「外遊びの魔法」──小さな冒険が子どもの心を守る

タナココ

「今日もお外でいっぱい遊んだね」——

そんな日々のひとときが、実は子どもの“心の強さ”を育てているとしたら?

忙しい毎日の中でも、ほんの少しの自然とのふれあいが、小さな心を穏やかに整えてくれるかもしれません。

科学が教えてくれた、“外遊び”と“安心感”の深い関係とは?

小さいうちから外で遊ぶことと心の健康の関係について調べた研究があります。

最近、外遊びが減っています。スマホやタブレット、室内遊びが増えたり、そもそも安全に遊べる場所が少なかったり…。

仕方がない面もあるかもかも知れませんが、もし、小さい頃から外で体を動かすことが子どもの不安感(心配しすぎる気持ち)を減らすことにつながるとしたら——

🔍 研究の目的は?

この研究の目的は、0〜3歳の子どもたちが、どれくらいの頻度・時間で外遊びをしていたかが、後の不安症状にどう影響するのか?を明らかにすることです。

👶 どんな人が対象? どうやって調べたの?

・中国・深圳市の 69,571 人の未就学児(3〜6歳)を対象に、親にアンケートを実施しました

・外遊びの記録は、0〜1歳、1〜3歳のそれぞれで、週の外出回数と1回の時間について聞き取りを行いました

・不安症状は、「中国語版Spence Preschool Anxiety Scale(SPAS)」で測定(得点が48点以上で「不安傾向あり」と判定)

・分析は、親の学歴や家計状況なども考慮した上でロジスティック回帰モデルで行われました

🧸 調査された「外遊び」の詳細

親に次のような点を聞いています

頻度(週あたり)
 <1回/週
 1〜2回/週
 3〜6回/週
 ≧7回/週(基準)

時間(1回あたり)
 <30分
 30〜59分
 60〜89分
 90〜119分
 ≧120分(基準)

📊 結果はというと…

✅ 0〜1歳児の結果

【週に何回外出したか】週≧7回の子に比べて

・週<1回 → 不安傾向が「2.55倍」高かった

・1〜2回 → 不安傾向が「1.94倍」高かった

・3〜6回 → 不安傾向が「1.19倍」高かった

【1回あたりの外出時間】120分以上遊ぶ子に比べて

・< 30分 → 不安傾向が「1.62倍」高かった

・30〜59分 → 不安傾向が「 1.33倍」高かった

・60〜89分 → 不安傾向が「1.46倍」高かった

・90〜119分 → 有意差なし

✅1〜3歳児の結果

【週に何回外出したか】週≧7回の子に比べて

・週<1回 → 不安傾向が「3.10倍」高かった

・1〜2回 → 不安傾向が「1.83倍」高かった

・3〜6回 → 不安傾向が「1.42倍」高かった

【1回あたりの外出時間】120分以上遊ぶ子に比べて

・< 30分 → 不安傾向が「2.07倍」高かった

・30〜59分 → 不安傾向が「1.56倍」高かった

・60〜89分 → 不安傾向が「1.50倍」高かった

・90〜119分 → 不安傾向が「1.22倍」高かった

🧠 なぜ外遊びが大切なの?

・脳の発達の臨界期(特に情動調整の脳領域)は0〜3歳にある

・外遊びの五感刺激、運動、光が脳の可塑性を活かしやすい

・社会的交流の機会が増えることで、不安を感じにくくなる

・太陽光(紫外線)が脳内のセロトニンやドーパミンに好影響を与える可能性がある

・遊びによる気分転換、注意の分散が不安軽減につながる

   …と考えられているようです

✅ この研究から言えること

・週に7回以上、1回120分以上の外遊びが、将来の不安症状リスク低減と関連

・0〜3歳の時期に「頻繁に、長めに外遊びする」ことが、心の安定を育む可能性がある

⚠️  この研究報告の注意点

・横断研究なので因果関係は断定できない(=「外に出れば必ず不安が減る」とは言いきれない)

・親の記憶に頼ったデータなので、多少の誤差の可能性あり

・保育園での外遊び時間は含まれていない(在園状況も加味されていない)

・文化、地域差もあり、中国以外の国では結果が異なる可能性あり

🧸 まとめ

この研究は、「0〜3歳のうちにたくさん外で遊ぶ子は、あとで不安を感じにくくなる可能性がある」ことを示しています。
頻度で言えば毎日、時間で言えば2時間以上が理想ですが、無理のない範囲で「外遊びの時間を少し増やす」ことが、子どもの心の育ちにとって意味あるサポートになりそうです😊

🏠 親としてどうすればいい?

・無理に長時間遊ばせなくても大丈夫。こまめに、気軽に外に出ることから始めましょう

・雨の日や寒い日は、玄関前やベランダでちょっと外気を感じるだけでもOK

・公園でのんびりおやつを食べるだけでも、子どもにとっては立派な“外遊び”です

毎日外に出るのは難しい日もあるし、長く遊ぶ時間が取れないことだってありますが、大切なのは、「完璧にやること」ではなく、「子どもと向き合おうとする気持ち」そのものです。

この研究は、“外遊びには力がある”ことを教えてくれましたが、それは「できないとダメ」という意味ではありません。

たとえ5分でも、窓を開けて一緒に空を見上げるだけでも、それは立派な「心に届く時間」です。

無理せず、あなたのペースで。

子どもは、あなたと一緒に過ごすその時間を、きっと、ちゃんと感じています 🌸

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