授乳でアレルギー!?
母乳で育児をする際に、赤ちゃんの食物アレルギーの原因は、お母さんの食事内容に関係するのではないかと心配される方がいらっしゃいます。
確かに摂取した食物の成分が母乳中にわずかな量が出でくることがあります。
これを心配してあえて自分自身で「除去食」をされるケースがありますが、現在は勧められていない方法です。
お母さんの栄養状態が大切
日本小児アレルギー学会の食物アレルギー診療ガイドラインでは、「食物アレルギー発症予防のために、妊娠中や授乳中に母親が食物除去を行うことは推奨されない。」とし、予防のための食物除去はすることは効果が否定されているばかりでなく、お母さんの栄養状態に対して有害としています。
アレルギーは確かに心配ですが、神経質になりすぎず、バランスのとれた食事をしてしっかり赤ちゃんに栄養が届けられるようにすることが大切です。アレルギーと診断されて、必要があれば担当医の指導の元できちんとした治療を受けることで、症状改善へと導くことができます。
また、アレルギー予防に母乳が予防効果があると長い間言われてきましたが、今年の3月に改定された「授乳・離乳の支援ガイド(PDF)」では「予防効果がない」としています。
実に12年振りの改定でしたが衝撃的な内容でした。旧版では、生後6カ月までの栄養法を「完全母乳」とした小児は「湿疹やぜんそくなどのアレルギー疾患の発症予防効果が6歳になるまで継続的に認められた」とする研究について記載がありましたが、どうやら違っていたようです。
母乳のメリット
ただし、これは粉ミルクが母乳にとって代われるかというそうではなく、母乳には、
①乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担
②感染症の発症及び重症度の低下
③小児期の肥満やのちの2型糖尿病の発症リスクの低下
などの報告があり、また、母乳を与えることによって、
①産後の母体の回復の促進
②母子関係の良好な形成
などの利点があることから、基本的には推奨されています。
もちろん母乳で授乳できないタイミングもありますので、その場合は育児用ミルク、混合栄養などでも問題ありません。
食物アレルギーを心配して、食べ物を制限したり、母乳を制限したりすることなく、お母さんも赤ちゃんもしっかり栄養を摂ることが大切ですので、過度な心配をせずにバランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。
授乳中のトラブルには漢方を
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