「後発白内障」という「白内障」手術後に見られる合併症があります。
白内障の手術では、濁った「水晶体」を取り除き、水晶体を包んでいた袋の中に眼内レンズを挿入します。白内障以外の眼の病気が無ければ見え方は改善します。
しかし、手術後5年以内に約20%程度に、眼内レンズを入れた袋の後ろ側が濁ってくることがあり、これを「後発白内障」と言います。「後発白内障」では白内障同様、「目の霞み」や「視力低下」などの症状が見られますが、濁った水晶体は取り除いていますので、白内障が再発することはありません。
「後発白内障」は水晶体を包んでいた袋の中に残っていた細胞が袋の後側に広がることで「濁り」が生じて「後発白内障」となります。
「後発白内障」はレーザーを照射し、濁った後嚢部分を取り除きますが、治療時間は片眼で5分程度で終了します。
西洋医学的には「後発白内障」を治療できる薬はないため基本的には治療は手術となります。レーザーで治療できないケースは濁った部分を取り除く手術をします。
「後発白内障」になりやすい人がどういう人なのかははっきりしたことはわかっていませんが、これまでの報告から、
・若年者
・糖尿病
・強度の近視
・ステロイド使用
・遺伝的要因
などで起こりやすいと言われています。
西洋医学的な予防の取り組みとして、眼内レンズの改良により「後発白内障」を抑制する取り組みが行われていますが、中医学的なアプローチが予防に役立ちます。
できてしまった「濁り」は手術で取り除く以外方法はありませんが、予防のためにできることもあります。
漢方の処方は一人ひとりの抱えている背景により変わるため、特定の処方はありませんが、体にできてしまった「病理産物」を取り除くためには「活血」の効果をもつ処方や生薬を中心に調整することが多いので処方の「軸」の1つになります。
せっかく手術をしてよく見えるようになったのに、また見にくくなってきた…
「白内障」の手術後1年で約10%、3年で約20%、5年で約30%と言われる「後発白内障」は決して稀なものではありません。
中医学、漢方では、目の病気の治療や目のケアに関する処方も多いので、役立てて欲しいと思います。
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