月経前緊張症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)

こんにちは、相模原 タナココ 漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

月経に関するトラブルに悩んでいる女性は多く、月経前に何らかの心身症状を自覚する女性の割合は9割とも言われています。

心身症状が著しい月経前緊張症候群(PMS)は20〜30%に、より強い精神症状がみられる月経前不快気分障害(PMDD)は 3~8%にみられると言われています。

PMS/PMDD の要因は多岐に渡り、また密接かつ複雑に絡み合っていると考えられているため、現在でも病態の解明には至っていませんが、近年ではセロトニンとの関わりが指摘されています。

 

PMS/PMDD は

イライラ
気分の落ち込み・不安
集中力の低下
眠気
不眠
のぼせ・ほてり
食欲低下・亢進
めまい
倦怠感
腹痛
便秘・下痢
頭痛
腰痛
むくみ
乳房の張り

などが主な症状ですが、特に PMDD では強い抑うつ気分不安感怒りなどが見られるため、人間関係、仕事、日常生活に問題が生じます。

PMDD についてあまり知られていないため、理由がわからないまま悩み、苦しんでいる方も多いです。

気持ちのコントロールができず、人と会っても言いたいわけではないのにひどいことを言ってしまい後悔したり、落ち込んだりすることもあるため、症状が出ているときは人と会うことを意図的に避けたりする方もいます。

 

PMDD は

 ・もともと月経前の身体症状が強い

 ・ストレスが強い環境にある

 ・気分障害に関連する素因がある

と起こりやすいのではと考えられています。

 

PMDDと診断された場合、その中心になるのは薬物治療で

・抗うつ剤

・抗不安薬

・向精神病薬

などが使用されますが、特に SSRI という抗うつ剤(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がよく使用されます。日本の産婦人科学会のガイドラインでも、PMDD には SSRI の使用を推奨しています。

PMDD の場合、症状が強いため漢方よりも西洋薬による薬物治療が優先されることが多いようです。PMDD の治療は西洋医学的なサポートが不可欠ですが、 そうなる前のタイミングであれば漢方治療は非常に有効です。

PMS のような症状がなくても月経周期が乱れがちであれば周期を整えるのは PMS が起こらない様にするために有効ですし、PMS の症状が見られても早い段階でケアすることで悪化するのを防いだり、PMDD のように強い精神症状を起こさない様にすることができます。

 

漢方で効果が見られる様になるには少し時間が必要ですが、心身のバランスを総合的に整えていくことを得意としています。早ければ早い方が効果的ですので、月経に関して何か気になることがあればぜひご相談ください。

 

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タナココ

 

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<参考資料>アメリカ精神医学会による PMDD 診断基準(DSM-5)

以下の症状のうち<基準症状>が1つ以上存在し、<その他の症状>と合わせて5つ以上存在する

 

<基準症状>

(1) 著しい感情の不安定性(例:気分変動;突然悲しくなる、または涙もろくなる、または拒絶に対する敏感さの亢進)

(2) 著しいいらだたしさ、怒り、易怒性、または対人関係の摩擦の増加

(3) 著しい抑うつ気分、絶望感、自己批判的思考

(4) 著しい不安、緊張、および / または “高ぶっている” とか “いらだっている” という感覚

 

<その他の症状>

(1) 通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退

(2) 集中困難の自覚

(3) 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如

(4) 食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望

(5) 過眠または不眠

(6) 圧倒される、または制御不能という感じ

(7) ほかの身体症状、例えば、乳房の圧痛または腫脹、関節痛または筋肉痛、“膨らんでいる” 感覚、体重増加

 

・ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも5つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め月経終了後の週には最小限になるか消失する。

・上記の症状は、先行する1年間のほとんどの月経周期で満たされていなければならない。

・他の精神疾患が憎悪したものではない。

・2回以上の症状周期にわたり、前方視的に行われる毎日の評定により確認される。

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