黄帝内経素問・上古天真論篇第一(1)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

《黄帝内経 素問》は中国の漢代頃に編纂されたものとされています。黄帝内経に登場する「黄帝」は伝説上の帝王ですが、その黄帝と岐伯、伯高以下6名の医師との問答形式で書かれている内容です。

中医学発展の基礎だけでなく、「養生」の基礎でもあり、現代においてもとても参考になる内容について記載があります。

ちょっととっつきにくいところもありますが、その内容を見てみたいと思います。

本質的な内容以外のところは割愛し、意訳を加えたりしています。

 


Q:昔の人は歳をとって100歳を超えても衰えることがなかったと聞くが、今時の人は50歳にもなると、みな衰えてくる。時代による自然の影響で寿命に差が出たためなのか、それとも不摂生が原因で短命なのか。

 

A:昔の人で養生を考えて生きてきた人は、自然との調和を大切にし、飲食には節度を持ち、起床や睡眠にも決まりをつけ、心身の過労にも注意していたため、心身ともにバランスが取れていました。そのため、100年という寿命を全うすることができました。

ところが今時の人たちは、酒を水のごとく飲み、心身を疲れさせ、情欲のままに精を消耗し、生命の泉である「真気」を大切にせず、気持ちの赴くままに行動して欲望を満足させ、生きる楽しみをみいだすことをしないで、無節制であるため、50歳にもなると衰えてしまうのです。

「聖人」と呼ばれる人が言うには、邪風(生命力を奪い、体の円滑な動きを損なう病気の源)は避けられないわけではなく、その時期を知って避けるようにすれば良いのです。

心静かに、大きな欲望を持たずにいれば、生命の泉である「真気」は体を巡り、内側からしっかりと心身を守りることができます。このような状態であれば、そう簡単に病気にはなりません。

当時の人々は心穏やかで、欲に任せることはせず、心は安らかで、恐れることもなく、無理をして働き、過労でヘトヘトになるようなこともありませんでした。そのため、「気」は順調に体を巡ります。

そのため、欲に任せることない少欲な人は、心がいつも満たされているのです

食べ物がおいしいと感じ、着ているものは今着ているもので不足と思わず、置かれた境遇で楽しく暮らし、身分の上下でうらやむことこともなく、その結果、社会は円満となり、そうであれば人々の心は素朴であることができます。

このような社会であれば、人々は誘惑に負けることなく、邪気も人の心を惑わすことはできません。そして愚かな者も智のある者も賢い者も未熟な者も、何事にも恐れることがないため、自然と養生の法則にかなったものになります。

これが、多くの人が100歳を超えても衰えることがなかった理由です。人としてのあるべき心得を全うすることができれば、病気になって危機を迎えるようなこともなかったのです。


<原文>

上古天真论篇第一

昔在黄帝,生而神灵,弱而能言,幼而徇齐,长而敦敏,成而登天。

乃问于天师曰:余闻上古之人,春秋皆度百岁,而动作不衰;今时之人,年半百而动作皆衰者,时世异耶?人将失之耶?

岐伯对曰:上古之人,其知道者,法于阴阳,和于术数,食饮有节,起居有常,不妄作劳,故能形与神俱,而尽终其天年,度百岁乃去。

今时之人不然也,以酒为浆,以妄为常,醉以入房,以欲竭其精,以耗散其真,不知持满,不时御神,务快其心,逆于生乐,起居无节,故半百而衰也。

夫上古圣人之教下也,皆谓之虚邪贼风,避之有时,恬惔虚无,真气从之,精神内守,病安从来。

是以志闲而少欲,心安而不惧,形劳而不倦,气从以顺,各从其欲,皆得所愿。

故美其食,任其服,乐其俗,高下不相慕,其民故曰朴。

是以嗜欲不能劳其目,淫邪不能惑其心,愚智贤不肖,不惧于物,故合于道。

所以能年皆度百岁而动作不衰者,以其德全不危也。


 

心身を良好な状態に保つためには、自然法則にしたがって、節度を保つ生活が大切で、心を穏やかに保ち、肉体的には疲れ果てることのように、少欲で過ごすのがよいと、大昔を人々を例えにして述べている内容でした。

 

ひとまずここまで。

 

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