サル痘の妊娠、妊婦への影響について

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

欧米を中心に報告が相次ぐ「サル痘」ですがWHO(世界保健機関)は、感染の拡大の継続を受けて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。

 

サル痘については以前にも何度かお知らせしています。

 

 

日本ではサル痘の報告はありませんが、近隣の韓国やシンガポールで報告もあることから、日本で報告されるのも時間の問題かもしれません。そして今後感染が拡大した際に心配なのは「妊娠、妊婦への影響」です。

(*2022年7月25日 ヨーロッパから帰国した都内に住む30代の男性で国内初の感染報告がありました。渡航先でサル痘の感染者との接触があったようです。7月28日には2例目の報告がありました。)

妊娠中は免疫の働きが低下するため感染しやすくなりますし、重症化のリスクがあると考えられていますが、確かなことを示すデータはほとんどありません。

妊娠中に感染することで胎児への影響がどのようにあらわれるのかもはっきりしたことはわかっていませんが、感染することで、胎盤を通じて胎児が感染してしまう可能性も指摘されています。

上記の報告によれば、2007年〜2011年の間にサル痘に感染したコンゴ民主共和国の4人の妊婦のうち、2人は自然流産で、1人は妊娠18週で流産したとあり、胎児には全身性の皮膚発疹がみられ、サル痘ウイルスのDNAが胎児の組織、臍帯、胎盤で検出されており、サル痘ウイルスによる垂直感染が考えられると報告しています。

治療薬のテコビリマットや予防薬の免疫グロブリンは使用できる可能性がありますが、日本ではまだ未承認です。テコビリマットについては、今回の感染拡大をうけて臨床研究が始まっています。

また、天然痘ワクチンは、サル痘に85%の交差防御免疫効果がありますが、生ワクチンのため妊娠中には使用できません。CDCは妊娠中にサル痘ウイルスへの高リスク曝露が発生した場合、天然痘生ワクチン ACAM2000 の緊急使用を許可するとしていますが、天然痘ワクチンは胎児ワクシニア症を引き起こす可能性があります。

胎児ワクシニア症は妊娠中にワクチンに曝露された場合のまれではありますが重大な合併症のことで、妊娠中の天然痘ワクチン暴露で胎児や新生児の死亡や早産を引き起こすことが報告されています。

 

WHOが緊急事態宣言(PHEIC)を出したのは近年では新型インフルエンザ 、エボラ出血熱、ポリオ、ジカ熱、新型コロナウイルスに続いて6つ目です。

新型コロナのように、飛沫感染で次々に感染していくような感染症ではありませんが、現在感染が制御できず拡大しています。

これまでの報告では、感染者のほとんどが男性です。そしてそのほとんどが男性間で性交渉(MSM:Men who have sex with men)したことが感染の原因であると考えられています。現在は特定の集団における感染が中心ですが、過去には特定の集団から全体に感染が拡大したケースもあるため注意が必要です。

過剰な心配は必要がないとする見方もありますが、今回のサル痘は従来のサル痘の特徴とは異なる症状も報告されており、系統も変化して感染性が増加している可能性指摘されています。

今回以下のような症状が報告されています。

全身症状として
・発熱(62%)
・リンパ節腫脹(56%)
・倦怠感(41%)
・筋肉痛(31%)
・頭痛(27%)などが

皮膚病変については95%で見られ、部位としては
・肛門性器領域(73%)
・体幹、腕、または脚(55%)
・顔(25%)
・手のひらと足の裏(10%)となっています。

また精液を分析した32人中29人からサル痘のウイルスDNAが検出されています。

 

世界におけるサル痘患者の累積報告数

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サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策にはサージカルマスクの着用と、手指衛生を頻回に行い、水疱が生じた場合、皮膚病変部位はガーゼなどで被覆し、特にリネン類を扱った後は必ず手指衛生(流水と石鹸による手洗い、又は擦式アルコール性手指消毒薬での消毒)を行う必要があります。全ての皮疹が痂皮となり、全ての痂皮が剥がれ落ちて無くなるまで(概ね21日間程度)は上記の感染対策が必要です。

サル痘が、今後脅威になるかどうかはわかりませんが、慎重を期して臨むべき状況であるのは間違いありません。必要な感染予防策をウイルスの特性に応じて取りながら、感染の拡大を防ぐ必要があります。

 

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