こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
「産後うつ」
この言葉を聞いて、その対象が女性だけではないと想像できる方はどのくらいいるでしょうか。
産後うつは女性だけではなく、男性にも起こります。
女性の産後うつは精神保健領域で注目を集めた課題でしたので
「産後うつ=母親」
と長い間認識されてきました。
2005年にイギリスの大規模コホートのデータを用いた父親の産後うつに関する研究が報告されて以降、これをきっかけに少しずつ父親の産後うつに関する報告が増え始めました。
その後に行われた研究では、父親の産後うつの割合は
妊娠初期・中期:11%
後期:12%
産後3か月までの期間:7.7%
産後3~6ヶ月:25.6%
産後6~12か月:9%
妊娠期~産後1年までの全期間において10.4%
と報告しています。
父親も産後うつになる可能性はあります。
父親の産後うつの話題を取り上げると「女性の方が大変なのになぜ男性が?」「出産していないのに?」と言われることがありあまり問題視されないのですが、今後はより増えるだろうと予想されています。
また、「言葉として何かおかしい」とも言われますが、海外の報告で母親の出産後にみられる父親のうつを「Paternal depression」としていて、日本語でうまく表現できる単語がなかったため、日本語では「父親の産後うつ」と違和感のある表現になっているのだと思います。
男性は出産による直接的な体への負担があるわけではありません。授乳などによる日常生活への影響なども考えると、産後の負担は当然女性の方が大きくなります。
研究報告では、父親の産後うつのリスクファクターは母親の産後うつ、結婚生活の満足度、夫婦の感性の低さなどによると言われています。
父親の産後うつを取り上げたのは、「男性だって大変なんだ」と声をあげたかったからではありません。
出産時に女性にかかる負担はとても大きく、また産後はホルモンバランスが大きく変化するとにより体調も影響を受けやすく、そのような中、休む間もなく育児が始まり、心身ともに大変な状況にあります。
そのような状況で、何かをきっかけとして母親が産後うつになり、続いて父親まで産後うつになってしまっては、そのしわ寄せは当然子どもに向かいます。
全てが初めての状況で行われる育児は想像以上に大変です。
母親ばかりに負担がかからないよう、産前に子育て環境を整えたり、協力を依頼できそうな家族・知人がいれば協力を依頼したり、様々な公的なサポート制度を利用したりするのと同時に、母親も父親も産後に体調を崩さないよう漢方を早めに服用し体調を管理することも重要です。また産後からでも初期の段階であれば父親、母親ともに漢方で対応が可能です。
「いつもと何かが違う」と感じたらまずは相談することが大切ですので、悩んだり困ったりしたらご相談ください。
漢方相談・妊活相談・鍼灸接骨院 & よもぎ蒸し カフェ
タナココ