最近知られるようになってきたアレルギーです
「α-Gal(アルファ-ガラクトース)アレルギー」というアレルギーがあります
米国で2010年以降報告が増えているアレルギーで「マダニ」に噛まれたことで起こるアレルギーです
「マダニ」による一番怖い被害は「日本紅斑熱」や「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」への感染ですが、近年「マダニ」に噛まれたことで起こる「アレルギー」があることが報告されています
それが「α-Galアレルギー」です
地球上の多くの生物が持っている「糖」の一種に「α‐Gal(アルファ-ガル)」があり、多くの「マダニ」の唾液や消化管に存在しますが、人はこの「α‐Gal」を持っていません
そのため「マダニ」に刺されて、人の体内に存在しない「α‐Gal」が入ってくることによって、人の免疫機能が働き、抗体が作られて「アレルギー」が起こります
「α-Galアレルギー」になると、マダニに咬まれた後にじんましんなどの痒みが全身にみられたり「肉アレルギー」が起こることがあります
これは「肉」に「α‐Gal」が含まれているからですが、「肉アレルギー」の特徴としては
・4つ足(牛、ブタ、ヒツジ肉)の肉を食べると起こる
・鶏肉は大丈夫
・交叉反応でカレイの卵を食べても起こることがある
・食べてから3〜6時間後にアレルギーが出る
・症状は、じんましん、吐き気・嘔吐、下痢など
・哺乳類から作られた製品(ゼラチン、牛乳、乳製品など)でも起こる
などです
アレルギーはマダニに噛まれる回数が多いほど起こしやすく、血液型がB型、AB型の人は起こりにくいという特徴があるようです
マダニに再びかまれなければ、人によっては1~2年後には、また肉を食べられるようになると言われていますが、噛まれる回数が多いと一生涯続く可能性もあるので、注意が必要です
「α-Galアレルギー」は最初は不調の原因が分からない人がほとんどです
肉アレルギーなんて誰も想像しないですからね
それに、「α-Gal」は「肉」や関連製品以外に、ゼラチンだったり、稀ではありますが、シャンプー、コラーゲンインプラント、縫合糸、コラーゲン由来コンタクトなどに反応するケースも報告されているようです
増加傾向にある理由としては、アレルギー疾患全般が増えていて、α-Galへの反応が強くなっていたり、環境衛生の向上から、人間に本来備わっている免疫機能が低下し、アレルギーを発症しやすくなっている可能性が考えられています
このほか、抗がん剤のセツキシマブ(アービタックス)には「α-Gal」が含まれているため、「α-Galアレルギー」があると、薬の使用後にアレルギー反応、アナフィラキシーが起こることが知られています
知られるようになった経緯は複雑なのですが、2008年、米国においてセツキシマブによるアナフィラキシーが特定の地域に多く発生していることが報告されたことが事の発端です
その翌年、2009年には獣肉の摂取3~ 6時間後に発症する遅発性の蕁麻疹やアナフィラキシーの原因が「α-Gal」であることが報告されました
反応はウシ、ブタ、ヒツジ、牛乳、ネコ、イヌに見られますが、鶏、魚には反応しません
これは「α-Gal」が四つ足の哺乳類に豊富で、その「α-Gal」に対してIgEが遅発性の獣肉アレルギーを引き起こしているからです
さらに、「α-Gal」に対するIgE抗体を持つ患者さんは、セツキシマブのアナフィラキシーが多発する地域とほぼ合致し、症状が発症する前に多くの患者さんが「マダニ」に噛まれていることも判明しました
これらのことから、2011年には「α-Gal」に対するアレルギーは「マダニ」に噛まれてたことで発症し、それが「肉アレルギー」の原因になること知られるようになりました
暑さが和らいで快適な屋外でキャンプを楽しんだり、ペットの散歩がしやすくなりますが、屋外での活動の際には虫よけを使い、茂みに入らないようにし、屋外から戻ったら「マダニ」がキャンプ用品やペットに付いていないかを確かめ、早めにシャワーを浴びて体にマダニがついていないか確認するようにしましょう
もし「マダニ」に噛まれていることに気づいたら、自分自身で対処せずに受診して処置をしてもらうようにしましょう
無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ってしまい化膿することがあるので注意です
また、「α-Galアレルギー」の検査は専門医療機関への受診が必要です
以下は「日本皮膚科学会」の Q&A からの引用です
Q3 マダニ類に刺されたらどうすればよいですか?
マダニに刺された部位は、痛みやかゆみなどの自覚症状がないことが多く、虫体が吸血して、かなり大きくなってからようやく気付く例が多いようです(資料3)。しかし、時にはかゆみや違和感を覚えることもあります。また、刺された部位に赤みが出ることもあります。
マダニ類のごく一部は、感染症の原因となる病原体を保有していることがありますが、実際にはその可能性は低いので過剰な心配は不要です。しかし吸着したマダニは早めに除去することが望ましいでしょう。マダニに吸着されてからの時間が短いほど、除去は容易です。吸着後、早期であれば、先の尖ったピンセットなどでマダニの口器の部分を摘んで、ゆっくり引き抜くことによって、うまく除去できる場合が多いです(資料4)。吸着したマダニの腹部を指で摘まむと、マダニの体液成分が皮膚内に流入しやすくなるので、避けるべきです。
吸着して3日以上が経過すると、マダニの口器が皮膚組織と固く接着しているため、除去が困難になります。その場合、無理に引っ張ると、皮膚内に口器がちぎれて残ります。そのため、チクチクした違和感が残る場合や、その後に硬いしこりを生じる場合もあります。
マダニ虫体の除去が困難と判断された場合は、局所麻酔をして、皮膚ごと切除する必要がありますので、皮膚科を受診してください。切除以外の方法としては、イヌやネコなどのペットに吸着したマダニの除去に用いられるマダニ除去器具を利用する方法もありますが、これらは決して医療用器具ではありませんので、使う人の自己責任で用いる必要があります。
なお、自分でマダニを除去した場合、その虫体を捨てずに保管しておくと、その後に何らかの病気が発症した場合の重要な試料になります。医療機関を受診する際に持参するとよいでしょう。資料3:吸血中のタカサゴキララマダニ若虫
資料4:ピンセットを用いたマダニの除去法
「日本皮膚科学会」より引用
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