こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
新型コロナウイルスワクチンについては、いくつかありますが、以前ご紹介した、mRNAワクチンのほか、「ベクターワクチン」があります。
ベクターワクチンは、病原性のないウイルスに抗原となるタンパク質の遺伝子を組み込み、ヒトに感染させて免疫誘導を引き起こすワクチンです。
オックスフォード大とアストラゼネカによるワクチンは「ベクターワクチン」ですが、このワクチンの臨床試験の結果についての報告があります。
このワクチンはChAdOx1 nCoV-19ワクチン(AZD1222)と呼ばれるもので、アデノウイルスを使ったベクターワクチンです。
アデノウイルス「PDB」より引用
今回発表された臨床試験は、英国、ブラジル、南アフリカで行われた4種類の結果を解析したものです。2020年4/23〜11/4日、23,848名の参加者中の11,636名(英国7,548人、ブラジルでは4,088人)の分析によるものです。
2回接種で行われています。
このワクチンはアデノウイルスベクターで効率良く取り込まれるという特徴がありますが、問題が1つあります。
2回目の接種をする際にアデノウイルスに対する免疫ができる可能性があることです。
1回目の接種の際はよいのですが、2回目の接種時には、アデノウイルスが細胞に入る前に1 回目の接種でできた抗体により中和されてしまう可能性が高まります。
本来、ワクチンを何度か定期的に打たないといけないような感染症の場合には適さない方法です。
しかし、今回の試験では、2回接種での結果が示されており、2種類の接種でも2パターンの結果が示され、少し不思議な結果となっています。
標準用量を2回接種した参加者のワクチン有効率は62.1%でしたが、低用量接種後に標準用量を接種した参加者のワクチン有効率は90.0%でした。全体的なワクチンの有効性は70.4%です。
低用量接種後に標準用量を接種した場合の有効率が高い理由はよくわかっていません。
試験の規模が小さすぎるのか、低容量 → 標準容量の方が効果的にT細胞を活性化するのか、いくつか原因としては考えられていますが謎です。
ベクターワクチンはmRNAワクチンの約95%とされる有効率に比べると低い印象がありますが、mRNAのような超低温での温度管理は必要ないため流通や取り扱いの面で他のワクチンと大きく変わらず使用できるのは大きなメリットです。
実際ワクチンの投与が始まってみないとその効果はわかりませんし、そもそもワクチンの種類を選べるのかどうかもわかりません。
利便性と有効性のバランスが取れた接種スケジュールが組まれることを期待したいと思います。
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