なぜ妊活には「+α」が必要なのか
はじめに日本における妊活・不妊治療のデータを紹介いたします。
以下のグラフは生殖補助医療の成績を日本産科婦人科学会がまとめ・解析した結果の一部です。
生殖補助医療のデータについては多くのデータがありますが、これが現在の日本の生殖補助医療の現状です。
他のデータや、過去のデータは こちら から見ることができます。
このグラフで重要なのは妊娠率ではなく「生産率」です。「生産率」とは、赤ちゃんが生きて産まれる割合 ですので、妊活・不妊治療ではこの数字が一番重要です。
グラフを見て見ると、「生産率」(緑の線)は 32 歳ぐらいまではほぼ一定で約 20 % を維持しています。
そして、32 歳から 1 歳ごとに 約 1 % の割合で下降します。37 歳になるとその下降率は増えて 1 歳ごとに約 2 % の割合で低下していきます。40 歳を超えると生産率は 10 %を下回り、生殖補助医療を利用しても生児を得ることは数字上では難しくなります。
また、流産率は 32 歳ごろから少しずつ上昇し、35 歳を超えるとその割合が上昇し、40 歳以上ではさらに大きくなります。生産率の低下も合わせて考えるとより困難が増します。
世界と比較してみますと、世界各国の生殖補助医療の実施状況をモニタリングしている「ICMART」(International Committee Monitoring Assisted Reproductive Technologies:国際生殖補助医療監視委員会)という組織があるのですが、その組織から 報告 によると、日本の生殖補助医療の実施件数は最多ですが、生産率は低いものとなっています。
多くの研究者や医療従事者が、生殖補助医療の成果を高めるために日々頑張っているにもかかわらず、ここ数年大きな数値の向上はみられていません。
【日本は国際的に見ると、不妊治療が世界でいちばん行われているにもかかわらず「いちばん出産できない国」】という 記事 が書かれたこともあります。
なぜこのような状況になっているのか、はっきりとした理由はわかっていませんが、その要因としては日本は 晩婚化・晩産化の進行 と日本人特有の「自然志向」の影響があり、これらが妊活・不妊治療の開始時期を遅らせているのではないかという推測がなされています。
なかなか妊娠しなくても「自然妊娠」を待ち、受診開始時期が遅れ、その結果不妊治療の結果が出にくくなるというものです。
決して日本の生殖補助医療の技術が低いわけではありません(むしろ高いとされています)が、現在の西洋医学の技術のみでは年齢の壁を突破することがやはり難しいというのがあります。
「+α」の妊活サポートに必要なもの
上記の様な社会背景をもつ日本では、西洋医学的な不妊治療のみでなかなか成果が出ない場合、妊娠・出産に少しでも近づくために「漢方」や「鍼灸・接骨」などの「補完代替医療」などを併用するケースが増えています。
不妊治療専門のクリニックなどでも積極的に漢方を併用したり、漢方薬の知識を持つ薬剤師が診療をサポートしたり、さらにはクリニックに鍼灸院を併設し不妊治療を鍼灸師がサポートするケースもあります。
補完代替医療は、日本の場合は、漢方、鍼・灸を中心とした東洋医学であること多いのですが、米国では「CAM(Complementary and Alternative Medicine:コンプリメンタリー・オルタナティブ・メディシン)」と呼ばれ、様々な分野で積極的な研究が進んでいて、専門機関を設置して西洋医学的な方法での有効性・有用性の検証がなされています。
日本では海外に比べ、少しニュアンスや受け取り方が異なる印象はありますが、補完代替医療は日本補完代替医療学会の定義によると「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」としています。
日本は以前より「漢方薬」を使用してきた経緯があり、保険治療としても漢方薬が認められている数少ない国の一つです。また、鍼灸師や柔道整復師による施術の一部に保険が使える場合もあり、多くの方が日常的に利用していることから、日本は他の国よりも経験値が高いため、様々な領域で期待されています。
これら補完代替医療は、一定の効果が期待できると考えられ不妊治療に取り入れられることも増えており、実際にそのような報告も散見されます。
漢方や鍼灸・接骨などの補完代替医療は、安全性が高く、侵襲性も少なく、「諦める」という選択肢を取らざるを得なかった方へ朗報をもたらす可能性のある選択肢です。
最近では漢方薬や鍼灸など日本や中国の伝統医療が、世界保健機関(WHO)に医療として認定されることにもなり、補完代替医療として行われて来た伝統医学がより重要さを増しています。
また、補完代替医療を行う上で重要なのは、これらを現代西洋医学と上手に組み合わせて行うということです。
このように組み合わせて行う医療を「統合医療」といいます。
現在、厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業が行われており、統合医療により QOLs(生活の質)向上させる取り組みの一環として 情報発信サイト が作られています。
これによると、2012(平成24)年度におこなわれた厚生労働省の『「統合医療」のあり方に関する検討会』においては、「統合医療」を、
「近代西洋医学を前提として、これに相補(補完)・代替療法や伝統医学等を組み合わせて更にQOL( Quality of Life:生活の質)を向上させる医療であり、医師主導で行うものであって、場合により多職種が協働して行うもの」
と位置付けるとしています。
このように、補完代替医療の重要性は増す一方で、近代西洋医学を無視した補完代替医療が横行しているのも事実です。補完代替医療が近代西洋医学を否定した超自然主義にのっとったものであったり、科学的根拠のない商品や治療法の押し付け、独自の理論に基づく治療法を行うような場合がありトラブルになることもあります。
日本は現代西洋医学を実践している国であり、治療においては現代西洋医学に補完代替医療が取って代わることはありませんし、そうすべきではありません。
補完代替医療は「ミラクル」ではありませんので、そのような内容を標榜するような施設や治療法は当然避けるべきです。補完代替医療は、近代西洋医学で手詰まりになった場合の選択肢の一つとして非常に重要ですが、近代西洋医学的にみて少なくとも「確からしさ」が伴わなければいけません。
確からしさを伴う補完代替医療は、近代西洋医学を組み合わせることで、両者の長所を高め合い、また反対に短所を補う治療となり、より良い治療方法となるのです。
現代における漢方、鍼灸・接骨、ハーブ・アロマ、リラクゼーションなどの補完代替医療は、現代西洋医学の視点も加わることで質も向上し、過去のものに比べより良いものになっています。これらを合わせて行うことで、妊活・不妊治療の成績の向上へお手伝いができると考えています。
ぜひ +α として、補完代替医療を取り入れた「統合医療」を試してみてください。
タナココでは、薬剤師、看護師、柔道整復師、鍼灸師、アロマセラピストなどスタッフが、近代西洋医学での妊活・不妊治療をサポートする補完代替医療を提供し、よりよい「統合医療」となるようにお手伝いします。
何が原因で妊娠・出産までたどり着けないのか、その原因を探りつつ、体の調子を整えて、少しでも気持ちが前向きになり、妊活に取り組んでもらえるように、様々な +α のサポートをがあります。
◎ 西洋医学+中医学を組み合わせた漢方相談・はり灸施術
◎ 子宮・卵巣が本来の働きができるようにする骨盤調整
◎ 痛みを緩和させて自律神経を整える施術
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など
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