ベンゾジアゼピン系薬剤

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

ベンゾジアゼピン系薬剤の乱用、依存、身体的依存、離脱反応が大きな問題になっています。

 

特に米国では深刻で、米国食品医薬品局(FDA)からは薬剤について乱用、依存症、身体的依存、離脱反応の深刻なリスクに対処するためには、すべてのベンゾジアゼピン系薬剤について「boxed warning(枠付きの警告)」を更新するように要求がなされています。

 

ベンゾジアゼピン系薬剤は、不安、不眠、発作など多くの症状の治療に広く使用されています。一方でベンゾジアゼピン系薬剤についての重大なリスクや有害性についての十分な情報が提供されていないため、不適切に処方されたり、使用されたりすることがあり問題になっています。

推奨される用量で服用した場合でも、その使用は誤用、乱用、および中毒につながる可能性がありますし、乱用や誤用は、特にベンゾジアゼピン系薬剤とオピオイド系鎮痛剤、アルコール、または違法薬物などの他の薬物と併用された場合に、過剰摂取または死亡につながる可能性もあります。

ベンゾジアゼピン系薬剤は、処方された通りに服用していても、数日から数週間にわたって継続して服用すると、身体的依存が生じることがあります。急に止めたり、投与量を急に減らしたりすると、発作を含む離脱反応が起こり、生命を脅かすことさえあります。

 

また、専門家らは以下のように述べています。

ベンゾジアゼピン系薬剤の安全な使用のためには、処方の際、ベンゾジアゼピン系薬剤のリスクを考慮しながら、臨床的に必要と思われた場合には選択的かつ慎重にベンゾジアゼピン系薬剤を使用することも大切ですが、ベンゾジアゼピン系薬剤での対処以外に、薬理学的および行動学的に代わりとなるものがないか十分に考える必要があり、ベンゾジアゼピンのメリットとリスクについて患者さんに説明し、十分に話し合う必要があります。

ベンゾジアゼピン系薬剤を開始する前には、薬物依存、処方薬の誤用歴、認知機能障害、高齢および転倒のリスク、オピオイドの併用などの危険因子についてチェックし、過剰処方はもちろんですが、過小使用にならないようにも注意が必要です。

すでにベンゾジアゼピン系薬剤が処方されている患者さんについては、ベンゾジアゼピン系薬剤の必要性や効果について定期的に再評価し、有効かつ最小量を目指すとともに、患者さんにはベンゾジアゼピン系薬剤の注意点、危険性についても説明し、減量が必要な場合は、減量する意思と実際に減量できるかどうかを医学的に評価し、症状の再発や離脱症状について気をつけながら徐々に減量できるようにオーダーメイドの計画を提供すべきです。

 

なぜこのようなことが求められているかというと、アメリカでは1993年〜2014年、ベンゾジアゼピン系薬剤(オピオイドの併用を含む)使用が外来受診10万人当たりの9.8から62.5へと増加したという背景があります。かなり増加しています。

 

一方、日本においてもここ数年でようやくベンゾジアゼピン系薬剤の処方について様々な注意喚起がされるようになりました。が、未だ再評価もされず、減量も行なわれず、漫然と処方が継続されているケースも見受けられます。

たくさん飲まなければ大丈夫なのでは?と思う方もいると思いますが、ベンゾジアゼピン系薬剤では、常用量であっても長期投与により依存が形成されてしまうことがあります。

決められた用量を守って服用していても、減量や中止したときに「服用前には見られなかった症状」、多くは自律神経の乱れに関係するような症状、例えば動悸、頭痛、めまいを中心とした症状で、これらは薬の効果が切れたのではなく「離脱症状」の可能性があります。

つまり、身体依存が形成されている「常用量依存」という状態です。

いつも指示通り服用している安定剤を飲み忘れたり、自己判断で減らした時に見られるのであれば可能性があります。

「常用量依存」がみられる状況では、減量には難しい判断が伴うことも多く、服用中の方は自己判断での減量・休薬はしないようにし、必ず主治医に相談するようにしてください。

日本ではまだ、常用量依存への取り組みは極めて不十分ではありますが、少しずつ不必要な処方を減らすような取り組みがされています。

処方された経緯は人それぞれであるため、経緯や意図、現在の治療への影響などを判断する必要があります。

主治医に「減らしたい・やめたい」希望をあれば、それを伝え、減量・中止の可能性や中止する場合の方法、時期などを十分に相談してください。

もし、説明に納得がいかないときは「セカンド・オピニオン」を利用することもお勧めします。

 

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