こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
先日の会見で、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を2月下旬までに開始すると首相が表明しました。
首相自身も率先してワクチンを接種する考えを示していますが、相談に来られている方の中には判断を迷われている方もいらっしゃいます。
新しいものの判断って難しいですよね。
今日はモデルナのmRNAワクチンとその効果についてです。
私たちが今まで使用してきたワクチンは生ワクチンと不活化ワクチン、トキソイドです。
生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られます。
不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせた（不活化、殺菌）ものを原材料として作られます。
トキソイドは、病原体となる細菌が作る毒素だけを取り出し、毒性をなくして作られます。
今接種が始まっているのは、新しい仕組みの「mRNA」ワクチンと呼ばれるものです。
mRNA（メッセンジャーRNA）とは、体内のタンパク質生成に必要な設計図のようなものです。人の細胞内でDNAの遺伝情報をmRNAに写し取り、その情報を元にリボソームがタンパク質を合成します。
「CAS」より引用
今回はこの働きを利用して新型コロナウイルスに対しての免疫を獲得しようとするものです。
新型コロナウイルスの表面には「スパイクタンパク」がありますが、これが受容体に結合するために使用する主要な表面タンパク質です。
「Severe acute respiratory syndrome」より引用
スパイクタンパクがヒトの細胞受容体に結合した後、ウイルス膜はヒト細胞膜と融合して感染します。
そのため、このスパイクタンパクに対しての抗体が生成できれば感染を防ぐことができます。
さて、免疫を獲得するためにはその情報を免疫細胞に伝えなくてはいけません。今までは、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドで免疫獲得に必要な情報を伝えていました。
今回はmRNAを用いて、スパイクタンパクの情報を免疫細胞に伝えるわけですが、しかしそのためにウイルス全体の情報を使用したくはありません。
そこで、mRNAをスパイクタンパクのみが形成されるものにしたものが今回のmRNAワクチンです。
mRNAワクチンを接種すると、そのmRNAを元にタンパク質＝新型コロナのスパイクタンパク「のみ」が作られます。
そして、そのスパイクタンパクを免疫系が認識し、抗体が作られます。
この課程は、記憶され、実際に感染した時に新型コロナウイルスのスパイクタンパクに対する抗体が作られ感染を防ぎます。
今回のmRNAワクチンは２回の接種が必要です。
効果については30,420名を２つのグループに分けて一方には、ワクチンを、もう一方にはプラセボを接種して検証しました。
その結果、ワクチンを接種したグループでは感染が11名だったのに対して、プラセボは185名でした。抑制率は94.1％でした
ワクチンの有害事象については、ワクチン投与群に多く、局所的には痛みが多く、全身症状としては、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などが見られました。
これらの報告からは、現時点では、打たない理由はあまり見つかりませんが、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの問題点は、有効期間が未知数であるということです。
新型コロナウイルス感染症から２〜３月で抗体が減少したとする報告などもありますし、今後の調査結果を待たなければありません。
仮に２〜３ヶ月で効果が低下するのであれば、年に何度も接種しなければならなくなり、もう少し現実的な対策も必要になってきます。
また、今回の臨床試験では、「症状」が見られる感染の予防効果をみているため、無症状ではあるけれど、感染していたというケースでの予防効果までは調べられていません。
今回の感染では、無症状の感染者からの感染が問題になることもあるため、この辺りも今後検証が必要に思われます。
来月の下旬には早い方は接種しているかもしれません。
しかし、感染制御については、「ワクチンを打っておしまい」とはおそらくならず、変異株についても、今後ワクチンが効果がない「免疫回避機構」をもつ変異が起こる可能性もあるため引き続き、今までと同じように注意が必要です。
日々、気をつけて過ごしていきましょう。地道な対策を継続することが重要です。
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