コーヒーの摂取と乳がんリスクとの関連は認められませんでした。(ただし、弱い関連については存在は除外で気なかったとしています。)
今までのコーヒーに関する傾向から考えると、乳がんのリスクを高めることはおそらくなく、適度(1日2〜3杯)であれば健康的に楽しめるのではないかと思われます。
ただし、カフェイン感受性が高い人は上記の量でも不眠や頭痛が出現することもあるので、一人ひとりにあった適量を判断しながら楽しむのが良さそうです。
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